CSR報告書のトレンド
今更ではありますが、御社はCSR報告書を発行してますよね?
色々な方面からのプレッシャーを含めて、ザワザワしているCSR報告書まわり。6〜8月で2015年版CSR報告書がどんどん出てきています。そこで、本記事では、最新のデータも含めて、今一度、CSR報告書のトレンドを確認します。
知っているようで知らない事も多いと思うので、しっかりと確認して、自社の取組みに活かしていただければと思います。
日本のCSR報告書発行媒体
紙のみ:2.9%(30社)
Webのみ:28.0%(291社)
紙とWeb:53.6%(556社)
作成予定:11.3%(117社)
その他:4.2%(44社)
合計:1,038社
(出所:CSR企業総覧2015 東洋経済「第10回CSR調査」業種別集計結果)
2015年版 CSR活動の報告を紙とWebで行っている会社は53.6%の556社
東洋経済の調査によれば、日本では「ウェブのみ」も増加していきそうだけど、まだまだ「紙とWeb」がメインのようです。他のカテゴリーも結構きになるのですが、「作成予定」という企業が回答全体の11%(!)。CSR報告書制作会社さんは営業のしがいがありそうですね。
しかし、そもそも、CSR報告を「CSR報告書」という形で出すべきなのか、という疑問はあります。特に「Webのみ」が増えていくのであれば、100ページとか、10MBを越えるようなPDFにまとめる必要ないですね。(スマートフォンではまず見にくいです)
そうなると、Yahoo!の「ヤフーCSR」、キヤノンマーケティング「Business with CSR PORTAL」、日立製作所「IT’S OUR FUTURE」みたいなCSRウェブマガジンを起点に、ガイドライン対照表等を中心に開示してく方法も進んでいくのかもしれません。
方法は色々ありますが、最終的には、読者(ステークホルダー)とのエンゲージメント構築に貢献できるか、だけです。徹底的な読者視点を持てる企業のみが、CSR報告によって高評価を得ることができる未来も近いのかもね。
「ウェブのみ」の公開に、仮に進むとしても、そもそも主要ステークホルダー(想定読者層)がウェブで情報収集をする人たちなのかを考える必要もあるでしょう。情報を届けたい人がウェブにいないのに「ウェブのみ」にするのは企業側の論理であり、ステークホルダーのニーズに合わないことになってしまうからです。
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まとめ
CSR報告書は今後どうあるべきか。色々考えさせられるデータが色々出てきていますね。不可逆な流れも多いので、しっかりとトレンドと動向を確認しておきましょう。知らないでは済みませんよ?
例えば、CSR報告書内でコンプライアンス項目でセキュリティ関連を追加する必要があるかもしれません。情報漏洩は顧客・取引先というステークホルダーの脅威ですからね。オリジナリティも出さなければならないので、大変な時代になったものです…。
オリジナリティといえば、テクニカルな面で言えば、「トップメッセージ」なんかで差別化も重要になってくるでしょうね。どの企業もあんまり言ってること変わらないですもん、実際。あと地味な所ですが、「第三者意見」、「編集後記・編集方針」、「アンケート」なども手を抜くとバレやすいコンテンツもあるので、知恵を出してオリジナリティを出したい部分です。
世界でも日本でもCSR報告書発行企業数が増える中、他社よりもオリジナリティを出して、企業価値向上に貢献できる企業はどれくらい出てくるのでしょうか。今後のマーケットからも目が離せません。