CSRとマテリアリティ

あなたはどうやってマテリアリティ設定をしていますか?

今回はマテリアリティの話を。昨日勉強会に参加して、色々あった気付きをメモしておきます。

マテリアリティは、リスクとオポチュニティのどちらを重要視すべきなのか。

バランスが需要と答えるのは簡単なのですが、現実的に、戦略的に選ぶ必要がありますよね。

ちょっと、僕の考えをまとめてみます。

CSRにマテリアリティはそもそも存在するのか

CSRの重要課題は国際的に決まっています。ISO26000やGRIの枠組みとか。

マテリアリティとは、さっくり言えば「自社のCSRにおける重要課題」のことなのですが、国際的にCSRのタスクが決められている以上、それらを「できるけど、しない」という選択肢は、そもそも成り立つのでしょうか。

企業がマテリアリティを設定しなければならない、大きな理由の一つが「限られたリソースを適切なCSR領域に投下するため」でもあるので、その背景・文脈を考慮する必要があります。

そもそも企業は「ミッションの達成」が存在意義でありアイデンティティです。となると、ミッションの達成が最終的な企業活動のゴールなのですが、前リアリティを推進することで、それがミッションにつながるかというと、それはまた別の話の気もします。

ISO26000とかGRIとかは、「本業でCSR」などと言われるビジネス領域の話(オポチュニティ:機会)はあまりでてこなくて、リスクの話が中心となっています。チェックリスト的な使い方には有効ですが、イノベーションを生むようなビジネス創造には不向きなのかもしれません。

あとは、マテリアリティをどの軸で決めていくかも重要です。

・ステークホルダーを中心とし、そのニーズをまとめ構築する
・イシューを中心に考え、リスクテイク的なまとめをする
・売上に最も貢献するステークホルダーに最大限配慮する

他にも、マインドマップ的な発送法もあるでしょうし、マテリアリティ・マトリクスとか、バランス・スコア・カードのようなフレームワークも有効でしょう。

しかし、例えば、投資家にも短期・長期の考え方は2つある。こうなると、ステークホルダー単位でのニーズは計りきれないのではないでしょうか。

プロセスを重視し、結果を保証するアプローチを取る事も多い外資系。この欧米の考え方は、日本に馴染まないことも多いです。

それはなぜか。考え方が同じであれば、欧米本社のCSRの考え方を日本支社にも採用して終わりじゃないですか。では、ケーススタディで上がるのは海外の本社で、日本支社の例は上がらないのか?

従業員が数十万人もいる世界的企業でアメリカ本社ではCSRに超積極的なのに、日本のCSR担当者・責任者はそれをできていません。

文化や下地が異なるからです。日本法人の担当者も迷っている方も多いです。

必ずしもロジカルにすれば、国内で国内向けの場合は「ロジカル」だけではない。納得が日本人には重要。ハイコンテクスト。

このあたりの、外資系でCSRが進んでいる企業だからこその悩みみたいなのもあるのかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

そもそもマテリアリティとはなにか。なかば義務的なCSR項目が多数ある中で、やるべきものとやらないべきものを選ぶことは本当に必要なのでしょうか。

勉強に参加されていたある方は「マテリアリティは、やらないことを決める事」とも言っていて、確かにとも思いました。

ただ、3年で担当者が変わったら、マテリアリティとかも変わっちゃうんだろうな、と思うと、この議論のゴールってどこなんだろうと。

マテリアリティを考えて行くプロセスこそ、「自社にとって良いCSRとは何か」を考えることにつながるのかなと思った今日この頃です。

関連記事
良いCSRとは、CSRが定義されマテリアリティを決めることかもしれない
CSRにおけるエンゲージメント・マーケティングとは
CSRの現場で考える“良いCSR活動”とは何か