CSR領域におけるコンテンツマーケティング

CSR領域におけるコンテンツマーケティングは可能なのか。

先日、企業のCSRコンテンツ(ウェブ・マガジンみたいなヤツ?)製作依頼を受けたので、諸々、思う所をメモしておきます。今後、コーポレートサイトや、CSR関連のウェブ・コンテンツ運営をする企業の方の役に立てる記事です。

ちなみに、コンテンツマーケティングとは、「潜在的見込客を新規顧客に変えるために、そして新規顧客を何度もリピートしてくれる優良客にするために、それぞれのステージ毎に適切なコンテンツを提供し、利益につながる行動を起こしてもらうこと」とされています。

更にコンテンツマーケティングを知りたいという方は、「コンテンツマーケティング|弊社が広告費ゼロで売上を劇的に上げた方法」をどうぞ。バズ部さんの記事は文字数がかなりありますが、概念もテクニカルな部分も両方しっかり学べます。

CSRはそもそもマーケティングなのか?

プロブロガーのイケダハヤトさんは、コンテンツマーケティングが向いている“特性”について以下のように言っています。

1、情報を検索するマニアが多い
2、その割に、業界的にデジタルに弱い
3、ネットでコンバージョンしやすい商材を扱っている
4、社内に「文章が書けるオタク」がいる
5、炎上を恐れず、権限委譲できるリーダーがいる
(「オウンドメディア」を使ったマーケティングが向いている業種・組織)

CSRという領域に関して言えば、僕のブログ(当ブログメディア)はコンテンツ・マーケティングができているかなと。検索から毎日1,000人以上訪問してもらえていて、件数は少ないですが、色々なご相談やご発注をいただいております。

ただ、大手企業なんかが、CSR的なコンテンツ(ウェブメディア)を作っている事例もあるのですが、正直、検索流入数が多いとは思えません。また、CSR系コンテンツという位置づけだからか、マーケティング要素は皆無かと。つまり、読者を呼ぶだけ呼んで、放置なのです。コンバージョンさせないのです。

組織的にいえば、4番の「ライターが社内にいる」は、CSRの場合ないでしょうねぇ。5番にもつながりますが、「ライティングできるし、任せられる」人が、CSR関係者にどれだけいることか…。少なくともサラリーマン系CSRコンサルタントなどは無理でしょうね。

確かに、CSRコンテンツのKPI設定がそもそも難しいです。多くの企業の場合は「情報開示(情報発信)」が目的なので、その先を目指さない例が多い印象があります。それでいて、予算も終わるし、結果もよくわからないから止めるとか……それ新手の自爆系コントですか?(笑)

制作会社もいけないとは思いますよ。「作って欲しい → わかりました」で終わりでしょう。「作って欲しい → 結果出せないものは作りたくない」なんて真摯なアドバイスをする制作会社の人いないでしょ。ノルマなどもあるでしょうし。そうやって、日本のCSRコンテンツは死んでいくんですね。残念です。

CSR領域のコンテンツマーケティング

話が逸れましたが、CSR領域のコンテンツマーケティングは可能か、という問い。

僕は、現状難しいのかなぁ、という印象です。それはなぜか。

前述している通り「CSRコンテンツ」自体がそもそも曖昧すぎるから。そのコンテンツで、「誰に、どんな情報を伝え、どういう行動を期待するのか」という設計がまったくないからかもしれません。

企業運営のソーシャルグッド系メディアを含めても、CSR関連に特化したものは見られません。一年中、あらゆる方法で様々なアンテナをはってますが、ここ数年でいくつか出てきて、すぐに立ち消えしている印象があります。事例に関しては、以下の記事を参考にどうぞ。

ソーシャルグッドでエシカルなウェブマガジン総まとめ18選[2013年版]
CSRブランディングを強化するために知るべき16記事[2013年版]

まとめ

いかがでしたでしょうか。

CSRでマーケティングを。これは“儲かるCSR”的なニュアンスで用いる人がいます。それはいいのですが、実際、ウェブマーケティングとして成立する事例は皆無です。

色んなウェブメディアの編集長に、ブロガーがヘッドハントされていると聞きます。特定の領域ですでに活躍する人だったら、その領域のコンテンツマーケティングは可能でしょうね。逆に言えば、それ以外は、かなり可能性が低そう。

んー、なんかこういう結論だと、“僕にご発注下さい!”みたいな風に見えますが、その通りです(笑)

というよりも、CSR領域のコンテンツもそろそろ進化したほうがいいと思いますよ。CSR担当者の方は、きちんと情報収集をして「結果を出せる」コンテンツクリエイターに発注して下さいね。