FTSE4Good

2016年前半のFTSE4Good

先日、「FTSE Russel」(日本語)より、2016年前半の著名SRI/ESG投資インデックス「FTSE4Good」についてリリースが出ていたので紹介します。ここは半期に1度組み替えがあります。

日本企業では、「川崎汽船」が早速リリースを出していました。情報開示のスピード感で、CSR部門がどれだけ広報部門と連携できているかわかりますね。あとでよく見てみます。

FTSE4Good(英語)

FTSE4Good 2016

・77銘柄が新規に組み入れられた
・最も多くの銘柄が加わったのは米国で、26銘柄が追加された
・最大の新規組み入れ銘柄はダノンとアッヴィで、いずれも初めての組み入れ
・組み入れ基準の厳格化を受け、43銘柄が除外された
・日本企業は 10銘柄が新規に組み入れられ、26銘柄が除外

世界的なインデックス・プロバイダーであるFTSE Russellは本日、2016年6月に実施したFTSE4Goodインデックス・シリーズとESG Ratingsのレビュー(年2回実施)の結果を発表しました。今回の見直しでは、77銘柄が新たにFTSE4Good Globalインデックス・シリーズに追加された一方、組み入れ基準の厳格化を反映し、43社がインデックスから除外されました。
このように多数の構成銘柄が変更されたのは、ESGに関するFTSE Russellの評価手法改定の影響が続いているためです。改定された評価手法では、構成銘柄にとどまるために必要な基準が引き上げられています。

※2016年6月7日・プレスリリース『「FTSE4Good インデックス」定期構成銘柄見直し』(FTSE Russell、日本語)より引用

FTSE4GOOD Japan Index

SRI/ESG投資関係はあまり詳しくないので詳細は該当のウェブサイト(英語)をご覧ください。一応、日本企業銘柄(FTSE4GOOD Japan Index)を載せますね。

■新規
Asics Corp
Casio Computer Co
FUJI ELECTRIC Co Ltd
Fujikura
Olympus
Omron Corp
Toto
NTT
Ibiden
INPEX CORPORATION

■除外
Amada
Fanuc
Hiroshima Bank
Nagoya Railroad
NHK Spring Co
Nippon Television Holdings
Takara Holdings
Toyo Seikan Group Holdings
Familymart
Fukuoka Financial Group
Bank of Kyoto
Sony Financial Holdings Inc.
Keihan Holdings
Bandai Namco Holdings
Coca-Cola West Company
North Pacific Bank
Miraca Holdings
Hamamatsu Photo
Kyushu Financial Group
Air Water
Juroku Bank
Nishi-Nippon City Bank
KEWPIE Corporation
Suruga Bank
Suzuken
Aeon Mall
(FTSE4Good Index Series Semi-Annual Review June 2016)より引用

まぁ、結構順当っちゃ順当な組み込みと言える!?のでしょうか。外れた企業は残念でした。難しい所です。もちろん、この他に、生き残り組である前回からの残留企業もいます。2016年6月の入れ替えで「176社」の日本企業が構成銘柄としてインデックスに組込まれています。国別ではトップクラスの社数のようです。

この手の話は、銘柄に組込まれるより、除外されるインパクトのほうが大きいですよね。僕としては、CSR担当者の方とお会いしたことがある企業や、お仕事でご一緒した企業がないかビクビクします。

先週、今年関わらせていただいた企業が残留が決まったという連絡をいただき、正直ホッとしてます。いや、僕ではなく企業担当者様のがんばりが評価につながったのですが。

まとめ

僕は「FTSE4Good」や「DJSI」にどうやったら組込まれるか、みたいなコンサルティングはしていません。そもそも、あまり知らないし。

最近のCSRコンサルティング会社はライバルが増えてきたせいか、みんなCSRの王道ではなくIRやインデックスなど投資サイドの支援に力を入れ始めています。僕自身はそちら側にいかず、CSRの王道をつっぱしりますし、主に国内企業のステークホルダーエンゲージメントやCSR戦略策定などを行なっていく予定です。

というわけで、世界には色んなインデックスがあるんですね、という話でした。12月ころに発表される2016年後半の入れ替えにも注目しましょう。

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