2013年のCSRキーワード・ベスト5

今回は、今年を振り返って、CSRのキーワードの紹介。

約1年前に書いた記事の最新まとめです。
参照:2012年のCSRキーワード・ベスト10。

CSRはインターネット業界ほど、流行り廃りはありません。
1年で何かが大きく変わるというのは少ないです。
しかし、2〜3年でみれば、世界のルールの変化によって、
大きく変化しているのです。

CSRキーワードは、5つ。
透明性、従業員、消費、コミュニケーション、人権です。

少しずつ、でも確実に変化するCSRに対する考え方やルール。
今年のニュースなども踏まえて振り返ってみて、
2013年のCSR活動に活かしていただければ幸いです。

CSRキーワード5つ

1、透明性

企業活動の透明性と、情報開示レベル引き上げへの圧力は2013年も高いでしょう。

大企業の理不尽な不祥事があるごとに、企業活動の透明性が議題に挙がりますね。
2012年は、2011年後半からの大手企業の不祥事が立て続けにあった影響で、
企業の情報開示レベル引き上げへの圧力が高まりました。

不正を隠し、嘘を貫き、それでも企業活動をする意味も問われました。
今後もこの傾向は続くでしょうね。

参照:先に謝る、というCSRコミュニケーションは可能か?
参照:存在感が高まるカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト

2、従業員

従業員の多くが満足しないCSR活動は、そもそも意味があるのでしょうか?

12月は就活生が本格的な活動を始める季節ですが、
俗にいう、「ブラック企業」のレッテルを貼られる企業が増える時期でもあります。

つまりね、例えば環境活動をしても従業員・個人のメリットは皆無なわけです。
「モチベーション3.0」などの書籍でも、
CSRは従業員のモチベーションをドライブさせることができるとしています。

一部の人の自己満足で終わらせないためにも、
CSR活動の見直しが2013年は必要なようです。

欧州ではCSRにおけるステークホルダーで一番重要なのは、
従業員であるとする企業が多いと聞きます。

1番身近なステークホルダーである自社の従業員。
上記のような部分に気付き始めた企業は、
2013年に従業員もハッピーになれるようなアクションをしていくのでしょう。

2013年だけでなく、今後のCSRキーワードに「従業員」は必ず入るでしょうね。
それくらい重要なキーワードだと考えています。

参照:世界にたった1人のヒーローなんていらない。CSR推進企業パタゴニア流の未来の描き方
参照:CSR的思想の代表格“三方良し”が進化?新たな軸を加えた「三方良し2.0」

3、消費

消費といえば、今年もコーズマーケティングの良事例がいつかニュースになりました。

消費者と企業と社会(環境)との関係はシンプルでありながらも、
そのプロセス、コミュニケーションは非常に複雑です。

2013年は企業のエネルギー消費もトレンドとなるでしょう。
すでに、コンビニなどの実店舗が太陽光利用のエネルギー戦略を考えているとか。

電気もモノも同じです。
「その消費の意味と行間」を更に考えさせられる年となるのかもしれません。

そういう意味では、消費者という「人」が、
CSRのキーワードになるのかもしれません。

参照:[2012年版]今年のまとめ!CSR・コーズマーケティングの事例・記事12選

4、コミュニケーション

CSRにおけるコミュニケーションとは何か。
様々なニュースやオピニオンが、今年もありました。

広告以外にもイベントなどもコミュニケーションの一つと考えると、
企業と社会、企業と消費者(顧客)との接点は無限にあります。

CSR関連のセミナーなどで出会う人たちから色々話しを聞きましたが、
やはり、CSRコミュニケーションにおける課題は山積みのようです。

当ブログを通じて相談がある課題も、
CSRコミュニケーションのモノが多いです。
僕が、コミュニケーションが専門と言っているのもありますけど。

ウェブを中心として色々なツールが増えてきていますが、
コミュニケーションはあくまでも手段。
ミッションを達成させるための手段です。

2013年はソーシャルメディアを使いたいではなく、
誰に、どうやって、何を届け、どう行動してほしいのかを、
明確にし、活動を進めていきたい所です。

僕は「CSRのコンテンツマーケティング」が、
今年以降の重要なCSRのキーワードになると考えています。

参照:[2012年版]今年の総まとめ!来年のCSRコミュニケーションを創るための参考記事18選

5、人権

欧米だけでなく、日本以外のアジアの関心事も、
環境関連から人権などに移り始めているというニュースがありました。

CSR報告書・CSRレポートを何冊か読んだ事がある人はわかるでしょう。
日本企業の人権に関する項目ってほとんどないんです。

ないから書きましょう、というつもりはなく、
まずは、CSRにおける人権とは何かを、
深く知ることから始める必要があると考えています。

人権はCSRキーワードとしてとても重要ですが、
皆さん難しく考え過ぎな気もします。

つまり、「思いやり」を持ちましょうってことですから。

参照:CSRにおける「人権」って、いまひとつ重要性が分からないのですが

雑感

上記では挙げていませんが、
グローバル化(アジアのCSR情勢の変化)、
環境問題への関わり方、
営利企業同士のコラボレーションによるCSR活動、
政治(政府によるCSR推進)、
などもCSRのキーワードとしてあります。

政治も一点様変わりして、
政府の進めるSR推進政策「新しい公共」もどうなるかわかりません。

東日本大震災から、丸2年になろうとしています。
CSRに対する意識もずいぶん変わったと思います。

また、2010年代の前半で、
ISO26000やIIRC(統合報告)の動きもありました。

CSRに関するイニシアティブ・ルールは、
標準化の方向で確実に進んでいます。

参照:[2012年版]2013年のトレンドは何だ!?最新CSR報告書・CSRレポート動向まとめ

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ニュースとしては、あなたも認識しているものもあったと思います。
しかし、それを自社のCSR活動に落とし込むとなると、
なかなか一筋縄ではいきませんよね。

自社のリソースを見極め、
マテリアリティ(重要度)をまとめ、
淘汰と創造に溢れた世界で、
生き残っていこうではありませんか。

また、普段のCSRに関する、
キーワード・トレンドをお探しの方は下記の記事も参考に。