社会貢献・CSRにおける投資
社会に良いことをしながら、投資としての経済的リターンもある。そんな話ってめっちゃよくないですか?
というわけで、今回は、社会貢献型投資の話題をいくつか引用しながら、昨今のマーケット規模なんかを紹介します。
CSR関連情報を含めたIR報告書(統合報告)なども増えているようですし、この分野はこれからの1〜3年は要注目の領域であります。該当する方は文末まで読み切ることをお勧めします。
投資の新たな選択肢として注目
投資を通じて新興国の支援などもできる「社会貢献型債券」が個人投資家の間で広がっている。2013年に国内で個人が前の年のほぼ倍の約2400億円を購入した。国内で本格登場した08年から累計の販売額は、年内にも1兆円を超えそうだ。新興国の農業や女性を助けるなど内容も多彩で、投資の新たな選択肢として注目されている。
私の投資、社会の力に 「貢献型」債券累計1兆円へ
規模としては、決して小さくないんですよね。
僕は、この領域に深い見識があるわけではないのですが、見せかけだけのものも、ぶっちゃけありますよね?
投資としてのリターンもありつつ、社会的なリターン、つまり、何らかしらの社会課題解決に貢献とかまでインパクトを出せる、と。
それはそれで素晴らしいのですが、正直、儲けようとする投資家がこの領域に多く入るという現場の情報を見聞きしないものでして、実際の所どうなのかよくわかりません。
マーケットの規模はさておき、社会的なインパクトを重視するなら戦略的寄付のほうがいいかもしれないです。今の方法で経済・社会的にリターンがあるかというとまだまだ難しいのかもしれません。
金融機関のカモにされる恐れ
社会をよくしたいという気持ちは、ときに金融機関のカモにされる恐れがあります。一時期、テーマ型の投資信託として「エコ・ファンド」がありました。これは、環境貢献型の企業を中心に投資を行う投資信託で、日経平均に採用されている企業リストやTOPIXに採用されている企業リストとは異なる企業リストを作成し、投資を行います。もちろん、環境に意識の高い企業(リサイクル率が高いなど)が、収益も高いとなれば「世の中もよくなり、私も儲かる」ですが、コストはかかる割に売り上げで負けてしまえば、運用成績もいまいちということになってしまいます。
投資と社会貢献、この厄介な感情はプラスでもマイナスでもある~マネーハック心理学
人の善意は、正直お金にできます。いわゆる寄付ですね。
金融機関だけではないと思いますが、ビジネスって、社会性が問われる前にビジネスとして成立している必要がありますよね。そうなると、まず、自分たちが損しては話になりません。なので、一部の人は「人身御供」となり、いわゆる「カモ」になるわけですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
投資という視点でみれば、社会貢献だESGだといってそこに価値を見出す人って実際多くないですよね?多分。
もちろん、僕としては、投資により、社会問題解決の動きが加速することを望んでいます。しかし、まだまだ発展途上のスタイルであるだけに、過信は禁物です。
投資する人もされる人も、ただ“社会貢献だから”ですまさず、うまく循環する仕組みができればいいと思います。
この分野に詳しい人には、どんどんロビー活動なんかして、健全なマーケットに育てて欲しいです。
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