グリーンウォッシュなCSRコミュニケーション
グリーンウォッシュとは、CSRコミュニケーションにおいて最も危惧すべき事象の一つです。
先日も、価値訴求がグリーンウォッシュ(グリーンウォッシング)を、本質的に回避する一つの方法と提示しました。グリーンウォッシュの事例を挙げるときりがないのですが、グリーンウォッシュの意味がわからないという企業があまりにも多いような印象です。
参照:グリーンウォッシュを防止せよ!CSRコミュニケーションの次の一手は”価値訴求”?
でも、枠組みがあれば、もっとわかりやすいよね、ということで、具体的な基準を二つ紹介させていただきます。いわゆるグリーンウォッシュガイドです。
メモ帳にコピペして、コミュニケーション構築の際に参考にしてみて下さい。
グリーンウォッシュの10の基準
1、曖昧な印象の言葉は避ける
明瞭な意味を持たない言葉や用語は避ける。
例えば、「エコ・フレンドリー」。具体性に欠ける。
2、環境汚染など、印象が悪い企業はグリーン商品を売るのを避ける
例えば、「河川汚染をもたらす工場で生産される持続性の高い電球」。環境負荷を製造でかけているいる以上、完全にグリーンであることはできない。
3、暗示的な図は避ける
証明されていないにもかかわらず環境に良いインパクトを暗示するようなイメージ図。例えば、煙突から煙の変わりに花が排出される図。
4、的外れの主張は避ける
全体的には環境活動を進めていないのに、ごく小規模な環境活動のみを強調する。トータルで社会へのインパクトを提示すべし。
5、ドングリの背比べは避ける
環境活動が大幅に遅れている産業のなかで同業者と比較し、「同産業で最高レベル」と主張すること。また、その他企業よりも若干環境活動が進んでいることをアピールすること。自分たちのレベルの低さを認識すべし。
6、明らかに論理性に欠ける場合は避ける
危険な商品をグリーン化したところで、安全にはならない。例えば、「エコ・フレンドリーなタバコ」など。その表現によって、生命の危機をまき散らすようなことはあってはいけない。
7、分かりにくい表現は避ける
科学者だけが確認でき、理解できるようなわけのわからない言葉や情報。商品・サービスは誰にでもわかるようでなければならない。現実から逃げているようにしか見えない。
8、空想の友人を主張することは避ける
例えば、「ラベル」はあたかも第三者からの承認を得られたように見えるが、企業が独自に作ったものである場合もある。ある種の情報操作。バレたら、一気に信頼を失います。
9、証拠ゼロは避ける
もちろん正しいかもしれないが、証拠はどこにあるのか。クチだけなら、何とでも言えるけどさ。
10、あからさまなウソは避ける
完全に偽造された主張やデータ。実際にあるから怖い。
基準を俯瞰すると、結局、「曖昧で消費者の誤解を招く表現」が“悪”なのですね。
出典:Futerra「the Greenwash guide」
参照:クリエイターに知ってもらいたい、CSRコミュニケーションの“偽り”「グリーンウォッシュ」
グリーンウォッシュの7つの罪
1、隠れたトレードオフの罪
一部の属性のみ抽出し、その製品がグリーンであると主張すること。
2、証明しないことの罪
環境主張を実証できにくいこと。
3、あいまいさの罪
定義・意味の幅があり、消費者に誤解を与えかねない表現のこと。
4、偽りのラベル崇拝の罪
あたかも第三者認証があるように思わせる表現のこと。
5、的外れの罪
嘘を言ってはいないが、消費者に重要度が低い部分だけアピールすること。
6、「かろうじて良い」罪
商品カテゴリー内では良いとされるが、俯瞰すると誤解を招きかねない表現のこと。
7、嘘をつく罪
そもそも、“嘘”をつくこと。
なにが罪かというと、結局、「曖昧で消費者の誤解を招く表現」が罪なのですね。
クリエイターはきっとこういうでしょう。自分たちの表現は間違っていない“はず”だと。
バカ言ってんじゃないよ。グリーンウォッシュを判断するのは消費者・第三者なんだよ。作り手の正義押し付けるんじゃないって話しですよ。
出典:TerraChoice「the Sins of Greenwashing」
まとめ
いかがでしたでしょうか。
広告を作る、広告会社・広告主の無知が、消費者の誤解を招くことってたくさんあると思うんです。
これはコミュニケーションだけの話しではなく、サプライチェーンもおおいに関わってきます。もっと言ってしまえば、従業員にも関係あります。
嘘や曖昧さは、CSRコミュニケーションにおいて、御法度なはずですが、それが認知されていないのは残念なことです。
僕に第三者のセカンドオピニオンの仕事くれれば、ぜったいにそんなこと起きないのに…。
と、そんなことはさておき、上記のフレームワークを使い自社のCSRコミュニケーションを見直してみて下さい。