ダイバーシティ経営とは

ダイバーシティ経営は“CSRの必要性”として認識されているのか。こんな壮大なタイトルですが、今一度、ダイバーシティ経営とは何かを振り返ってみましょう。

ちなみに、世の中には「ダイバーシティ専門家」という人たちがいます。別に、僕がどうこういう話ではないのですが、ごく一部だと信じたいのですが、こいつらがまた頭悪くて、面倒くさい人が多くて困ったりしてます…。

なぜかというと、彼女らにとっては、ダイバーシティの多くのテーマは「女性」であり、ダイバーシティがCSRそのものであるというような発言をします。はっきりいって、ダイバーシティという考え方はとても重要なのですが、CSRという概念の一部にすぎません。

なので、ダイバーシティが専門という人のCSRの知識のなさが、本当に悲しくなるのです。大手のコンサル部門とか、専門会社の担当者でさえそんなレベルって、しょせん「代表(社長)」が有名なだけのヘタレ・チームなわけでして…。残念でなりません。おたくの会社自体のダイバーシティは大丈夫なのですか?

と、愚痴はその程度にして、早速振り返ってみましょう。

ダイバーシティ

ダイバーシティとは、「多様性」と言われます。CSR戦略の中でもケイパビリティ(組織力)に注視するのに超大事な概念と言われています。

ダイバーシティは、さまざまな違いを尊重して受け入れ、「違い」を積極的に活かすことにより、変化しつづけるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに最も効果的に対応し、企業の優位性を創り上げること。これが理想なのですが、ダイバーシティの概念だけで組織が活性化するわけではないのでご注意を。

最近、ダイバーシティ領域で注目されているワードは「ソーシャル・インクルージョン」でしょうか。「全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う」という意味だそうです。

企業という枠だはなく、広く社会においてダイバーシティに注目しようという話なのでしょうか。福祉の領域では一般的(?)なようですが、どう考えても使っている人が少ない気がします。

「ダイバーシティ&インクルージョン」とか「インクルージョン」(社会的一体性)というワードも、よく使われます。類似ワードがいくつもあってよくわかりません。

今後の障害者雇用施策の動向〜障害者雇用促進法改正法について(PDF)」という話もありますが、障がい者雇用の話は、まさにダイバーシティに話ですよね。

社員一人ひとりが持つ様々な違い(性別・国籍・年齢・学歴や職歴等)を受け入れ、それぞれを価値として活かすことで企業の競争力に活かそうという考え方で、組織の開発に欠かせない視点のひとつである。 ここではダイバーシティに対するPFCの考え方を次の3点を中心に説明する。

1) 「ダイバーシティ」の目的は、変化に強い組織づくり。
2) 女性の数を増やすことだけがダイバーシティ推進活動ではない。
3) ダイバーシティ推進活動の成功のために体制の見直しを。
(5つの要素「ダイバーシティ」)

上記の会社の考え方は、僕のに近いですね。なんがパラッドクスですが、「“ダイバーシティ”をダイバーシティと呼ぶ時点で、その企業にはダイバーシティは存在しない」みたいな。ダイバーシティはケイパビリティ戦略の一部で、そこに注力しすぎても企業益にならないかもよってことです。

現在の仕事にやりがいを感じている人は、約6割

現在の仕事にやりがいを感じている人は、約6割。年齢を重ねるほど、現在の仕事に「やりがい」を感じる割合は高くなり、39歳以下で「やりがい」を感じている人は5割程度であるが、60歳以上になると8割を超える。

60歳を超えて働きたい人は、6割以上。65歳くらいまで働きたい人が、約3割。70歳くらいまで、働けるうちはいつまでも働きたいと回答した人は、約3割に達する。育児・介護中の働き方として、テレワーク制度等を利用して、場所や時間にとらわれずに、業務内容や業務量を変えない働き方をしたいと回答した人が最も多く、約2割を占める。
(「ダイバーシティ経営」~働き方からみた多様性の受容)

この調査結果は興味深いですね。ちなみに、この調査で一番興味深いと思ったデータは以下のヤツです。

ダイバーシティ経営の推進が必要と回答した人は、約4割。「自社の喫緊の課題にはならない」と回答した人は、約3割。ダイバーシティ経営の推進が必要と回答した509人のうち、6割以上が「多様な顧客ニーズへの対応に多様な人材のアイディアが必要」と回答している。
約6割が、10年後、20年後の日本の社会が「持続的な経済発展が期待できる社会」と男女が共同で家事・育児・介護等が担える社会になっていてほしいと回答。一方で、女性管理職比率が30%以上になるような女性活躍の推進を望む人は、5割を下回る。
(「ダイバーシティ経営」~働き方からみた多様性の受容)

BRIC諸国の若い世代もーワーク・ライフ・バランスを重視する」なんていう記事もあったり、ダイバーシティや、ワークライフバランスという概念が広がることは社会的にプラスなことだとは思います。

しかし、ゼロサムの論理で、従業員が幸せになっても、福利厚生が会社財務を圧迫し、倒産が増えるなんてことは避けたい所。

ダイバーシティやワークライフバランスへの投資が、企業の利益(数字)になるような仕組みを専門家や国には作ってもらいたいものです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

昨今はCSR活動において、従業員を含めたHR(ヒューマン・リソース)へのCSRアプローチが注目されています。

そもそも「従業員が幸せになれない」CSR活動をして満足する企業がおかしいとも言えます。一番身近で、しっかり話を聞いてくれる人たちを説得できなくて、誰を説得できるのでしょうか?

ホワイトでもブラックでも呼び方はなんでもいいですが、日々の企業活動をした結果“誰かが幸せになれる”CSR活動が普及することを期待します。

CSR活動の結果、誰も幸せになれないとか、必要悪以外の何なのでしょうかね?

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