環境ブランド調査・最新版
先週、日経BPの「環境ブランド調査」の最新版が発表されましたので紹介します。
>>日経BP「環境ブランド調査2019」サントリーが3年連続首位 スターバックス、初のトップテン
リリースによれば、日経ESG経営フォーラムが毎年主要560企業ブランドを対象に、各企業の環境に関する活動が一般の消費者にどう伝わっているかについてインターネットを利用してアンケート調査し、結果を集計・分析している、というものです。今年で20回目だそうです。
これはいわゆるCSR的な環境要素もあるのですが、イメージとして環境活動をしているかどうかという、一般消費者のアンケートによる評価です。ですので、東洋経済新報社などのCSR・環境企業ランキングとは上位企業が異なります。
というわけで一部紹介と、私なりの考察(ただの感想?)をまとめます。
2019年総合ランキング・トップ20
1、サントリー
2、トヨタ自動車
3、イオン
4、キリン
5、パナソニック
5、ホンダ
7、スターバックスコーヒージャパン
8、日産自動車
9、アサヒビール
10、日本マクドナルド
11、花王
12、セブン&アイ・ホールディングス
13、日立製作所
13、ローソン
15、JXTGエネルギー
16、アサヒ飲料
16、サッポロビール
18、シャープ
18、日本コカ・コーラ
20、ブリヂストン
出典:日経BPニュースリリース(2019年7月8日)より引用
調査方法
企業ブランドの形成に強く影響する4つの指標を総合した「環境ブランド指数」を主要指標とする。環境ブランド指数を構成する4つの指標とは、回答者が当該企業の環境情報に触れた度合いである「環境情報接触度」、環境報告書や各種メディアなど環境情報の入手先を集計した「環境コミュニケーション指標」、環境面で当てはまると思うイメージについて集計した「環境イメージ指標」、環境活動への評価度合いを集計した「環境評価指標」。偏差値(平均50)で表記し、全企業ブランド中の位置が分かるようにした。
2018年総合ランキング・トップ20
1、サントリー
2、トヨタ自動車
3、イオン
4、パナソニック
5、日産自動車
6、キリン
7、アサヒビール
8、アサヒ飲料
8、ホンダ
10、コスモ石油
11、マツダ
12、日本コカ・コーラ
13、花王
14、日立製作所
15、日本マクドナルド
16、ライオン
17、サッポロビール
18、日清食品
19、カゴメ
20、セブンイレブンジャパン
20、TOTO
出典:日経BPニュースリリース(2018年7月6日)より引用
所感
トップ3は昨年と変わらず。しかもサントリーとトヨタ自動車は、昨年に続き、スコアが3位以下もしくは4位以下と大きく差がついています。これはすごい。2019年のスコアでみると「1位:サントリー(97.7ポイント)」「20位:ブリヂストン(69.5ポイント)」と、30ポイント近くの差があります。
東洋経済新報社「CSR企業ランキング2019」では、サントリーホールディングスが総合46位となっており、環境は100点満点の98.6点と超高得点です。さすが、環境経営が進んでいるというか、消費者イメージもわかりやすいですよね。
以前、とある勉強会でサントリーの環境プロジェクト「水育(みずいく)」の方がいて、いろいろな話を聞きしましたが、やっぱりブランド効果がでるように様々なことをしていると感じました。一番になるには理由があるということですね。今の時代“なんとなく”レベルでランキング上位には入れませんから。
細かいところは割愛しますが、この手の評価は「わかりやすさ」が大きなポイントになるのでしょう。では「わかりやすさ」とは何か、という話になると思いますが、これは説明が長くなりますので別の記事でまとめたいと思います。
まずは、上位20社のウェブサイトをみて、どんな活動をしているのか、どんな開示方法をしているのか、CSRレポートや統合レポートではどのように書かれているか、など、事例研究してみてはいかがでしょうか。もちろん、BtoB企業でも学びが必ずあるでしょう。下手に競合他社の分析をするよりも、まずは別業界を含む、圧倒的に成果を出している企業の分析をしてみましょう。
まとめ
詳しい部分は、引用先のプレスリリースをご確認いただきたいのですが、最近思うのは「評価される企業は評価されるに値する活動と情報開示を行なっている」ということです。
当たり前のことなのですが実はそうでもありません。これがですね、CSR評価はテクニカルに対応することも不可能ではなくて、情報開示に力を入れて実践をないがしろにしている企業って結構多いんですよ。そういう企業は、やはりこの手のランキングにはもうでてきません。5年前ならまだしも、CSR評価も“競争の時代”です。活動だけ、開示だけ、で評価された時代は終わりました。
2020年代は「CSR評価の戦国時代」に突入します。CSR評価向上の施策をこれでもかとやっても上位になれない時代です。上には上がいるのです。評価を獲得する競争が激化し、企業間の戦とも言えるような状況がきます(すでにきていますが)。
先ほど紹介したサントリーの「水育」は2004年からやっているそうです。普通に考えたら今から本気になって活動する会社は一生勝てないんですよ。この継続した時間こそCSRでは競争優位を高めてくれますから。だから、今ならまだ間に合うので、本気になっていない企業は環境・CSR活動にいち早く本気になりましょう。いつまでも「予算が」「時間が」「人が」と言い訳している場合ではありません。
何の調査であれ日本一は素晴らしい!ということでとりあえず、消費者としてAmazonでサントリーのビール(金麦)を箱買いしました。ワインもサントリーの日本ワインはハイクオリティなので今後も愛飲します。来年トヨタが1位になったらどうしましょうか…。買っちゃう?
関連記事
・日経CSRランキング「第22回環境経営度調査」(2019)
・今年もNTTドコモがトップ!「東洋経済CSR企業ランキング」(2019)
・SOMPOが連続1位! 東洋経済「ESG企業ランキング」(2019)