ソーシャルグッド

ソーシャルグッドでエシカルなウェブマガジン

あなたは「ソーシャルグッド」という単語を聞いたことがありますか?

「ソーシャルグッド」を直訳すると、「社会善」とか「共通善」とか訳されます。

日本語の社会貢献に近いワードです。社会貢献はフィランソロピーと同じ意味合いで語られますが、フィランソロピーは、日本語のニュアンスでいうと慈善活動が近いと感じてます。

今回は、僕がいつもチェックしている、ソーシャルグッド系のウェブメディア、CSR系ウェブメディア、企業のCSRコンテンツの紹介を。もちろん、2014年注目のメディアも合わせて紹介させていただきます。こうやってみると、結構少ないですね。

ソーシャルグッドなウェブマガジンまとめ

ソーシャルグッド系

1、マイロハス
ロハス、エシカル、オーガニックなどのワードが好きな人は必見のメディア。ソーシャルグッド全般の話題も多いので、僕もよくチェックさせていただいています。

2、グリーンズ
ソーシャルグッドなメディアといえば、日本でこのメディア抜きには語れません。ソーシャルグッド・メディア界のパイオニア的な、兄貴的な存在です。

3、トジョウエンジン
2013年に一気に躍進したメディアの一つ。一つ一つの記事内容はそこまで肉厚ではないものの、記事本数が圧倒的。海外のソーシャルグッド情報を日本語で読めるメディアは少なく、僕もRSSで毎日チェックしてます。いつかバレないようにパクり記事書きたいです。

4、Huglobe(はぐろぶ)
はぐろぶは、今年にできたメディアですね。編集長mioさんの価値観が前面に出ているキュレーションメディア。ジュエリー系など、僕のアンテナにはかからない部分の情報が多く、よく見てるメディアの一つです。

5、エシカルファッションジャパン
タイトルそのまま、エシカルファッションがテーマのメディア。僕が良いなと思う所は“エシカルに媚びすぎない”所。エシカル大好きな人はエシカルを否定的に見ないので、オピニオンが偏るのですが、ここはそうでもないんですよ。

6、オルタナS
ソーシャルグッドな情報をまんべんなく発信するメディア。有名人絡みのネタも多いし、裏取りなどもしっかりしている所が良いですね。

7、エシカ
こちらも、今年ローンチされたエシカル系メディア。1本の記事の厚みが良いです。最新情報を得るというよりは、雑誌を眺めるような感じになります。

8、あしたのコミュニティラボ
これ富士通が運営しているんですね。自社コンテンツではない(本業とは別の)、読み物を企業が運営している事例は初めて見ました。すでに1年以上運営されてます。まさに、読み物として素晴らしいできです。

9、チャリティニュース
マメに更新されている、社会貢献情報全般がネタのメディア。gooddoマガジンと同じく、ニュース的な要素が強いかな。

10、ganas
国際協力関連のニュースを日本語訳して配信しているメディア。ライターも多いらしく、定期的な情報発信がされています。RSSがないので、僕はTwitterでチェックしてます。独自ドメインでもないし、仕組み的に読者の取りこぼしが多そうで、そこだけ残念。

ビジネス系

11、Sustainability Frontline
このメディアは、CSRなどのビジネスよりなソーシャルグッド系情報メディア。海外の情報も日本語で配信しています。

12、オルタナ
CSR関連では、かなり前から情報発信をしているメディア。環境とか原発とかのネタが多いです。

13、ジャパン・フォー・サスティナビリティ
ビジネスや環境よりの情報が多いメディア。最近リニューアルして、見やすくなりましたね。

2014年注目のソーシャルグッド・メディア

ソーシャルグッド
ルトワ

「ソーシャル・インクルージョン」をテーマにしたメディア。クリエイティブ系出身の人が作ってる感じが個人的には大好き。

社会貢献をストレートに伝えるメディアはすでにあるので、多様性というか、コミュニティというか、枠ごと切り取るという視点はいいですね。今回紹介したメディアにはない視点です。

社会貢献系のメディアを作りたい!という人や、実際作ったけど全然更新してないという人が多いなか、今後どこまでコンテンツを確実に、継続的に増やしていけるのか。注目です。

企業のコーポレートサイト

コーポレートサイトをウェブマガジン化する企業が2013年は増えましたね。CSRコンテンツも各社それなりに記事化しています。個人的にはCSR報告書なんか読まず、こちらをよんでしまいます。いや、CSR報告書も重要なんですけどね。

コカコーラ
日本語サイトは一足遅く、ウェブマガジン化。本国と違いNPO系の外部ライターはゼロ。でもいわゆるCSRコンテンツも結構あります。

DeNA
CSRコンテンツはあまりありませんが、それでもトップページからCSRコンテンツへの入口は多いほうかと。

企業のCSRコンテンツ構築に関しては「CSR広告制作におけるコンテンツマーケティングの3つのポイント」という記事を参照下さい。

また、ウェブマガジンというほどの情報量ではありませんが、充実したCSRコンテンツサイトを運営している企業もあります。「マジで参考になる、Coolな企業のCSR特設Webサイトまとめ10選」でも書きましたが、やはりデジタル・マーケティングに精通している企業ばかりになってはしまうようです。

企業のブログ「企業の社会貢献・CSRブログまとめ[2012年版]」もあるのですが、内容がつまらないんですよね。今年もまとめようとおもったのですが、やめました。ベストプラクティスだと思ったら、個別に紹介しようと思います。

週1本以上更新しているブログもあるのですが「CSR活動の報告」どこもメイン・コンテンツなので、第三者の多くは興味が持てないのです。つまり、「読み物として成立していない」のですよ。

いつもこのブログで書いてますが、「自社が伝えたい事」と「読者が知りたい事」は基本一致しないのが、この領域の残念なところです。逆にそこにアプローチできれば、興味をもってくれてる、毎月数千人程度には確実にリーチできるでしょうね。

なぜソーシャルグッド系メディアはすぐに廃れるのか

これは、ソーシャルグッド・社会貢献関連だけの話ではないのですが、ウェブメディアの運営そのものの継続が難しいというのが、一番大きな廃れる理由でしょうね。マネタイズの問題もあります。

上記で紹介したメディアもほとんどが3年以内に立ち上がったものです。僕は2009年8月からこのブログを書いているので、丸4年以上継続しています。どのジャンルも3年以上、週1本以上の記事を継続して発信しているメディアは少ないかもしれません。

ソーシャルグッド・社会貢献の領域は勢い(社会貢献に関する情熱)で、そしてワンマンチームの勢いのままスタートするので、99%うまくいかないんですわ。それは、現実が雄弁に物語っています。

日本で、「ソーシャルグッド・社会貢献全般」というウェブ・メディアで結果を出せるスキルがある人は、日本に何人いるのでしょうか?

社会貢献全般に精通していて、ウェブの製作・運営にも精通している人。社会貢献とウェブの両方に詳しい人は、日本で二桁いないと思います。実際に、月間数万人以上の読者を継続的に集めた実績がある編集長となると…。

ウェブメディア運営って、もともと無理ゲーですよ。とにかくコストがかかります。初期の三ヶ月分のコストを出せないのであれば、誰かが無理して人件費を捻出して運営するしかありません。それでは継続しないよねって話。

「小さくても継続的にやってればいいじゃん」という人たちもいますが、それだけでモチベーションとリソースを継続できるほど甘くありません。規模が小さい所ほど、すぐに更新しなくなる印象です。

これは企業ブログでも同じですが、3年も経つと、当初の予定や内容とは随分変わってきます。時代の変化が早いですから、当然です。

正直、今回紹介したサイトでも、来年末には開店休業になってしまうメディアも出てくるでしょうね。新しいメディアが1年で数個生まれて、数個消えていく。ビジネスモデルがそもそもない所が多いでしょうからね。

日本にソーシャルグッド・社会貢献メディアがしっかり根付くのは、現実としては厳しいのかもしれません。だからこそ、壁を突破するニューカマーを期待しているとも言えますけど。

まとめ

2014年末にこの中でどれだけのメディアが更新頻度を保っていられるか。サイトはそのままでも、更新がストップする、というパターンは本当に多いんです…。

僕個人としては、このブログ経由で年間数百万のお仕事をご発注いただいています。ですので、ブログそのもので儲ける必要はないのです。それでも、お仕事を定期的にいただけるようになったのは最近の話ですが。

今後は企業もNPOもコンテンツマーケティングを通じて、顧客へリーチするという方法は一般化していくでしょう。ちなみに、社長ブログとかは多くの場合つまらないので、コンテンツマーケティングとは言いませんのであしからず。

ここ数年で僕が色んなウェブメディアを見てきて、思う事はただ一つ。「編集長を置きましょう」ということだけです。初期のスタートアップは実績のある外部スタッフを立てておいて、仕組みが出来た所で社内スタッフを編集長にするのが理想かな。

というわけで、今回紹介させていただいたメディアで、CSR・社会貢献に関する情報を収集しつつ、自社のメディア戦略の参考にしていただければ幸いです。あっ、そうそう、このブログのソーシャルメディアやRSSのフォローもお忘れなく!!