CSR活動で従業員・社員は幸せになれるのか

CSR従業員

CSRは従業員に何を提供できるのか

CSRにおける重要なステークホルダーとして「従業員(社員)」がいます。

当たり前すぎですが、企業にとってとても重要な存在です、いなければそもそも事業活動をすることができません。ですが、昨今のブラック企業問題があるように、従業員をないがしろにしている企業も多々あるようです。

というわけで本記事では、CSRと従業員に関するデータや、エンゲージメントの考え方についてまとめ、改めて従業員に対するCSR意識を見なおせればと思います。

CSRと従業員意識

【基本原則2】 株主以外のステークホルダーとの適切な協働に関する情報は『CSR企業総覧』に掲載するものがいくつかあります。その中から今日は、「原則2-5 内部通報」を参考に、「内部通報・告発窓口の設置状況(社外)」をご紹介します。

「設置済み」:70.7%(644社)
「なし」:27.7%(252社)
「その他」:1.6%(15社)
2015年版 社外に内部通報・告発窓口を設置している会社は70.7%の644社

コーポレートガバナンス・コードにおける「基本原則2」は5つの原則がある中、一番CSR的な話が出てくる部分です。で、この「原則2-5 内部通報」ですが、会社側の不正報告などのホットラインがあることで、従業員の労働権利保護がされうるから、しっかり準備しましょうね、と。

東洋経済の調査では、なんと、3割近くが「設置していない」と。CSR報告書やウェブサイトで「従業員を大切にしています!」って言っておきながら、「あなたたちに意見される筋合いはない」としている、ということでしょうか。インサイドのステークホルダーだからといって、ないがしろにするのはよろしくありませんね。

CSRと社員教育

多様な人材の能力活用・登用を目的とする人材登用推進の専任部署(ダイバーシティ推進部署)がある会社をご紹介します。

「あり」:19.9%(249社)
「なし」:71.5%(896社)
「設置予定」:1.4%(18社)
「その他」:7.3%(91社)
2015年版 多様な人材の能力活用・登用を目的とする専任部署がある会社は19.9%

東洋経済の調査では、年々増えているものの、まだまだ専門部署設立までいく企業は少ないとのこと。まぁ、僕は、人事部系で専門チームがいればいいと思うのですが、部署ができると会社として本気だぜ!ってアピールができますよね。

課題は人材の能力をどう数値化するかでしょうね。教育・能力開発などを含めたキャリアパスのアドバイスをするのはいいですが、CSRとしても“人数ではない”ゴールを設定したいところ。なぜ人数ではないかというと、例えば、極端にいうと「女性管理職数が10%伸びたけど、企業の業績はむしろ10%落ちた」となると、女性はいらなかったのか!?みたいなくだらない議論になる可能性があるということ。相関関係とか因果関係とかごちゃごちゃしてしまうと思うんです。

事業活動として取り組むには、なんらかしらの形に業績に貢献するKPIを設定したい所。ただ、多くのCSR活動と同様に直接的に売上アップやコスト削減で利益貢献できるわけではないので、プロセス等を含めたインパクト評価をしていきたいっすね。

このあたりは、「ダイバーシティ経営の本質は、ダイバーシティそのものにはない」、「企業価値向上につながるダイバーシティ経営15事例」、「ダイバーシティ経営と女性活躍推進(女性活用)の調査データ9選」という記事でもまとめていますので参考までに。

従業員とのエンゲージメント

人が「あともうちょっと頑張ろう」と思うのは、オーナーシップを持っている時だけだ。その意味で従業員エンゲージメントは、労働生産性の観点からも非常に重要である。
借りたレンタカーを洗う客はいない。職場でも同じことが言える。自分が重要な仕事を担っていると感じ、オーナーシップを持っている人の方が、より仕事に関心を高く持って取り組んでいるものである。
従業員エンゲージメントを高める3つの方法

CSR活動はなんのためにするのか。僕は日頃から「信頼される企業になるため」と言っていますが、従業員視点で考えるとどうでしょうか。“会社に大切にされている感じがする”とか、“職場の空気感が楽しいからがんばれる”みたいな感情をもってもらえるような、労働環境の整備(必ずしも「福利厚生の充実」とは限らない)がCSR活動になるのかも、と考えています。

この「エンゲージメント」(強いつながり)という考え方は、CSRの活動やコミュニケーションにおいて非常に重要視されています。主要なステークホルダーである「投資家、従業員、顧客、取引先、地域社会」とどこまでエンゲージメントできるのか。また、その手法はどういったことが考えられるのか。

こういった事業活動がいわゆるCSR活動となっていくのです。従業員とのエンゲージメントを通じ、良い関係性を構築し、信頼を得ていく。そうした企業側の活動があるからこそ、記事の例で言えば、“レンタカーを洗う”行為がされるのかなと。

まとめ

そもそも、ロイヤリティの低い、つまり会社の信頼度(忠誠度)が低い人が多い会社では、CSRは浸透しないでしょう。CSR推進の輪に加わっても自身にメリット(満足度)がないからです。

手法は色々あると思いますが、CSRが浸透して働きやすい職場になれば、従業員の満足度(幸福度)が絶対あがるでしょう。

CSRというと、アウトサイド・ステークホルダーばかりに目が向きがちですが、企業の価値を作り上げる重要な人材に対して何かしらのアプローチが必要なのかもしれません。

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