グリーンウォッシュを防止せよ!
日経系の環境専門誌「日経エコロジー3月号」(2013年2月8日発売)で
コメント、情報提供したのが掲載されてます。その補足も含めて解説を。
「グリーンウォッシュ」が、今回の特集です。
グリーンウォッシュが専門誌に特集されたのって初めてじゃないかな?
限られた誌面では僕の意見があまり言えなかったので、
グリーンウォッシュと、広告訴求のベクトルの話しを少々。
環境用語・表示に関する意識調査
NPO法人環境市民のアンケート調査の速報値が掲載されていたので、
一部を紹介させていただきます。
エコプロダクツ展での調査のため、意識レベルは全体的に高めをなってます。
アンケート結果
・グリーンウォッシュ
意味を知っている 10%
聞いたことはある 31%
聞いたことはない 51%・「エコ」をアピールする商品PRの感想
信憑性に疑問はあるが、購入の参考にはする 46%
誤った情報を伝えないよう、枠組みが必要 24%
このような広告が増えること自体は良い 19%・環境配慮商品の判断基準
エコマークなどの環境ラベル 46%
広告 27%
商品説明 26%
詳細は誌面で確認してほしいのですが、
まー、グリーンウォッシュは環境などに興味がある人の中でも、
意味まで知っている人が10%程度。
そもそも「聞いたことがある」って人は調べようと思わないんだ…。
色々興味深いデータではあります。
やはり広告の社会性は非常に重要だということでしょうかね。
参照:世界は曖昧で溢れている?環境ラベル虚飾“グリーンウォッシュ”を解決する2つの方法
電通の取組み
2000年代に入ってから、環境コミュニケーションは大きく変化した。
そして、電通は2010年2月に社内報「DENTSUグリーンウォッシュ」を作成した。
そして、イントラネットにも掲載し、研修も何回もしたそうだ。
僕が思うに、「DENTSUグリーンウォッシュ」を読みたかったな。
そうしたら、いまでいうShered Value(価値共有)の取組みとして、
今でも語り継がれているのに、逆にもったいなぁ、と思ったりして。
エコを訴求するのが5年前の環境コミュニケーションだった。
コミュニケーションの形は年々変わり、
もはや、エコ訴求の広告でも商品は売れなくなったという。
参照:グリーンウォッシュを未然に防げ!CSR広告のマネジメントのポイント3つ
機能訴求から価値訴求へ
僕が思うに、エコが“機能訴求”に成り下がってしまったからだと。
つまり、「この最新機能すごくないですかっ!」って売っているのと同じ。
エコを“価値訴求”に転換すべき時期なのかもしれない。
つまり、「この商品は将来の“あなた”をもハッピーにします」と。
この商品を通じて、環境負荷を今より減らし、
地球が壊れないようにする、それは将来のあなたのためなんですよみたいな。
うまくいえないけど、超画期的な機能なんて、
このご時世ないのだから、その商品を買い利用することで、
価値をどう生み出すかをもっと考える必要があるのかなと。
マーケティングの逸話の有名なドリルの話しと同じです。
顧客は、ドリルが欲しくてドリルを買うんじゃない。
顧客は、「ドリルで空いた穴」が欲しくてドリルを買うんだ。
ってヤツです。
どんなにドリルの機能がすごくても、あんまり関係ない。
それより、それを使ってどんな穴を空けられるかが問題なのだと。
だからドリルの機能ではなく、ドリルを使って穴をあけるという結果、
つまり「穴をあけることの価値」をもっと訴求しろと。
商品がエコなのは、もはや当たり前。
エコしたら僕らにどんな未来が約束されるのか。
エクスペリエンスをもっと訴求して、価値を創造してもらいたいものです。
参照:クリエイターに知ってもらいたい、CSRコミュニケーションの“偽り”「グリーンウォッシュ」
まとめ
いかがでしたでしょうか。
グリーンウォッシュは、今後更に追求される概念です。
ドラッカー風にいうと、「すでに起こった未来」ですね。
中国含めた、アジア各国のCSRはどんどん進んでいるのに、
日本“だけ”また後進国になっていくという…。
しかし、日経エコロジーはなぜ、楽天・Amazonで売ってないのでしょうかね。
業界誌・専門誌って一般の書店で売ってないことが多いし、
買う人は絶対いるから得はなくても損はないと思うんだけどなぁ。
ともあれ、環境コミュニケーションにきょうがある人は、
日経エコロジー3月号買ってみて下さいな。
日経エコロジー