ISO26000

CSRコミュニケーションの7つのポイント

CSR支援を行なう人間が語る、色々なCSRコミュニケーション。

人によって主張が違うのはいいとして、ガイドラインでどのようにまとめられているか気になりませんか?僕は気になります。というわけで、ISO26000の「情報の特性」という箇所から、CSRコミュニケーションのポイントを学びましょう。ガイドラインなだけあって、非常にモレなく、ダブりなくまとめられています。

社会的責任に関する情報の特性

■完全である
情報は、社会的責任に関係する全ての重要な活動および影響を取り扱うべきである。

■理解しやすい
情報は、コミュニケーションに関与するであろう人々の知識、並びに文化的、社会的、教育的および経済的背景を考慮した上で提供されるべきである。

■敏感である
情報は、ステークホルダーの関心に敏感であるべきである。

■正確である
情報は、事実に基づき正確であるべきである。また、その目的に役立ち、目的に適うよう十分詳細であるべきである。

■バランスが取れている
情報は、バランスが取れ、公正であるべきである。また組織の活動の影響に関する否定的な情報を省くべきではない。

■時宜を得ている
情報が特定期間の活動に関する内容である場合、対象期間を明示することによって、ステークホルダーは、その組織のパフォーマンスを過去のパフォーマンスおよび他の組織のパフォーマンスと比較することができるだろう。

■入手可能である
特定の課題に関する情報を、関係するステークホルダーに開示すべきである。

※「ISO26000:2010 社会的責任に関する手引き」(ISO/SR国内委員会、日本規格協会)より引用

情報特性

ISO26000に書かれている通りの7つを実施するだけで、CSRコミュニケーションの質が上がること間違いなしです。

「完全である」は、情報網羅性です。偏ったCSR情報だけで企業評価をしたりコミュニケーションは難しいですよね。

「理解されやすい」は、ステークホルダー特定とターゲティングの話でしょう。あくまで、CSR情報は届ける先の人のペルソナを決めて発信しないと、理解が進みませんよ、と。

「敏感である」は、ステークホルダーの情報ニーズ把握、のことですかね。ニーズのない所に、コミュニケーションは存在しえません。

「正確である」は、情報の整合性の話。投資家・株主に「お買い得商品情報」を提供しても意味ないですもんね。

「バランスが取れている」は、読んで字のごとく、です。ここは「否定的な情報を省くべきではない」が注目ポイント。

「時宜を得ている」は、情報の比較可能性とトレンドの話でしょう。

「入手可能である」は、ターゲティングとペルソナの話かな。

まとめ

ISO26000では、社会的責任のコミュニケーションについて上記のようにまとめていますが、もっとまとめると、情報の「整合性・透明性」に加え、ステークホルダーのニーズや動向に注目せよ、ということのようです。

先日のCSRセミナーでも話をしたのですが、CSR報告やCSRコミュニケーションという領域では、「ステークホルダー」という視点が超重要です。

情報の質(CSR活動の質)がどんなによくても、情報を受け取る先のステークホルダーの視点が少ないと、伝わるものも伝わらないでしょう。

言われてみれば、特に変わった話でもないのですが、上記7つのポイントが、御社のCSR情報開示できちんとできているか、確認をしてみましょう。意外と穴はあるもので、他人に不備・不足を指摘される前に、改善させていきましょう!

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