CSRの現場で考える“良いCSR活動”とは何か
「CSRは会議室で起こっているんじゃない、現場で起きているんだ!」
というわけで、今回の記事は、先日行われたCSR勉強会のメモを。
様々な立場の方(CSRリサーチャー、CSR担当者、CSRコンサルタント、NPOマーケター、元CSR部、CSRコンテンツ関係者)が集まる場で、表題のように「良いCSR活動とは何か」というテーマで、ディスカッションをした内容です。
CSRとは、立場によって重要視する項目が異なります。
ある人は「従業員」にフォーカスしたり、「株主・投資家」だったり、「企業価値向上」だったり。
国際的なルール、社会的なインパクト測定(定量化の要求)、社内外からのプレッシャー、専門家ではない知識の少なさなど、CSR担当者にはさまざまな超えるべき壁が存在します。
勉強会のメモではありますが、新たな気付きを得る方も多いと思います。
CSR勉強会メモ
・企業活動のリスクを見極めることこそが、CSRの役割なのではないか
・CSR部が単独で動く“部分最適”でCSRが進むとは思えない
・BtoC企業のCSRは信頼構築対策(レピュテーション)として、投資がなされているのでは?
・CSRは結局、経営理念がどこまで実践できているか
・本業以外の企業活動は、基本的にすべてがCSR活動かもしれない
・中期経営計画の中にCSR視点を入れることが、CSRの浸透度を決める大きな要因
・CSRにおける「因果関係」と「相関関係」を勘違いしていることが多いのでは?
・CSRでフォーカスすべきポイント(マテリアリティ)を考えるのも大切だけど、そもそもの「なぜCSRをしなければならないのか」という前提を考慮していないのも問題
・多くの人が興味のあるCSRカテゴリー3つだけ。「人材・環境・その他」。
・従業員個人のモラルハザードを100%防ぐことはできない。
・本業に近い領域でCSR活動をし、失敗すると致命的。本業とは離れている社会貢献活動のほうが、(比較的)ポジティブなインパクトを出しやすい
・女性活用(女性役職者増加)だけでCSRが進んでいると思うのはどうなの?
・「人材を大切にします」という企業は、そもそも大切にしていない。日頃から大切にしていれば、改めて言わない。
・人材(ヒューマンリソース)に関するCSR項目は増え続けるばかり。でも、企業からみれば人材はあくまでも企業理念を果たすためのツール。人材へのアプローチは、企業のとして、社会に責任を果たしていると言えるのか?
・CSRは立場によって、マテリアリティが変わる。なので「CSRは誰のため?」という問いに答えは出せない。
・CSRは「誰のため?」を固定できないが、「何のため?」という問いには答えられるかもしれない。
まとめ
CSRの“現場感”ってすごい重要だと思ってます。なぜか。
企業関係者にとって、CSRは研究対象ではなく、現場での業務そのものだからです。
書籍や著名な先生方が語るCSRは現場感がない場合も多く、その知識は必ずしも現場では役に立ちません。
僕も偉そうに“CSRとは何ぞや”ばかり言っていないで、こういった勉強会でも現場の悩みを聞き、改善に貢献できるプラン構築と実施に努めようと改めて思ったのでした。
今日のメモ書きが、現場の皆様のヒントになれば幸いです。