CSR・コーズマーケティング事例集本

今回の読書メモは「グッドワークス!」(フィリップ・コトラー、デビッド・ヘッセキエル、ナンシー・R・リー、東洋経済新報社)です。

CSR・コーズマーケティングの事例集みたいな感じで何十社もの事例が掲載されています。コーズマーケティングや海外のCSR事例を探している人は絶対買った方がいいです。

基本的にはアメリカのCSR・コーズマーケティング事例ですので、日本事例は皆無です。また文化的に日本では馴染まないであろう活動も多々あり、そのままマネするというよりは、読み物としてこういうのがあるんだ、という形がいいのかもしれません。

大枠はフィリップ・コトラー氏の「社会的責任のマーケティング」(2007)のパワーアップ版というイメージです。この本は、フィリップ・コトラーというマーケティングの大家がCSRが重要だと言っているぞ!と知らしめた一冊でして、読みこなすのは大変ですが、こちらも合わせて確認しておきたい所。

短いですが、日本でも大きな課題である評価方法のまとめなどもあり、多くを網羅した、丁寧な作りになっています。

実は、先日、六本木ヒルズで行われた出版記念イベントに参加しまして、共著者のデビッド・ヘッセキエル氏のプレゼンテーションも合わせて聞いているので、僕の中ではすっきり入ってきたというのもあります。

出版記念イベントに参加すると、なんか読者コミュニティに参加できたような、読書体験とは別の学びがありますよね。何人かしか名刺交換してませんが、企業側の人だけではなく、NPO関係の人も多く参加していたみたいですよ。

余談ですが、この本の共同翻訳者の中に知人がいてびっくりしました。出版記念イベントでたまたま会って知りました。いやー、こんなこともあるんですね。その方は別にCSRとかコーズマーケティングの専門家とかではないんですけどね。

CSR部の方はもちろん、広告会社やCSR支援を行う方、NPOやソーシャルセクターの方にも、企業のあり方を学ぶ良い本だと感じました。

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グッドワークス!(GOOD WORKS!)

すでにこの経済的な利益と社会的利益を同時に生み出すという絶妙なバランスを必要とするプログラムに実際に着手している人も、どのような社会的課題を選ぶか、どのパートナーと組むか、社内でそのアイデアをどう売り込み、どのようにして現実的に成果を出し続けていくかについて、頭を悩ませているかもしれない。

NPOや公的セクターにいて、社会的使命の実現のために働いている人々も、企業支援やパートナーの模索に日々悪戦苦闘しているだろう。そもそも企業がどんなニーズやウォンツを持っているかを知らなければ、どんな企業にアプローチすべきか、どんなアプローチが有効なのかはわからない。

本書は、こういった悩みに日々直面している人々すべてに対して、わかりやすい考え方の基礎を示すとともに、明日からでもすぐ使える実践的なアドバイスと膨大なる実例という有用なヒントを提示するハンドブックである。