DJSI(ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・インデックス)
去年「有名CSR格付け「DJSI(ダウ・ジョーンズ・サスティナビリティ・インデックス)」の模範解答の3つのポイント」という記事で、実際に調査票をお書きになった方から寄稿をいただき、色々学びがありました。
で、今月に入り、「DJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)」、「DJSI Asia Pacific(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・アジア・パシフィック・インデックス)」の2014年版が発表されてましたのでまとめます。
ちなみに、僕はそっち系の専門ではないので、インデックスの細かい部分はわからず解説しません!(テキトーですみません)本稿では、まずそういうインデックスがあるんだね、とご確認いただければと思います。
■追記:2015年9月30日
2015年版の記事:今年の日本企業選定は20社–社会的投資指標「DJSI」(2015)
DJSI(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)
DJSIとは、米国のダウ・ジョーンズ(Dow Jones)社と、スイスのSRIに関する調査専門会社であるSAM(Sustainable Asset Management)社が共同開発した株価指標で、経済・環境・社会の3つの側面から世界各国の大手企業の持続可能性(サステナビリティ)を評価するもの。また、産業別、地域別の格付けもあわせて発表されます。
ダウ・ジョーンズ社ってどこで聞いた事あるなぁ、って人多いと思いますが、経済誌「The Wall Street Journal」などを発行するアメリカの出版社で、アメリカの株価指数である「ダウ平均株価」を算出していることでも有名です。
1999年にダウ・ジョーンズ・インデックスとSAMによって発表されたこのインデックスは、最も長く利用されているグローバルな持続可能性ベンチマークの一つとなっているみたいです。
今年は、世界の約2,500社がDJSI Worldの対象として調査され、319社が採用。うち日本企業は21社が組み込まれています。DJSI Asia Pacificでは、600社中、日本企業では65社が構成銘柄に組み入れられました。
選定企業では、エーザイ、アステラス製薬、中外製薬、川崎汽船、川崎重工、リコーなどからプレスリリースがでてましたね。
また、花王は24の産業グループのうち、所属する「Household & Personal Products(ハウスホールド・パーソナルケア製品)」産業グループにおいて最高点を獲得し、日本企業で唯一、「Industry Group Leader」に選定されたらしいです。すごいですね。
世界的に有名なインデックスですので、なでしこ銘柄とかのインデックスとは影響力が比べ物にならないくらいあるんでしょうけど、日本ではいうほど盛り上がっていない感じもします。
僕だけが知らないだけで、日本に数万人いるCSR・社会貢献関連部署の人の中では一大イベントなんですかね?いわゆる大手企業は結構気にする所が多いのは間違いないかとは思いますけど。(複数企業のCSR担当者の証言)
サスティナビリティ関連のインデックス
DJSIは有名なインデックスですが、他にもいくつかあるのでご紹介しておきます。
この他に例えば、FTSE社が選定する「FTSE4Good Global Index」、Ethibel社による「Ethibel Excellence」、モーニングスター社による「MS-SRI」などの代表的なSRI指数の構成銘柄もあります。
日本ではそもそもSRIマーケット自体がマイナーとされており、世界で盛り上がっているから日本も続けと関係者の鼻息の荒さばかりが目立っているようであります。
僕も社会的投資関連の話はまだまだ勉強が足りていないので、今年来年はしっかり学んでいきます。SRIについてはまとめた記事がありますので、そちらも参考までに。
・日本のSRI(社会的責任投資)は、CSR報告をどう変えるのか
・CSRに興味がある投資家にオススメの一冊「グリーン投資戦略ハンドブック」(荒井勝[訳])
・200万人以上が見た、CSR・サスティナビリティ投資の動画3選
・CSRのインパクト投資評価フレームワーク「インパクト投資の7つの質問」
まとめ
いかがでしたでしょうか。
有名なインデックスの構成銘柄に入るということは素晴らしいと思いますが、こういう調査会社の評価が高くても、日本の市場で企業イメージが悪い会社とかもありますよね。
「評価機関に“評価されるためのCSR活動”が、社会の役に立つCSR活動とは限らない」と思うのです。そもそも何かミッション・ビジョンがありCSR活動を始めたと思うのですが、外部の評価を気にするあまり、従業員とか、日本社会とかへのインパクトをないがしろにしているのではないか、と。
今後日本企業がインデックスに入り込んでいくのか、それとも海外勢に押されて、選定企業が減っていくのか。来年の動向にも注目です。
■Dow Jones Sustainability Indices(英語サイト)