「ソーシャルデザイン」とは?

あなたは、「ソーシャルデザイン」というトレンドをご存知ですか?

本記事では、最近注目度が増してきた「ソーシャルデザイン」についてまとめてみます。

そもそも、ソーシャルデザインとはどんな意味か。ソーシャルデザインとは、社会的課題に対して問題を問い、その解決策をデザインする行為そのもの、とされています。

これもCSRと同様、幅広い解釈が存在し、ソーシャルセクター系とクリエイティブ系とで、大きな定義の差が存在するようです。

大学などのアカデミックな機関でも使用例や、ソーシャルデザインを冠した団体・プロジェクトも存在するようですが、ガチなソーシャルセクターの人たちの使用例はさほど多くないようです。

ちなみに、このワードを広めたのは、「ソーシャルグッド」と同じく、greenzが一役買っていると思います。その先見性は流石ですよね。海外では単純に「For Good(フォーグッド)」なんていうこともあるようです。

追記:2015年3月
ソーシャルグッドなソーシャルデザイン10事例と5つのトレンド

ソーシャルデザインとソーシャルグッド

広告系では著名な宣伝会議社が不定期(?)で発行する「アドバタイムス」という新聞(新年特別号、2014年1月1日発行)でも、1面でソーシャルデザインについて書いてありました。多分、非売品なので、ちょっと引用させていただきます。

近年の海外広告賞を受賞した作品やケースを見ると、社会課題を解決に導く「ソーシャルデザイン」の考え方でキャンペーンやコミュニケーションを組み立てる取り組みが注目されている。様々な課題を抱える日本でも重要なテーマであり、広告界が社会に貢献できる大きなチャンスとも言える。(中略)広告・コミュニケーションの仕事に携わる我々は、現在の前向きなムードを保ちながら、課題に目をそむけずに、人々を明るい未来に導くような大局からの見方も求められている。
(アドバタイムス、2014年1月1日号)

ソーシャルデザインについては、近年、注目が集まる一方です。CSR関連の話ですと、ソーシャルグッドは聞いても、ソーシャルデザインというワードは広告系とかそっち系の人たちが主に使っている印象があります。

広告が効かない、商品のコモディティ化が進む状況が変わらない一方、ソーシャルメディアやオウンドメディアなど、企業が何かを発信できるプラットフォームは増えている。そこで何をどういう形で発信すれば、ユーザーとよりよい関係を築けるのか。そして、ブランドを高めることにつなげられるのか?誰もが納得する形でその答えとなったのが、13年に旋風を巻き起こした「ソーシャルグッド」だった。ソーシャルグッドは今後も大きな流れとして続いていくものの、2014年は別の角度からのアプローチが登場するのではないか。
課題解決のその先へ

いわゆる社会貢献とほぼ同意語として、ソ—シャルグッドというワードを使っているようにも見えますが、IT系やクリエイティブ系の人たちは、社会貢献というワードより、ソーシャルグッドというワードを好む傾向があるみたいです。

クリエイティブ系の人たちが使う、ソーシャルグッドというワードは、「ツールや仕組みを通じて社会に有益なアクションを起こす」というような意味であり、「社会問題を解決しよう」という深い部分まで意識するものではないようです。

まとめ

「ソーシャルグッド」と「ソーシャルデザイン」というワードが日本に登場してから、数年。これからも注目のワードであることは間違いないようです。

ちなみに、CSRという語はビジネス界に浸透するのに10年かかったと言われています。上記のワードがどこまで世の中に浸透するのかわかりませんが、社会的影響力も大きい(市場規模6兆円くらい)広告業界がソーシャルなワードにより注目し始めたのは、非常に喜ばしいことです。

今後の動きに期待です!

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