官公庁のサステナビリティ
2024年もサステナビリティ界隈では色々な動きがありました。国外だけではなく、国内の動きもかなり早かったです。そして実務担当者として押さえておくべき動きの一つは「官公庁(金融庁・経済産業省・環境省など)の活動」です。なぜ官公庁の動きに注目すべきかというと、官公庁の審議会等で議論したものは、長期的には法律やルールになる可能性が高いためです。
そこで、本記事では、日々業務で忙しかった人のために、2024年(令和6年)で動いている有識者会議・ワーキンググループ・検討会・委員会などをピックアップしました。関連資料は非常に膨大になりますので、気になる審議会をチェックしてみてください!
金融庁
金融庁のサステナビリティに関連する動きは「サステナブルファイナンスの取組み」のページでほぼまとめっているので、まずはこちらを確認してください。超膨大な情報があります。また、2024年に動きのある関連会議などを以下にピックアップしました。参考にしてみてください。
■サステナブルファイナンス有識者会議
https://www.fsa.go.jp/singi/sustainable_finance/index.html
■サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/base_gijiroku.html#sustainability_disclose_wg
■スチュワードシップ・コードに関する有識者会議
https://www.fsa.go.jp/singi/stewardship/index.html
■スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議
https://www.fsa.go.jp/singi/follow-up/index.html
■カーボン・クレジット取引に関する金融インフラのあり方等に係る検討会
https://www.fsa.go.jp/singi/carbon_credit/index.html
■気候変動リスク・機会の評価等に向けたシナリオ・データ関係機関懇談会
https://www.fsa.go.jp/singi/scenario_data/index.html
■「ジャパン・コーポレート・ガバナンス・フォーラム」の設置について
https://www.fsa.go.jp/singi/japan_corporate_governance_forum/index.html
■インパクト投資等に関する検討会
https://www.fsa.go.jp/singi/impact/index.html
■サステナビリティ投資商品の充実に向けたダイアログ
https://www.fsa.go.jp/singi/dialogue/index.html
関連情報
■「記述情報の開示の好事例集2023」の更新
https://www.fsa.go.jp/news/r5/singi/20240308.html
■「成長戦略」等における金融庁関連施策
https://www.fsa.go.jp/policy/fsa.html
■インパクトコンソーシアム
https://impact-consortium.fsa.go.jp
■GSG Impact JAPAN
https://impactinvestment.jp/index.html
経済産業省
■持続的な企業価値向上に関する懇談会
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/improving_corporate_value/index.html
■「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/earning_power/index.html
■企業情報開示のあり方に関する懇談会
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/corporate_information/index.html
■企業価値向上に向けたデジタル・ガバナンス検討会
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_gv_corp_values/index.html
■トランジション・ファイナンス環境整備検討会
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/transition_finance/index.html
■カーボンマネジメント小委員会
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shigen_nenryo/carbon_management/index.html
■GX実現に向けた排出量取引制度の検討に資する法的課題研究会
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/gx_implementation/index.html
■健康投資ワーキンググループ
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/kenko_toshi/index.html
■トランジション・ファイナンス環境整備検討会
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/transition_finance/index.html
■カーボンニュートラルの実現に向けたカーボン・クレジットの適切な活用のための環境整備に関する検討会
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_credit/index.html
所感
昨今の金融庁のサステナビリティ関連の動きはとても多くなりました。いわゆる有識者会議だけではなく、インパクトコンソーシアムのようなイニシアティブ設立もありますし、良くも悪くもビジネスの外堀もうまってきている感じがします。
特に金融庁の動きで注目なのはインパクトコンソーシアムまわりです。金融庁のインパクトに関連する動きは、それこそ10年前では考えられなかったです。逆にいえば、機関投資家も企業も、まだまだインパクト投資やインパクト評価などのノウハウも豊富ではないので、まさにこれからというところです。
経産省では、企業価値向上がテーマの研究会もあり、いよいよサステナビリティも経営戦略と統合させるような議論が進み始めています。もちろん、国内上場企業でも時価総額が大きい数百社などは、それこそ10年以上前から取り組みをしてましたけど。
経産省では、いわゆるSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を積極的に進めておりますが、様々な施策の陰に隠れ知名度や解像度は低くく、今後もさらにプッシュしてくるかは不透明です。ただ、2020年発表から5年近くがたち、コンサルティング会社や先進企業ではよく言及されるようになったので、成果は一定レベルあったとも言えそうです。私も『未来ビジネス図解 SX&SDGs』という本を2022年に出したくらいですから。
環境省も「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度検討会」などの会議体はありますけど、金融庁・経産省ほどではないため、本記事では個別には紹介しません。環境省は審議会等より単発の施策の話も多いので、環境省のウェブサイトのニュースリリースを定期的にチェックしたほうがいいですね。サステナビリティ関係者は月1回はチェックしましょう。わりと、サステナビリティ関する色々な募集もしています。
内閣官房も、わりとサステナビリティ的な取り組み(GX関連、SDGs関連)の動きをしてます。GX実行会議などがあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。特に金融庁と経産省はかなりサステナビリティ関連のプロジェクトが動いているのがご理解いただけると思います。これらの審議会からでたレポートが、法律になったりガイドラインになったりで、事業活動に少なからず影響を与えるので、とにかくこまめにチェックして「知りませんでした」をなくしましょう。
官公庁の動きは、私も常にチェックしているので、興味がある人は私のX(Twitter)をフォローしておいてください!
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