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2016年に注目されるコーズマーケティング事例3選

CSRコーズマーケティング

コーズマーケティング事例

コーズマーケティング(寄付付き商品の販売、コーズリレーテッドマーケティング)は、いまやCSR担当者から事業部門まで幅広い関心を集める概念です。しかし、どの企業もなんとなくチャレンジはするものの、大した成果が出せていません。

成功事例を知った所でマネできるわけではないので、これからコーズマーケティングの実施を考える上では“失敗事例と成功事例の差は何か”を考える必要があるでしょう。

で今回は3つの事例から、それぞれのエッセンスである「本業でCSR」、「ムーブメントに乗る」、「継続する」という視点を紹介したいと思います。

1、ソフトバンク

ソフトバンクの携帯電話を利用するだけで社会に貢献できる、新しいプログラム「チャリティモバイル」を2016年2月29日から提供開始。チャリティモバイルとは、専用ページから携帯電話の機種変更や新規購入をして、顧客の選んだ非営利団体に対してソフトバンクがかわりに寄付(2年にわたって月額利用料の3% + 初回6,000円)するプログラム。

顧客は1円も払わず継続的なNPO支援ができますよ、という話です。これは太っ腹な企画です。利益率をそんなに下げて企業側のメリットがあるのでしょうか。

チャリティモバイル|ソフトバンク

ソフトバンクは、通信大手3社の中でもいわゆるCSR企業評価は一番低い企業です。しかし、このコーズマーケティング的な取組みやCSR関連部門の収益創出などは、3社の中でも1番なんじゃないか、と思っています。

ソフトバンク携帯電話を使うだけで社会貢献ができる 「チャリティモバイル」を提供開始

上記の記事では、取組みを行なうCSR部門の方のインタビューが掲載されているので、興味のある方はチェックしてみてください。店頭での申込みはないらしいので、爆発的に売れたりすることはないでしょうけど、ドコモやauではなかった取組みなので興味深いです。

本業でCSRというか、事業プロセスの社会性向上というのは今後のCSRの本流です。ドコモとauのCSR担当者さん、正直このあたりはベンチマークして、パクれる所はパクったほうがいいと思います。

2、Apple


自閉症受容月間|Apple(日本語)

毎年4月2日は「世界自閉症啓発デー」で、世界ではもちろん、日本でも様々なイベントやアクションが行なわれました。Appleはこの日に合わせて、あるショートムービーを2本公開させました。

動画の内容は、自閉症の少年のストーリーをまとめたものです。会話ができない少年もiPadというツールを使って会話ができる、と。海外・外国のコーズマーケティング事例はたくさんありますが、商品ではなく(最終的に商品なんだけど)、コミュニケーション・ツールの価値を再定義した訴求が興味深いです。

世界には様々な社会課題がありますが、ゼロから取り組むのではなく、こういう「世界〇〇デー」みたいな国際的な記念日や活動に乗って、自社の活動の存在意義を語るのは今後のセオリーになるのかもしれません。

すでに記念日があるということは、社会課題として少なくとも世界的な認識が進む課題ですし“マーケット”がすでに存在するため、企業としては切り口やアイディア次第で社会的インパクトが出しやすい面があります。

実施プログラム詳細は『Appleが変えた“声にならなかった声”–iPadが自閉症の少年を変えたお話』という記事にまとめていますので、ご興味がある方はチェックしてみてください。

3、ボルヴィック

Volvic-ユニセフ「1ℓ for 10ℓ」プログラム 最終年がスタート

『Volvic「1ℓ for 10ℓ」プログラム』は、CSR業界ではコーズマーケティングのベストプラクティスの1つとして語られる伝説的な取組みです。

内容は、ミネラルウォーターのボルヴィック出荷量1ℓにつき10ℓの清潔で安全な水が支援対象国であるマリ共和国の人々に供給される仕組みとなっています。

担当者の方の話は随分昔にセミナーで聞いたことがありますが、10年も続くとは考えていなかったんじゃないですかね。現代の10年って、ものすごい社会変化がありますよね。そんな中で結果がどうなろうと(?)継続をしていたことは賞賛されるべきだと思います。

正直、ボルヴィックのコーズマーケティング企画が終わるとは思ってもいませんでしたが、そもそも毎年数ヶ月の期間限定でしたので、いつ買えば支援につながるとか明確にわかって買っている人はほとんどいなかったのではないでしょうか。

僕は実施期間をほとんど知らなかったので、たまたま知った年以外は購入してません。キリンさんごめんなさい。ビールはキリンを飲むことも多いのでそれで許してください。

しかし、キリンはCSV推進で有名なのですが、ボルヴィックのプログラムはCSVではないという解釈でよろしいでしょうか?僕はCSVのベストプラクティスだと思っていたので、ちょっと残念です。かわりに実施されるであろう新しいプログラムに期待しています!

まとめ

というわけで、それぞれのエッセンスである「本業でCSR」、「ムーブメントに乗る」、「継続する」でした。

100%成功するCSRの取組みなんてこの世に存在しませんが、社会的インパクト・経済的インパクトが最大化できるポイントを何年もかけて見つける活動こそ、CSRでありサスティナビリティなのかもしれません。

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]