心理学でCSRをデザインする!
CSRにおけるインナーコミュニケーション、社内CSR活動推進にはコミュニケーション・デザインが必要です。
「CSR活動は大事だから休日返上で参加しろ!」。こんな上司からの命令受けて喜ぶ人は何人いるでしょうか。
強制参加ではなく、“自分から参加したい”と思いたいという心情。よくわかります。嫌々やる会社のイベントほどつまらないものはありません。
そんな背景もあり、インナーコミュニケーションのヒントになるような、CSRと心理学の関係を3つほど解説。
行動心理を学び、社内CSRコミュニケーションを底上げをしましょう!
CSR×心理学の3つのポイント
1、イケア効果
イケア効果とは、ハーバード・ビジネススクールのマイケル・ノートン氏が提唱(証明)した、「手間をかけることで愛着が強まること」という行動心理学の学説。
嫌々するCSR活動に、従業員は愛着をもちません。CSR活動をしても基本的にメリットがありませんから。
インナーコミュニケーションでは、従業員の「自主性」を重要視します。自主性さえ引き出せれば、愛着をもってCSR活動をしてくれるし「イケア効果」もあいまって、ロイヤリティ向上につながるでしょう。
▶ステークホルダーとの価値共有は“愛着”で決まる?CSRを“ブランド”へとシフトさせる「イケア効果」
2、行動心理学
行動心理学と言っても、難しく考える必要はありません。
その項目はたくさんありますが、例えば、「準拠集団」という概念に注目してみましょう。
準拠集団とは、人の価値観、信念、態度、行動などに強い影響を与える集団の事。
準拠集団となるのは、必ずしも当人が所属する集団とは限らない。心理が及ぶコミュニティ範囲のこと。
インナーコミュニケーションにおいて重要なのは、従業員を“巻き込む事”。上から目線ではなく、従業員の目線(価値観・文脈)でストーリーを語りましょう。
ただ企業に属しているからといって、心理的にも所属しているとは限らないわけです。
心理的にも企業のCSR活動に取り組んでもらうにはどうしたら良いか。そんな所がポイントなのかもしれませんね。
▶CSRコミュニケーションにめっちゃ役立つ、「行動心理学」7つのポイント
3、幸福感
人は誰しも幸せになりたいと思っています。
近年、社会貢献活動をすることで、幸福感(快楽意識)が得られるという研究結果がいくつも出ています。
他人のためにお金を使う事の方が、自分ためにお金を使う時よりはるかに幸福感が高まる。
アメリカ国立衛生研究所の実験で、被験者に慈善事業への寄付を考えさせたところ、利己的な快楽に関わる脳の部位が活性化したという研究結果です。
人のための活動が、自分の快楽(幸福感)につながる。非常に興味深い実験結果です。でもわかる気もします。
つまり、強制的にCSR活動の理解を促すのではなく、従業員が参加したくなるような、行動デザインを目指せばいいのです。
▶幸せになりたい人・企業は必見!社会貢献をすると“幸せになれる”3つの理由+格言
まとめ
いかがでしたでしょうか。
僕はCSR研修の売れっ子ではないのですが、CSR研修の時に、ちょっとお話することがあります。こういう視点は学びが多いと参加者の方からフィードバックをいただきます。
ただの感情論や、“見かけだけの論理的思考”は好まれませんからね。コミュニケーション・デザインを描く重要を感じています。
この記事があなたの活動のTipsになれば幸いです。
関連記事
・バリュー・エンゲージメントでCSRの社内浸透が進む理由とは
・CSR社内研修の意義とは? 社内浸透教育の重要性を再考した
・CSRの課題を見極める! CSR推進を阻害する18の要因