10日で学ぶMBA
「全米で40万部を突破したアメリカMBAのバイブル!」なんてキャッチコピーみたら、マジで!読みたい!って思いますよね?というわけで読みました(笑)
MBA系の本はあまり読まないのですが、「アメリカMBAトップ10校の教育内容の真髄」とか書かれたら読んじゃいますよね。で、読んだんですけど。
で、MBAの話をこのブログで書いてもしょうがないのですが、「倫理」という項目でCSRについて書いてあったのでそのあたりを中心に読書メモをしておきます。
しかし、この手のキャッチコピーは映画によくある「全米が泣いた!」みたいで嫌いなんですけど、ついつい反応してしまう、僕なのでした。
10日で学ぶMBA
この本のコンセプトはまさに、「10日で学ぶ」です。で、10項目に分かれて書かれています。
「マーケティング」「倫理」「アカウンティング」「組織的行動」「定量分析」「ファイナンス」「オペレーション」「経済学」「戦略」「ミニコース(コミュニケーションなど9項目)」です。
「MBAでは営業を教えない」という話を聞いてましたが、本当にそうなんですね。企業経営で一番重要なのに。まぁ、それは置いといて、「倫理」について。
数十年間、話題がほぼ一定している他のMBAカリキュラムとは異なり、倫理はMBAプログラムの新分野である。登場時は流行性の選択科目と見えたが、今やハーバード、ウォートン、ダーデンのMBAカリキュラムの中核にしっかり組み込まれている
(本書より)
ということだそうで。倫理(CSR含む)には決定的な答えはなく、難しい領域とされています。でこのカリキュラムの目的は、「倫理観のある模範的な企業人」を作ることではなく、ビジネス上の重大な決定の陰に隠れた倫理的な問題に気付かせるためだそうです。むむー、なるほど。僕のCSR研修と同じ方向性だったのか。
そして、そのカリキュラム内容は主に2つ。「相対主義」と「利害関係者分析」ということだそうで。相対主義では、意思決定のさい、なぜ倫理を無視することがあるのかという点の考察、利害関係者分析では、倫理的な意思決定に迫られた場合の思考体系を学ぶこと。以下に2つの中でもいくつかポイントをまとめます。
相対主義の4つのポイント
1、素朴相対主義
人にはそれぞれを選択するさいの独自の基準があるという主張。
2、役割相対主義
公的な顔(人格)と私的な顔を区別するという考え方。
3、社会集団相対主義
人は倫理的判断をくだす時には社会規範を軸にするという考え方。
4、文化的相対主義
すべての倫理に通じる社会規範は存在しないという立場。
これらの概念を理解することで、倫理に大きく反さないよう思考の防護策を身につけられると。またこれらをフレームワークとすることができるとしています。
利害関係者分析の7つのステップ
1、主要な登場人物(ステークホルダー)を集める
2、各人にとっての害(デメリット)と利益(メリット)を明確にする
3、各人の権利と責任を明確にする
4、相対的な力関係(影響力)を考える
5、それぞれの短期的・長期的な結果をまとめる
6、両方のシナリオで「緊急事態対応計画」を考える
7、判断をくだす
このあたりは、フレームワークを使い、グリッド図を作って考えましょうって感じですね。ちなみに「相対主義の4つのポイント」と「利害関係者分析の7つのステップ」は、僕がまとめたフレームワークなので書籍には載っておりません。あしからず。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
MBAでは「CSRとは何ぞや」の話はほとんど教えず、ディベートの中で学ぶようです。
いやー、これで僕もMBA取れますね(嘘です。すみません。)。
もちろん、マーケティングも基本をしっかりおさらいできるし、MBAっぽい「でたー!普通では絶対使わないフレームワークの解説キター!」みたいのもありますが、企業経営というより、参謀やコンサルタント(業種問わず)の方にオススメな本だと思います。
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