CSR報告書の“まとめ報告書”から見えた最新動向

CSR報告書

2012年版“CSR報告書”のまとめ最新動向

CSR報告書っていうのは、制作する側からすると難儀なもんです。

というわけで、今回ご紹介するのは、「CSR報告書の“まとめ報告書”」。

KPMGあずさサステナビリティから出されたものと、もう少し別の側面から2013年・2014年の、CSR報告書の未来を少し覗いてみましょう。

以下のレポート紹介記事もどうぞ。

CSR報告書担当者必見! CSR報告書の報告書からみる未来図[2014年版]
CSR報告書の参考にすべきCSRガイドライン7選[2013年版]

2012年・日経225のCSR報告書のレポート

日本におけるサステナビリティ報告2012

2012年12月の時点で日経225の構成銘柄となっている225社が、2012年に発行したサステナビリティレポートを対象とし、報告の実態を調査したとのこと。以下、概要抜粋です。

225社のうち204社(91%)がサステナビリティレポートを発行しており、調査開始以来、初めて90%を超えた。サステナビリティ報告を行う媒体として、フルレポートを紙冊子で作成する企業は141社(69%)となり、継続して減少傾向にある。一方、PDFやHTML等への移行が進む中で、46社(22%)の企業がPCまたはスマートフォン用の電子ブック形式での報告を採用しているなど、電子媒体の多様化も進んでいる。

サステナビリティレポートを発行している企業の13%にあたる26社がサステナビリティ報告と財務報告とを一本化したアニュアルレポートを発行している。その数は前年の調査からほぼ倍増しており、「統合報告」は既にひとつのトレンドとなっていると言える。

一方、一本化したレポートを発行している企業の内訳をみると、HTML形式やデータブック形式で別途より詳細なサステナビリティ情報を開示している企業が多数派となっている。サステナビリティレポートを発行している企業のうちの第三者保証を受けている企業は3社増えて41社となり、報告企業の20%を超えている。

70%以上のレポート(145社)がGRIガイドラインを参照しており、GRIアプリケーションレベルの自己宣言について記載している企業は26社(13%)にまで増加している。ISO26000については、26社(13%)が中核課題に沿ってレポートを構成し、47社(23%)が対照表を記載している。

また、同規格を利用してのギャップ分析やリスクの洗い出し等を具体的に記載している企業も前年比で増加しており、他にも国連グローバルコンパクトの10原則と開示内容との対応関係を示す企業も少数ながら見受けられるなど(9社)、国際的なガイドラインや規範をサステナビリティ情報の開示に用いる動きが進んでいることがうかがえる。

単体や国内グループ会社に留まらずに海外グループ会社までを含めたグローバルベースでのデータを開示してい る企業の割合が、環境パフォーマンス指標については87社(43%)、社会パフォーマンス指標については54社(26%)となり、ともに前年比で増加している。78社(38%)の企業が報告内容の決定プロセスについて言及しているが、その大半は記述形式での簡単な説明に留まっている。

KPMGあずさサステナビリティさん、さすがのボリューム感のレポートです。

上記から僕が追加してどうこう言う事はないのですが、上場企業だと60%いかないレポート発行率が、日経225銘柄企業になると90%を超えるという、都市伝説的な数字。CSR報告書を出すこと、と、優良銘柄であることに相関関係を感じずにはいられませんね。

コーポレート・ガバナンスレポート2013

大阪証券取引所がまとめた、JASDAQ上場会社レポートのまとめレポートです。

軸がコーポレート・ガバナンスなので、CSR関連の項目はないのかなと思いきや、最後のほうにしっかり明記されてました。

環境保全活動、CSR活動等を実施している会社の割合は大証上場会社全体で57.6%。取り組みについては、相対的に企業規模の大きさに比例して割合が高くなる傾向が窺える。

セオリー通りの数字ですね。前回より2%上がってこの数字だそうです。他の関連データを見ても、CSR報告をしている上場企業は60%行かない様子。

そして、その数字は上がっているけど、数%程度の伸びだとか。日本最高峰の企業群でもある上場企業の4割がCSR報告を無視するのは何とも言えませんが…。

コーポレート・ガバナンスも含めて、今後に注目です。

統合報告

コンサルテーションドラフトの基本概念

そして、CSR報告書と似ているけど似ていない(?)、統合報告の話し。

ただ、CSR報告書・IRレポートなどを組み合わせればいいって話しではない、というのは、CSR関連に関わるあなたなら聞いた事はあると思います。そのコンサルテーションドラフト(基本概念)の解説をしっかりとしている記事です。

統合報告書とは、「企業の戦略、ガバナンス、業績及び見通しが、外部環境の下でどのように短期・中期・長期の企業価値の創造に結び付くかに関して、簡潔に報告する報告書」ということでした。したがって、中心となるのは企業価値です。企業価値をどのように持続的に高めていくのかを示す報告書とならなければなりません。

みんな大好き“CSV的”な発想で作る統合情報レポートでもあるようですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

2012年のCSR報告書まわりの動向がレポートにまとまりつつある昨今。3月決算の企業はもう2013年版の制作に入っていると思います。

「書く事ない、新しい報告はないから去年とほぼ同じ」と言わず、企業価値を適切に、そして完結に関係者(ステークホルダー)に伝えるものにしましょうね。

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