SDGs企業ランキング

SDGs企業ランキング2022

さて、先週「週刊東洋経済2022年7月30日号」が発売になり「SDGs企業ランキング2022」が発表されました。結果は、オムロンが連覇という形になりました。(今年の特集は、インタビューも寄稿もしてません)

そこで本記事では、タイトルが紛らわしくて恐縮ですが、「SDGs企業ランキング」と「ESG企業ランキング」の2種類の格付けを紹介します。昨年のトップ20もあわせて掲載しましたので、ざっと眺めていただき、ふーん、と思っていただければOKです。(深い分析は各自でお願いします)

ESG企業ランキングは4月発売の冊子に掲載があったので紹介しようと思っていたのですが、書籍集中執筆期間ということでブログ記事にできていなかったので、ここで無理やり紹介します。他のアワードや格付けにはあまり出てこない企業もいたりするので、眺めるだけで楽しい(苦しい?)と思います!

SDGs企業ランキング2022

1位.オムロン
2.三菱UFJフィナンシャル・グループ
3.大和証券グループ本社
4.日本電信電話
5.SOMPOホールディングス
6.第一生命ホールディングス
7.MS&ADインシュアランスグループHD
8.J.フロントリテイリング
9.セイコーエプソン
10.NTT東日本
11.NTTドコモ
12.KDDI
13.サントリーホールディングス
14.東京海上ホールディングス
15.ファンケル
16.帝人
17.キユーピー
18.トヨタ自動車
19.TOTO
20.資生堂
20.三井住友フィナンシャルグループ

出典:東洋経済新報社「週刊東洋経済2022年7月30日号」

参考:SDGs企業ランキング2021

1. オムロン
2. SOMPOホールディングス
3. J.フロント リテイリング
3. 大和証券グループ本社
5. 東京海上ホールディングス
6. TOTO
7. 丸井グループ
7. 日本生命保険
9. MS&ADインシュアランスグループHD
10. 富士フイルムホールディングス
11. KDDI
12. イオン
13.ファンケル
14. 第一生命ホールディングス
15. アズビル
16. 帝人
17. サントリーホールディングス
18. セイコーエプソン
19. 富士フイルム ビジネス イノベーション
19. 第一三共

出典:東洋経済新報社「週刊東洋経済2021年7月3日号」

ESG企業ランキング2022

1.日本電信電話
2.オムロン
3.SOMPOホールディングス
4.KDDI
5.大和証券グループ本社
6.トヨタ自動車
7.三井物産
7.セイコーエプソン
9.富士フイルムホールディングス
10.東京海上ホールディングス
11.MS&ADインシュアランスグループHD
12.ファンケル
13.SCREENホールディングス
14.三井住友フィナンシャルグループ
15.JT
16.中外製薬
16.資生堂
18.NEC
18.キユーピー
20.積水ハウス

出典:東洋経済新報社「CSR企業白書2022」

参考:ESG企業ランキング2021

1.SOMPOホールディングス
2.オムロン
3. J. フロント リテイリング
4.富士フイルムホールディングス
5.KDDI
6.東京海上ホールディングス
7.丸井グループ
8.TOTO
9.トヨタ自動車
10.日本電信電話
10.大和証券グループ本社
12.第一生命ホールディングス
13.ファンケル
14.JT
15.MS&ADインシュアランスグループHD
16.セイコーエプソン
17.キリンホールディングス
18.キユーピー
19.花王
20.大和ハウス工業

出典:東洋経済新報社「CSR企業白書2021」

評価方法

SDGs企業ランキング2022

「人材活用(28項目)」「環境(24項目)」「社会性(22項目)」「企業統治(21項目)」の4カテゴリー95項目で評価し、SDGsの達成度を可視化。400点満点で点数の高い順にランキング。調査対象企業および評価は「CSR企業調査」のものを活用。

ESG企業ランキング2022

人材活用(H)を中心にESGを見ていく「ESG + H」の枠組みで評価した格付け。3年平均のROEが5%以上の企業を対象にランキングを作成。総合版のCSR企業格付けは、総得点の半分が財務評価となっているが、こちらは評価ウェイトがESGスコアのみとなっている純粋なESG評価。調査対象企業および評価は「CSR企業調査」のものを活用。

雑感

「SDGs企業ランキング」も「ESG企業ランキング」も近い評価方法だからか、トップ20社をみても結果が似てますね。週刊誌のランキングはSDGsランキングのほうが購買数増えそうですが、範囲が広めのESGランキングのほうが企業評価としてよくできていそうな気もします。

調査母数は1,600社を超えていて、国内最大規模の調査なのですが、統合報告書が700社程度と考えると、回答社数は相当あり、いわゆるESG先進企業以外も多くが回答している形になります。当たり前ではありますが、SDGs企業ランキングといっても、東洋経済の軸となる「CSR企業ランキング」の300位がトップ20社に入るとか“下克上”はなくて、順当なランキングなっている印象です。

こういう差がほとんどつかないステージにくると、面白いと思うのはテーマ・ランキングですね。今回の週刊誌でいえば「炭素利益率」「生物多様性」「社会貢献額」などのランキングです。注目度が高い個別テーマのランキングは、リスクと機会に関わることも多く、ランキング上位企業の施策をみてケーススタディをする、というはアリですね。

余談ですが、この手のランキングは、深い分析というよりはただ1時間くらい眺めて、なんでこの会社は高いのか・低いのかを色々考えて見ているのが楽しいのです。あと「SDGs企業ランキング」は、週刊誌の特集になっているので、専門家インタビューがあってそれも興味深いですね。今年は昨年より寄稿者が減って大学教授がメインになった?ような。

まとめ

私は10年以上、東洋経済新報社のCSR企業ランキング界隈を研究していますが、最近は日本企業のレベルが上がりすぎて、総合評価上位100社とか半分以上が固定になっていますよね。

東洋経済のCSR調査は公開情報から評価するタイプではなく調査票形式なので、毎年それなりのリソースがかかるため、企業担当者としてはなかなか大変なイベントになりつつあると思います。毎年ご苦労様です!

今回紹介した「SDGs企業ランキング」「ESG企業ランキング」の上位企業は、あなたにとって意外でしたでしょうか、それとも順当でしたでしょうか。良いか悪いかという話ではないので、そういう感じね、と捉えるしかないのかなと。このランキングをネタに、社内外のコミュニティで色々議論できるといいですね。

ちなみに、東洋経済は、回答方法や点数の上げ方などについて公開資料で言及しているので、回答前に必ず公開されている手引き等の全資料をチェックすると良いです。1問3点を追加で取れるだけで、ランキングで10〜20社くらい順位変わることもあるので。

>>東洋経済CSRオンライン

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