CSR関連国際規格SA8000
あなたは、就労環境評価「SA8000(Social Accountability 8000)」という国際規格をご存知ですか?
もともと、アメリカのCSR評価機関がSA8000を作り、そのメインで運営し始めた団体が改名しSocial Accountability International(SAI)という組織になりました。
この規格は、ILO 条約の国際労働基準と国連の世界人権宣言や子供の権利条約に基づいており、その後SA8000は2008年5月に改訂され、今に至るというわけです。
GRI(CSR報告に関する国際規格)やISO26000(CSRの国際規格)このフレームワークを使って、労働に関する調査を進める機関(コンサル会社、リサーチ会社)もたくさんあるみたいですよ。
厳密いえば、CSRの国際規格ではないですけど、CSRの労働という部分に関して言えば、良いフレームワークになると思ってます。一緒に振り返りをしてみましょう!
参照
・CSR報告書の最新ガイドラインが発表!GRI「THE G4 GUIDELINES」
・ISO26000発行から丸二年ーーISO26000のトレンド再考
SA8000の9分野
1、児童労働の撤廃
2、強制労働の撤廃
3、労働者の健康と安全
4、結社の自由と団体交渉の権利
5、差別の撤廃
6、肉体的な懲罰等の撤廃
7、労働時間の管理
8、基本的な生活を満たす報酬
9、マネジメントシステム
上記が、主題となるテーマです。そんな難しい話ではなく、労働に関して当たり前な注意が列挙されております。
「これを全部守ればあなたもブラックから抜けられます!」的な内容ですね。
SA8000は審査登録機関の調査による第三者による認証システムとなっており、企業の労働環境についての方針や現場が細かくチェックされ、合格した企業だけがSA8000の取得ができることになる。一度取得すると3年間有効だが、6ヵ月ごとに定期審査を受ける必要がある。企業にとってSA8000を取得することは、企業のイメージアップ、社会的評価・信用力の向上、競合他社との差別化などにつながり、また、健全な労働環境をつくることによって、労働意欲が向上して生産性が上昇するなどのメリットも生まれる。
(環境用語集「SA8000」)
上記のようなメリット・デメリットは確かにあると思いますが、マイナーな規格(こういうと怒られるかも)ですし、企業のイメージアップにつながるかというと疑問が残ります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本企業で導入している企業はISO26000と比べ少ない印象があります。
「イオン」、「パナソニック」、などの企業では導入事例があり、3年間は有効らしいので、もしかしたら、他の企業もしてないし、ISO26000のような包括的なフレームワーク使おうか、みたいな話は出てくるかもしれません。
また、サプライチェーン、例えば、途上国に工場があり、そこの企業の労働環境評価のフレームワークで使うという事例は今後もおおいにありえます。
CSRに関する国際規格は、認証有り・無しもあるのですが、分野に特化したものもあり、かなりの数が存在します。それらを知った上で、どんなフレームワークを使い、どんな経営結果を求めるのかを決めていきましょう。
ちなみに、僕は規格の専門家ではないですが、国際規格に従った所で企業のCSRに大きなイノベーションが生まれるとは思っていません。だって、実際あるんですかね?そんな事例。
国際規格の有無に関わらず、「まっとうな企業経営」を地道にしていくことが一番重要かなと思います。
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