CSRのトレンド大予測、CSRトレンドの7つの課題(2014)

CSRトレンド

CSRのトレンド[2014年]

1月も終盤にさしかかり、今年も残すところたった11ヶ月となりました。皆様いかがおすごしでしょうか。

というわけで、今更なのですが、2014年のCSRトレンド大予想です。もっと早く記事化するつもりだったのですが、風邪で寝込んでたり、仕事さぼってゲームしてたりしていたら、この時期になってしまいました。すみません。

毎年言っていますが、ウェブ界隈の“トレンド”とは違い、CSRの流行というのはスローです。2・3年間のトレンドとお考えいただければ幸いです。

ちょい長めのまとめ記事です。

CSRトレンドの7つの課題

1、CSRのマネジメント

▶CSRのリーダーシップをとれない経営者たち

・CEOの84%は、企業は持続可能性の新たな目標を決め、その達成に向けて努力すべきだ、と思っている。
・しかし、67%は、企業は持続可能性に関する世界課題に充分に応えていない、と考えている。
・一方では、CEOの76%は、自社の持続可能性戦略の実践やそのスピード感に満足している。
・それでもCEOの54%は、持続可能性が今後の自社の事業の成功にとってとても重要だ、と述べている。

アクセンチュアの調査を引用し、CEOのCSRに対するリーダーシップについて述べた記事からの引用。このアクセンチュアの調査の興味深いのですが、約7割はサスティナビリティ(持続可能性)で収益向上や新規顧客開拓を促進できると思っている、という結果も。

CEOともなれば、企業経営に関する情報はキャッチできるので、方々で「CSRって大切らしいぞ」という話を聞くでしょう。そして、自分もそうは思うのだが、実際にするとなると……みたいな。

CSR活動自体はボトムアップでもいいけど、最終的な責任者は経営トップであるCEOが決めなきゃ。中小企業も大企業もトップの“CSRに対する覚悟”が弱すぎると、僕も実感してます。名前は言わないけど。

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2、ESGの情報開示

ESG情報の開示をめぐる動向(PDF)

・投資家等の意思決定の際にESG情報を加味する動きが徐々に進んでいる。
・企業にESG情報の開示を促す法制度や証券市場でのディスクロージャー制度が世界的に広がりを見せている。
・ESG情報の開示にあたって、連結ベースでの開示や、開示情報の信頼性を高めることをさらに期待されるようになれば、課題となる企業が少なくないことが伺える。

CSR報告書、統合報告書とか、CSR報告もトレンドがここ数年で動いています。

CSR関係者(CSRを支援する方々)は、ここが一番“メシの種”だったりするので、本気で市場の創造と普及をしています。僕は、コンペでのアドバイザー依頼があったりする程度で、クリエイティブにほとんどタッチしてません。

ただ、関係者と現場の意識差がハンパなくあります。CSR報告書の制作会社で有名な所は上から目線で嫌だ、なんて噂も聞きますし、何とかしたいなぁとも思っているわけです。

ですが、トレンドはトレンドです。しっかりチェックしておきましょう。

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3、CSRの従業員ボランティア

ボランティア活動は人材育成の手段となる

ボランティア活動やCSR活動が昨今盛んであるが、そこから企業は実質的なメリットを得ることができるだろうか。近年の研究や事例を見れば、答えは明らかにイエスだ。人材育成や事業機会の発掘など、やり方次第でさまざまな恩恵に浴することができるところに、ボランティアの醍醐味がある。

CSRにおいて、マイケル・ポーター氏のCSV(Creating Shared Value、共有価値創造)というポジショニング戦略から、ケイパビリティ(組織力)領域という、組織内部の価値に関心が移り始めています。

2014年は東日本大震災から丸3年という節目ですが、地域NPOへのボランティアなど、その仕組みが広がる年になるかもね。とりあえず、新しい気付きがあると思うので、引用記事を読む事をオススメします。

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4、ワークライフバランス

ビジネスパーソンのワーク・ライフ・バランスに関するアンケート調査

ビジネスパーソンの87%が、「もし会社がワーク・ライフ・バランス支援策を提供してくれたとしたら、利用したい」と回答

「子育て」「介護」「お金・法律」「健康関連」のカテゴリーで、会社の支援策を利用したい人は40%以上でした。また、いずれかを利用したいビジネスパーソンは87%にのぼりました。

性別・年代別に見ると、「介護」は年代が上がるにつれて利用の意向が強まる傾向が見られ、「子育て」に関しては30代の男性、20代の女性で利用したいと感じている人の割合が高い結果でした。

「健康関連」で利用したい支援策は、上位から「運動・フィットネス相談(31%)」「健康・医療相談(28%)」「快眠サポートプログラム(26 %)」となりました。

「介護」で利用したい支援策は、上位から「介護保険制度や経済支援に関する情報提供(41%)」「介護施設・サ―ビスに関する情報提供(41%)」でした。

従業員が3人の会社だろうが、3万人の会社だろうが、従業員を大切にしない会社はクソです。マジで。

ワークライフバランスという表現が正しいかどうかわかりませんが、企業側が従業員としっかり話をして、双方にメリットのなる形でCSRを推進すべきです。2013年に引き続き、関心は継続するでしょう。

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5、ブラック企業(コンプライアンス)

祝・流行語大賞受賞! 「ブラック企業」とは結局何なのか?

また、総務省によれば、週間就業時間60時間以上の人は、全体の11%(約478万人)以上になるそうで。週60時間以上ということは、週5日勤務の1日12時間労働以上となります。現実的に考えれば、朝9時に出社し、退社するのは夜9時以降がほぼ毎日で、場合によっては最終電車(午前0時前後)の直前まで勤務しているという実態だと推測されます。
オランダは、週のうち29時間が労働時間で、平均所得は約470万円ってOECDのデータがあります。確か日本は全体で年収は400万円ちょっとですよね。しかも60時間働いて年収が400万円って人結構いると思うのですが。「日本って…」思ってしまいますよね。

ブラック企業(コンプライアンス)の重要性は、2013年で皆様よく理解したんじゃないですか?「ブラック企業」は流行語大賞にもなったし、今年も引き続き関心の高いワードとなりそうです。

以下の記事も参考までにどうぞ。

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従業員は使い捨てますが、名目上「人材は宝なり」と言っています

6、コンテンツマーケティング

CSR領域のコンテンツマーケティングは可能なのか

コンテンツマーケティングとは、「潜在的見込客を新規顧客に変えるために、そして新規顧客を何度もリピートしてくれる優良客にするために、それぞれのステージ毎に適切なコンテンツを提供し、利益につながる行動を起こしてもらうこと」とされています。

CSRコンテンツのKPI設定がそもそも難しいです。多くの企業の場合は「情報開示(情報発信)」が目的なので、その先を目指さない例が多い印象があります。それでいて、予算も終わるし、結果もよくわからないから止めるとか……ね。

ただ、CSRもある程度成熟してきているので、どれだけ“数字に反映される”CSRコンテンツを発信してるかが、大きなポイントとなりそうです。

CSR活動にかかる予算を最小限にし、最大限の社会的なインパクトにつなげる。僕が日々言っている「結果につながるCSR」が重要です。

“持続しないサスティナビリティ”って、笑えないっす。マジで。

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7、CSRの社内浸透

バリュー・エンゲージメントでCSRの社内浸透が進む理由とは

メリットというか、従業員の文脈(価値観)でCSRが語られないのが問題なのです。
例えば、ワインが嫌いな人に、ワインをアツく語っても想いは届かないんですよ。社交辞令で相槌くらいはしてくれるでしょうが、人間、興味ないことにすぐに興味は持てません。興味がない人に興味をもってもらうって、家族でも難しいのですから、全従業員になんてできるわけないんですよ。

CSRの社内浸透(インナーコミュニケーション)というと、とにかく“手法”の話ばかりです。CSR情報の社内報、イントラネット・全社メール、ウェブサイト、パンフレットetc…。

それらが悪いとはいいませんけど、そもそもの情報伝達設計がおかしいだろ?CSR担当者も業者に発注する前に気付けや。そんな視点しか持てないから、そもそも浸透しないんですよって。

もっと、従業員目線でいきましょう。徹底的に。関心を持ってない人に関心を持ってもらうのって相当に難しいですから。

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心理学でCSRをデザインする!インナーコミュニケーション向上のための3つのポイント

おまけ

ちなみに、以下、著名な方のCSR予想。くだらない予想も多い中、以下の2つはかなり本質的だと思います。ご参考までに。

っていうか、CSR関係者の情報発信少なっ。マジでビビるレベル。CSR支援の方々は当たり前ですが、企業のCSR担当者の方の情報発信にも今年は期待しましょう。

2014年のCSR予測|CSR Asia
2014年のサステナビリティ展望|創コンサルティング

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今更かよ!という感じですが、かなりリアルな予想というか、実際のトレンドとなっております。ピーター・ドラッカー風に言うと「すでに起こった未来」(近い将来必ず起きるであろう事象)といったところです。

本来はCSRのトレンドがどうあれ、自社のCSRを貫くことが大切なんですけどね。ただし、社会的なニーズは時代とともに変わります。CSR活動が自分たちの正義を貫き通すあまり、独りよがりにならないようお気をつけ下さいませ。

2013年や今月起きた、CSR推進企業の不祥事を見て分かる通り、表向きだけのCSRはいつかバレますよ?ご存知かと思いますが、企業のブランドが傷つく時って、不祥事が起きた時ではなく、その不祥事対応(隠したのがバレた、謝罪会見が諸々おかしい、など)という“二次不祥事”がメインです。

CSR活動の中では地味なものですが、コンプライアンス・ガバナンスに関しても、凡事徹底なCSRでいきましょうね。

CSRの重要性を認識するのはもちろんのこと、CSRの目的、CSRの意義・意味、そして、そもそものCSRの必要性などを年初のうちに確認し、きたるトレンドに備えましょう。

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Photo by PHOTOPIN



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