Creating Shared Value

CSV(Creating Shared Value)事例

CSV(Creating Shared Value)事例として、日本企業CSV活動事例を5つほどピックアップしました。CSVおよび、CSRのケーススタディにどうぞ。

以前、「CSRでイノベーションを! 世界のソーシャルグッド事例まとめ10」という記事も書きましたが、ソースは同じトジョウエンジンです。

日本企業CSV活動事例5選

1、ソーラーランタン10万台プロジェクト|パナソニック

世界の無電化地域に『あかり』を贈る、パナソニックの「ソーラーランタン10万台プロ­ジェクト」。このムービーはぜひ、見て下さい。パナソニックの素晴らしい活動の意義がご理解いただけると思います。本業は色々大変という噂も聞きますが、このプロジェクトは頓挫させないようにしてもらいたいです。

2、ユニセフを支援するCSR活動

スタージュエリー 「BEAR FOR PEACE」、イオン1%クラブ「ミャンマー学校建設募金」、FNSチャリティキャンペーン「ネパールの子どもたちに笑顔を」、nepia「千のトイレプロジェクト」、VISA「ユニセフVISAカード」などが、NGOのユニセフ(国連児童基金)とのコラボ・プロジェクトとなっています。

NGOに寄付する、という画一的な枠組みではなく、自分たちのリソースを活かし、そうやって社会課題にアプローチできるかというビジョンが素晴らしいですね。

NGOと企業のコラボレーションは、世界中で注目される、CSR分野におけるメガトレンドです。しっかり事例研究しましょう。

3、Zoff(ゾフ)のCSR活動

メガネブランドの「Zoff(ゾフ)」が、10月10日の「目の愛護デー」からの1ヵ月間、メガネを1本購入につき古いメガネを1,000円で下取りするキャンペーンを実施していました。(現在はキャンペーンが終了しています)

アパレルが、服の回収をし、クーポン券を配るというのはいくつかのブランドで実施されていました。(GAPのCSR事例! クーポン付きで“三方よし”な「デニムリサイクルプロジェクト」

しかし、眼鏡ブランドのリサイクルとクーポン(下取り)と途上国支援のプログラムを実施したのは始めてみました。他でもしているのでしょうか?こういった、モノを売るビジネスのブランド全部がこういった取り組みをしたら……。

CSR先進企業のおかげで、世界は着々とソーシャルグッドな方向に進んでいるようです。

4、高島屋のCSR活動

WFP(国連世界食糧計画)、Table For Two(TFT)、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)という3社のNGOとのコラボレーション・プログラムを実施している高島屋。

山口県の百貨店がCSR活動(コーズマーケティング)に取り組む「百貨店のコーズマーケティング事例! 売上が最大2倍の「募金百貨店プロジェクト」」という記事を書きましたが、大きな商圏をもつ企業がこういう取り組みをするのは素晴らしいですね。

さて、僕もおせちは高島屋で買うかな。

5、島村楽器のCSR活動

島村楽器が、「楽器で世界を笑顔にしよう~楽器リサイクルプロジェクト~」を実施しました。(現在キャンペーンは終了しています)

このプロジェクトは、不要となった楽器・壊れた楽器を預かり、島村楽器が運営をする音楽学校で楽器の再生のための修理を行い、開発途上国や国内の児童養護施設に届けるというもの。

僕も元バンドマンとして島村楽器さんにはずいぶんお世話になりましたが、下取りこそしても、それを途上国支援等にまわすというのは見た事がありません。

島村楽器は儲からないので、継続的なプログラムにはしにくいのかもしれませんが、こういうプログラムこそ、分社化してNPO法人にし、現役ミュージシャンとかとコラボしながら継続していってもらえたらなと思います。

音楽を愛する人間に悪いヤツはいない。コレ、僕の持論です。音楽にふれる人が世界中で増えるといいな。

CSVの要点

ただ一つ注意したいことは、CSVの捉え方でしょう。CSRはダメ、CSVは良いという「CSV信奉者」の方々がいます。どこぞの大学の教授までも。

大抵、その人たちは、企業経営経験者でなかったりします。企業経営をしたことがないのに、よくそんな暴論を解き放てますね、と常々思います。

CSVは素晴らしい理論であることは間違いありませんが、今のCSRのトレンドでもあるHR(人的)領域のCSR/CSVの話はほとんど語られていなかったりします。今、ブラック企業の話題が吹き荒れる日本の企業群の中で、最も注目を集めるのは、企業倫理を含めた、ビジネスとはならないコストの領域だったりします。

CSVは価値を生むという点に焦点を合わせすぎて、そのあたりの話がまったくといっていいほどでてきません。

もう一度言います。CSVは素晴らしい考え方です、問題はCSVを含めて、企業経営をどうとらえるのか、という話が重要なのです。世界の経営学の最先端でCSVがなぜ研究対象とほとんどされないのか?って所を見れば一目瞭然だったりします。

そのあたりは、マイケル・ポーター氏のCSVの論文を読み直すか、以下の記事を参考にして下さい。

思考に歴史あり!マイケルポーターの「FFA-CSR-CSV(creating shared value)」の遍歴再考
マイケルポーターの戦略的CSR、CSV(Creating Shared Value)を考察するための良記事22選
CSV(Creating Shared Value)の事例集! CSV事例の良書「CSV経営」(赤池学・水上武彦)

まとめ

いやー、CSR・CSV問わず、事例(ケーススタディ)は日本人が大好きな所ですので、トジョウエンジンみたいに、定期的にある程度のボリュームでCSR情報を発信してくれるメディアは情報を探している僕としては非常にありがたいです。

仕事柄、様々な企業のCSR担当者や中小企業の社長および役員の方との接触が多いですが、結局、経営的にみて「儲かるか、儲からないか」だったりします。以下のまとめ記事も合わせてどうぞ。

関連記事
三方良しとは、現代的解釈をするとCSVの意味になる?
CSV経営戦略事例と中小企業4事例
・社会的責任(CSR/CSV)の意味・定義って結局なんなの?
マイケルポーターのCSV(共有価値創造)を再考するための良記事8選[2014年]