CSR報告書がマンネリ化する
マンネリ化している、ということを感じるということは、どこかが思考停止し始めている予兆だと思います。
先日、とあるCSRセミナーの講師をした時に、参加者の方から質問があり、その時に答えた内容をまとめます。
特に環境報告書発行企業の方は、内容(コンテンツ)の変化のなさに課題を抱えているようです。すべての企業にあてはまるとは思いませんが、ご参考までに。
マンネリ化した時の3つの対処法
1、業界
自社のことだけ書こうと思ったら、そんなに大きな変化もなく、いずれマンネリ化します。当たり前と言えば、当たり前。
だったら、属する業界の社会課題を特集してみてはどうでしょうか?
CSR活動のマテリアリティ設定において、「社会問題→業界特有の問題→自社の取り組むべき課題」という選定方法があります。このような視点で見た時に、業界固有の課題が自社の課題とリンクする部分が必ずでてきます。
だったら、業界の課題を特集し、自社が貢献できる課題解決を提示できれば、差別化にもなるし、業界の活性化にもつながるし、一石二鳥です。
そんなコンテンツ作るのもいいかもしれません。以下の記事では、鳥越製粉の事例を紹介しています。
2、外部
コンテンツを外部に求める。雑誌とかいわゆるメディア的な発想です。
例えば、同じような社会課題(イシュー)に取り組むNPO代表をインタビューするとか。事例としてはYahoo!のCSRコンテンツはこういうスタイルになっていますね。上場会社の社長がインタビュアーってのは豪華過ぎなコンテンツとも言えます。
ここまでいかなくても、業界周辺で活動をするNPOの代表でもいいし、ステークホルダーダイアログみたいな形にしてもいいでしょう。
3、相談
相談役を仲間に引き入れましょう。
いつもの制作会社(ハウスエージェンシーなど)にお願いし続ければ、だいたい同じ感じになるのは当たり前。だからといって毎年コンペでは、選ぶ方も面倒。だから私みたいな完全な第三者にアドバイスもらえばいいんですよ。
しかも、そのアドバイスや意見交換の場をステークホルダーダイアログのコンテンツとして活用できるんです。一石二鳥(?)なコンテンツ作りですよね。大学生にも読んでもらいたかったら、大学生を呼ぶとか、従業員がメイン読者なら従業員を呼べばいい。それだけ。
■CSRコンサルティング前に問うべき10のヒント
まとめ
例えばこういう感じで、かしこまらずに、様々な方法を試すというのがベストです。
人間の知覚やリソースには限界があるので、マンネリ化したと感じたのであれば、それを打破するアクションをしましょう。
そもそも、マンネリ化を解消できない制作会社(制作担当者)の能力をまずは疑ったほうがいいような気もしますが…。それはいいとしても、コンテンツ作りやCSRをトータルで見てくれる第三者は仲間にしておくべきでしょうね。
マンネリ化を止め、毎年CSR報告書を読んでくれる読者に向けて、新しい価値提供をして行きましょう!
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