エシカル消費と企業の関わり方

CSRが世間に浸透してきたせいか、消費者にも「倫理的な消費」(エシカル消費)の流れが広がってきています。

BtoC企業のCSR担当者は、特にこの流れを知っておいた方が良いかと思います。

というわけで、日本と世界でどういうエシカル消費の話があるのか、をまとめます。

エシカル消費の

完璧なエシカル

一言でいうと、彼ら・彼女らはストイックではないのだ。エシカルファッションのコンセプトに共感し、欲しいものがあればオンライン等で購入するが、その服を合わせるのはファストファッションだったりする。
独自のバランス感覚でエシカルを織り交ぜて行く。完璧でなくていいぶん、敷居は低い。この「ストイックでない」ニューエイジのエシカル消費者が、これからのエシカルファッションの可能性を広げていっている気がする。
完璧目指さないエシカル実践者

何でもそうですが、世の中の多くは”ガチ”な人より、“ニワカ”とか“ファッション”という、常に意識しているというより一時的な感情で動く人たちの人のほうが多いですもんね。そういう意味では記事のように、完璧を目指さない人たちのほうが、エシカルの可能性に貢献することになるのかもしれません。

エシカル消費の方向性

ただし気になる点もある。研究会では国が基準を設け、倫理的と認定した商品だけに認証ラベルを発行する案も出た。そうなれば審査などにコストがかかる。芽生えたばかりの分野で定義を厳密に定めると企業の参入意欲をそぎ、市場が広がらない可能性もある。
国や自治体がエシカルを名目に、魅力の乏しい商品や企業を保護すれば、先行きは危うい。保護で成り立つ産業や企業は、長い目でみれば衰退する可能性が高いからだ。これでは結果的に地域の未来にとってマイナスになる。
「倫理的消費」を育てる主役は民間だ

枠組みを作るということは、多様な意見をまとめるということで排除される動きも出てくるのは当然でしょう。

ただし、取組み自体は多様であるべきと思うし、今後、エシカルコンシューマーを含めて、エシカルの領域にコミットメントする企業がどんどん出てきて欲しいです。

世界的なエシカルのムーブメント

世界的なエシカルの動き(企業サイド、消費者サイド)については以下の記事も参考にしてみてください。

エシカル消費~「おかげさま」の心が生み出す未来につながる消費
H&Mジャパン社長 クリスティン・エドマンさんが語る「H&Mに学ぶ、ファッション業界における女性の社会進出」レポート
世界中のエシカルブランドが注目する「ベルリン・ファッションウィーク」の実態とは?

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まとめ

エシカルという視点だけで、競争優位につながるとか、効果のあるマーケティング施策となるとか、そこまで極端なインパクトは難しいと思いますが、消費者を含めて最低限の社会へのコミットメントがないと、社会が立ち行かなくなるのは明白です。

エシカルに関する政府や業界団体の過度なルールが企業のCSRに乗ってくると、それはそれで面倒ですが、この動きには期待していきたいと思います。ファッション関連以外でもエシカルって考えが広がればいいなぁ。