ISO26000から学ぶ、信頼性向上とレピュテーションリスク

CSR信頼性

信頼性向上とレピュテーションリスク

CSRのマネジメントタスクとして、「レピュテーションリスク」(信頼・評判の毀損)があります。

企業の規模に関らず「信頼性」はビジネスの根幹です。そこで改めて「ISO26000:2010 社会的責任に関する手引き」(ISO/SR国内委員会・監修、日本規格協会)を元に簡単にまとめてみます。

「7.6」の項で、「社会的責任に関する信頼性の向上」について書かれています。大枠でピックアップされるほど、重要ということなのでしょうか。

まぁ、企業にとって信頼感が重要なのは当然ですなんですけど。逆に信頼感のない企業からモノやサービスを買う気にはなりませんよね?

信頼性向上の方法

「信頼性向上の方法」という項目があります。以下、引用します。

組織が信頼を確立する方法には、様々な方法がある。その1つが、ステークホルダーとの対話を伴うステークホルダーエンゲージメントである。こうしたステークホルダーエンゲージメントは、すべての関係者の利害及び意思が理解されていることの確信を強めるための重要な手段である。このような対話は信頼感を形成し、信頼性を高めることができる。

これはCSRというカテゴライズでなくても、ぜひノウハウとして知っておきたいですよね。コミュニケーション活動を含めて、ステークホルダーエンゲージメントは、CSRにおいて非常に重要な概念です。

加えて、「特定の課題に関る信頼性は、特定の認証制度への参加で高められる」としています。世界中で様々な認証があるため、民間の認証が信頼度を著しく向上させるということはない気がしますが…。もちろん“ないよりマシ”です。

報告及び主張の信頼性向上

「社会的責任に関する報告及び主張の信頼性向上」という項目があります。以下、引用します。

・報告書を長期にわたって比較できるようにし、かつ、同業組織が作成した報告書とも比較できるようにする。
・報告書で省かれたテーマについて、そのテーマに取り上げなかった理由を簡単に説明し、その組織があらゆる重要事項を網羅しようと努めたことを示す。
・データおよび情報を信頼できるソースまで追跡し、厳格で責任ある検証プロセスを採用する。
・組織内の者または外部の者で、報告書の作成過程に関らない人物の助けを借りて検証作業を行なう。
・外部の組織が定めた報告指針に適合性を報告する
(抜粋して引用)

上記項目などが方法としてありますよ、ということです。全体的には、「情報そのものの信頼性」と「第三者視点による検証による信頼性」の2パターンに分けられるみたいです。

会社案内とは違いCSR報告は企業の信頼性担保のための有効なツールになるのは間違いのですが、いかんせん「第三者評価」というのが課題なんですよね。よくある、大学教授の「第三者意見」と監査法人の「第三者保証」も、お金もらってしているわけで、本当に信頼性を担保するかというと…まぁ、色々と課題はありますよね。

僕は「第三者評価」が実は一番大事なんじゃないかと思うわけで、ガイドラインでズバっといわれると、変な納得感があります。

紛争または意見の不一致の解決

「組織とそのステークホルダーの間の紛争または意見の不一致の解決」という項目があります。以下、引用します。

組織は、ステークホルダーとの紛争または意見の不一致を解決するため、紛争または意見の不一致の種類にふさわしく、かつ、影響を受けるステークホルダーにとって有用な仕組みを立案すべきである。

つまり、ステークホルダーダイアログなど、ステークホルダーの意見を汲み取る仕組みが必要ですよ、ということでしょう。

BtoC企業であれば、消費者が抱える自社商品・サービスに関する意見を汲み取る場があることで、消費者の信頼性が上がりますよ、ということでしょうか。

まとめ

「社会的責任に関する信頼性の向上」のための施策を一言でいえば、「ステークホルダーエンゲージメント」なのかもしれません。

信頼は企業ブランドの根幹を成すものであり、CSRに関る人間にとっては、とても重要な概念であります。

CSR報告の具体的な信頼性向上テクニックはさておき、社会の中に存在する以上、第三者やステークホルダーとどこまで関係性を築けるかが、信頼性に直結するこということは間違いありません。

CSRという視点ではなく、「信頼性」という視点で事業活動を見ると、新しい発見と気付きがあるかもしれません。

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