CSRビジネスモデル

CSR/CSVマーケティング事例

CSR活動の大部分はリスクマネジメントだし、ビジネスモデルと言われてもねぇ…。

とはいえ、CSR担当者もCSR活動の経営効果を示すために、CSRマーケティング(CSV、ソーシャルビジネス?)にも取り組みたいという気持ちはわかります。

というわけで、本記事では事業活動やサプライチェーンマネジメントにCSR的な視点を加えることで、ビジネスライクな活動になった事例を紹介します。

サスティナブルな商品・サービス事例

テスラ・モーターズの「電気自動車」
トヨタ自動車の「プリウス」
ナイキのスポーツシューズ「フライニット」
ゼネラル・エレクトリックのクリーンエネルギープロジェクト「エコマジネーション」
ファストフード・チェーンの「チポトレ・メキシカングリル」
オーガニック小売事業者の認定を受けた「ホールフーズ・マーケット」
パーソナルケア製品を手がける「ユニリーバ」
トヨタ、テスラ、ユニリーバ……「持続可能な製品」で10億ドル売り上げる企業は?

この記事は海外事例が多いので興味がある人は元記事を読んでいただきたいですが、環境志向の強い企業や商品・サービスが多いようですね。記事では「こうした企業は、単なる環境志向の企業でもないし、正体のよくわからないB2Bのサプライヤーでもない。最も活動的で魅力ある企業だ」としますが、明らかに環境志向でしょ。

コカコーラの事例

現在、さまざまなプログラムが世界50カ国以上で行われており、ビジネススキルや財務、資産管理に関する研修などの実務をサポートする学習機会の提供のほか、ビジネスに関する情報交換や相談が出来る場を提供し、コミュニケーション面でのサポートも行っています。
プロジェクトの参加者が従事するビジネスは、コカ・コーラシステムのバリューチェーンに関わり、原材料調達から物流、販売、リサイクルなど多岐の分野に渡ります。
コカ・コーラシステム女性の活躍支援プロジェクト 「5by20(ファイブ・バイ・トゥウェンティ)」を始動

「5by20」というプログラムは海外展開はあったものの、最近日本でも展開が始まったようです。直接的なビジネスではないですけど、最終的なインパクトが経済効果につながるようで、CSRマーケティングとしてはとてもキレイな流れのアクションだと思います。

資生堂の事例

復興支援

株式会社資生堂が復興支援の一環として発売した「椿の夢 資生堂 リラクシングナイトミスト」がビジネスとしても成功を収めている。「売上げの一部を街づくりに活用する」としたフレグランス「椿の夢」は初回販売数5,000本が予想を上回る早さで完売した。
無償支援の必要性は今もなくなったわけではないが、10年後、20年後を見据えた時、地元ができることは地元が行った方が、持続可能な産業が作れる。また、企業側も、ビジネスに立脚しているからこそ、発展的かつ継続的なサポートができる。
【資生堂】「利益を生む社会貢献」で長期支援

実はこの件は面白い取組みだと思いヒアリングに先日伺ってきました。このプログラムの担当の方はCSR部門の方でしたが、普通にビジネスマインドを持っていたので、単純にすごいなと思いましたね。

バングラディッシュ

社会貢献活動と事業活動を両立させるという観点で、2011年度よりバングラデシュの農村女性を対象に、嗜好や高温多湿な環境を踏まえて現地専用のスキンケア製品を開発して販売したり、使用方法を紹介する活動とともに、保健や衛生、栄養に関するワークショップなどの啓発活動を推進してきました。
資生堂がバングラデシュで展開している社会性ビジネスモデル 国連開発計画が主導する「ビジネス行動要請(BCtA)」の取り組みとして承認 ~アジアの化粧品会社では初めて~

一般的には、この事例のようなものがCSVといわれるんでしょうね。これも先日ヒアリングをさせていただいた時にお聞きしました。復興支援の内容とはまったく異なるものの、文脈は近い印象があります。これも素晴らしい活動ですね。

ちなみに、マイケルポーター氏は、以前からNGOや政府に良い印象を持っておらず(インタビューや書籍で言及している)、CSVなどのビジネスによって社会課題解決を目指すべきとしています。今回挙げた事例がCSVと言えるかは微妙な所もありますが、僕はこのCSV的な話は、これはこれでいいと思います。

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まとめ

やはり事業プロセスの中で社会的責任を実行しようとなると、リスクマネジメントよりマーケティング的なほうがワクワクしますよね。

もちろん、ワクワクすればいいというわけではありませんが、経営層も理解しやすいと思うし、今後のCSRアクションもやりやすくなるとは思います。ご参考まで。