エシカルビジネスというムーブメント

エシカルとは、「倫理的な」という意味の形容詞で、人や社会、環境に配慮した活動を指すそうです。

エシカルビジネスとは、倫理感を持ち事業を行うことなのですが、まぁ、当たり前といえば当たり前の話しではあります。

だって、誰が「倫理観のない企業」と取引したいと思いますか?ってことです。

今一度、エシカルという語を使うにあたって気をつけるポイント、そしてビジネスにおけるマーケティングの仕方を振り返ってみましょう。

エシカルビジネスにおける3つのポイント

1、エシカルの捉え方

しかし、エシカルが普及することで、課題も出てくると危惧する。「エシカルという言葉を利用してお金儲けに走る団体が出てくる可能性もある。大切なのは、言葉ではなく、エシカルを当たり前に捉えること。一過性のブームのように、言葉に飛びつくのは危険である」。鮫島代表も同様に、エシカルの盛り上がりに警笛を鳴らす。「エシカルはルールではなく、気持ちのあり方。心から離れて、ブームとされてしまう可能性がある」。
「ブーム性のエシカルに警笛」、白木夏子×鮫島弘子

僕個人はエシカルという言葉でビジネスして儲けることに賛成です。エシカルというのであれば、少なからずエシカルっぽいことをしているだろうし。

問題なのは、エシカルじゃないのに、エシカルというマーケティング用語を使っているということです。

業界団体が規制に動くとかではないでしょうけど、今後、ロハスと同様に、業界団体のようなチームができて、より認知度向上にみたいに動いていくのかもしれませんね。

マーケティングによりすぎないエシカルも時には必要なようです。

2、エシカルにおけるブランド・ポジション

しっかりとした国際基準策定機関を通してエシカルな商品を提供しているのですが、私たちはエシカルである事をあまり強調していません。Etricanはエシカルビジネスである以前にアパレルブランドであると考えているからです。

ファッション業界は「かっこいい」や「かわいい」を切り口にしないと売れない傾向が一番強い業界です。その世界でかわいい服を提供できなければエシカルビジネス以前にビジネスとして成立しないと私たちは考えたからです。エシカルな衣料品が普及するためには、お客様にエシカルだから商品を買って頂く訳ではなく、商品に納得してお買い上げ頂くのが絶対条件であります。
エシカルビジネス以前にアパレルブランドとして勝負する――Etrican 宇野有実子

これは、すごく重要なポイントだと考えています。

「“エコ”で訴求しても売れません!」という話しをきいたことがありますが、まさにココなんですよね。つまり商品そのものに価値を見出せなければ、エコであろうがなかろうが売れないってことです。

エシカルでもオーガニックでもいいんだけど、結局よいプロダクトであれば、気に入った人は買うでしょう。僕もそういうプロダクトを買います。

3、エシカルの優先順位

やはり一番可愛いのは自分。洋服で言えば、自分が今よりステキになり、お財布へのダメージは最小限に留めることが最優先。それにエシカルがついてくればラッキー。

この、多数を占めると思われる「やっぱり自分が可愛い」層にアプローチをしなければ市場性を生むのは難しいのではないでしょうか?
2010年に実施されたパリエシカルファッションショーでの「一番大事なのはデザイン、次に価格、フィット、最後にエシカル」という言葉は本当だったのだと日々実感しています。
エシカルファッションの本音事情――INHEELS 岡田有加

価格は重要ですよね。これはBtoBの商品・サービスでもですけれど、他社と同様のものであれば、安いほうを選びます。これは当たり前ですね。ダサいくて、超エシカルな商品より、普通に良いものを皆さん選ぶと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

エシカルというと、BtoCサービスのマーケティング用語として定着してきてます。初期の「ロハス(Lifestyles Of Health And Sustainability)」と同じ感じですね。

ただ、ロハスと違うのはベクトルです。ロハスは「自分のライフスタイル」が主軸でしたが、国内での商取引にエシカルというワードはあまり登場せず、「海外市場とのつながり」を重視する傾向があるようです。

ある程度普及してきているからこそ、その本質が試される。まさに、エシカルは気持ちであって、当たり前になる世の中に一歩でも近づきたいですね。

僕自身としては、持っている服の30%はオーガニックコットン使用製品です。全てを一度に変えることはできませんが、少しずつ、僕でも出来る事を実践していきます。

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