優れた統合報告書
日本国内の運用会社で世界最大級の金額を動かすGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)から、「GPIFの運用委託先が選ぶ優れた“統合報告書”」(2016年11月16日発表)というレポートが、GPIFの公式ツイッターより発表されていましたのでシェアします。
見つけれなかっただけかもしれませんが、ウェブサイトにはこのレポートなかったのでキャプチャーと引用での紹介です。
まぁ、結果からいいますと、CSR評価も高い企業の報告書が多かったですね。IRの各種アワードを受賞している企業でも、CSRがダメな企業は多いので、統合報告書やESG投資の対象となると顔ぶれが大きく変わるのかもしれません。
GPIFの運用委託先が選ぶ優れた“統合報告書”
【レポート】投資先企業との対話に有益だとしてGPIFの委託先運用機関が選んだ「優れた #統合報告書」と「優れた #ガバナンス報告書」です。企業と運用機関の建設的な対話により持続的な企業価値向上と中長期的な投資収益拡大を両立させる #インベストメントチェーン の好循環を目指します。 pic.twitter.com/kflW50u1gu
— GPIF (@gpiftweets) 2016年11月16日
(「GPIF公式ツイッターアカウント、2016年11月16日投稿」より引用)
トップ9社
・カプコン
・オムロン
・味の素
・ポーラオルビスHD
・丸井グループ
・三菱商事
・大和ハウス
・堀場製作所
・三菱重工
そのほか
Jフロントリテイリング、SCSK、TDK、アサヒグループHD、アンリツ、エーザイ、オリンパス、カルソックカンセイ、テイエステック、ナブテスコ、フジクラ、みずほFG、ユナイテッドアローズ、リコー、レオパレス21、旭化成、伊藤園、関西電力、三井化学、三菱ケミカルHD、大東建託、中外製薬、日本航空
(「GPIFの運用委託先が選ぶ優れた“統合報告書”」より抜粋して引用)
まとめ
優れた統合報告書って、だんだん絞られてきているように思います。
あー、評価コメントみると……やっぱり……。GPIFの運用会社もCSR企業評価のプロではないと思うので、今回の選定はもしかしたらCSR的な視点はあまりないのかもしれません。来年にはかなり精度の高い文字どおり“優れた統合報告書”がピックアップされるのでしょう。
もちろん「CSR評価の高い企業=統合報告書が良い」とはなりませんが、IRの意識が高い企業がCSR部門を巻き込んで、うまく統合報告書にできているのでしょう。スタートがCSR報告書(CSR部門)なのか、アニュアルレポート(IR部門)なのかで、中身が大きく変わりますからね。
で私の印象ですが、評価の高いトップ9社は、ESGに関する社長の理解があり意識が高い企業のようにも感じます。ここに入らないIR関連のアワードの超常連企業も、社長のCSRリテラシーがダメすぎて統合報告書までたどり着いていないようです。残念ですね。その企業群が本気だしたら、上記の企業でも勝てないかもしれないのにね。
というわけで、私も上記企業の統合報告書を熟読し、勉強したい(パ◯りたい)と思います。上場企業でIRを本気で取り組んでいるところ担当者の方は、とりあえず上記の32社の統合報告書は100%チェックしましょう。
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