CSRコンサルタントが選ぶコーズマーケティング
コーズマーケティングは、本当に社会変革のきっかけになるのでしょうか?
CSRコンサルタントとして活動する中で知ったコーズマーケティングの2014年の事例記事をピックアップしました。
他にも紹介した例がないわけではないのですが、いっぱい紹介しても全部は見てくれないと思い、コンパクトにまとめました。
CSR・コーズマーケティング事例の良記事10選
1、AppleのCSR! 世界エイズデーのコーズマーケティング事例
2014年12月1日の「世界エイズデー」中、Appleの全商品が「(RED)」という社会貢献プロジェクトに、売上の一部を提供したとのこと。
2、最新iPhone6対応! 社会貢献できる公式iPhoneケース「(PRODUCT)RED」
PRODUCT REDは、チャリティ・プログラム対象商品購入金額の一部を「世界エイズ・結核・マラリア対策基金」に寄付するものです。もちろん、2014年9月発売のiPhoneでもその姿勢は継続されています。
3、善意に頼りすぎないコーズマーケティング2事例
普通、この手のマーケティングやPRでは社会貢献を全面に出すのですが、商品開発や仕組みを工夫することによって、ビジネスとして継続性のある事業活動ができうるのでは、と。
4、海外のCSR・コーズマーケティング事例集本「グッドワークス!」(フィリップ・コトラー)
コトラー先生の最新著書。特にマーケターの方におすすめ。書評記事です。
5、コーズマーケティング成功事例は価格ギャップをなくすこと?
アパレル系で、エシカルや社会性にフォーカスするスタートアップが日本にいくつかありますが、いかんせん高い。やはり、同レベルの商品を比較する時、値段はとても大きな購買要素になるわけでして。
6、CSVとCSRとマーケティングの絶妙な関係について
CSRはISO26000に代表されるようにマルチステークホルダーから生まれました。一方、CSVは、経営戦略(マーケティング)学者が生み出したものです。コーズマーケティングを知るにはこのあたりも整理しておきましょう。
7、結局、戦略的なCSRは競争戦略として成り立つのですか?
企業の社会性は、競争戦略になりうるのか。サスティナビリティの考え方と一緒に、この領域も整理しておきましょう。
8、儲かるCSRや競争力のあるCSRは実現可能なのか
結論、コーズマーケティングやって「儲かる」のですか?って話。キレイごとだけでは企業は運営できませんよね。
9、可視化・定量化できないCSRは、本当に意味がないのか?
そもそも、コーズに対するアプローチを定量評価できる形で実施しているのか。寄付金額の多い少ないではなく、社会へのインパクト(アウトカム)を指標にすべきでしょう。
10、コーズマーケティング・CSRマーケティングを強化するために知っておくべき記事18選[2013年版]
2013年のまとめ記事です。
まとめ
僕は、インパクトの小さいコーズマーケティングはすべきではないと思うタイプです。
CSR担当者は「本業でCSRならコーズマーケティングやろ!」みたいな単純な発想をしがちですが、そんな簡単な話ではありません。そんな簡単に結果出せるなら、どの企業もやってるって。
で、数万円〜数百万円レベルの寄付金額なら、しなくてもいいかなと。マーケティング・コスト(予算・人件費)を考慮すれば、直接寄付したほうがインパクト大きく出せるだろうし。日本の施策はチャリティ色が濃くて、マーケティングとは呼べないものも多い印象です。
キャンペーン(数週間〜数ヶ月限定)のコーズマーケティングもので、通常のマーケティング以上の結果出すなんて、よほどの運がないとできないでしょう。
ここ数年のコーズマーケティングの動向を見ていると、ポイントは「継続性」と「KPI設定」となるでしょうね。
儲かっても儲からなくても3年は継続するくらいの中期的な施策であること、また、欲張らないで、どこまで到達できたら目標達成とするのか。結果に貪欲なコミットメントをほとんど見たことがありません。復興支援系なんて特にそうだと思います。
テクニカルな話題がよく出る領域ですが、上記の事例も参考にして、企業側も社会もハッピーになれるような取組みにしていきましょう。