CSR・ダイバーシティ推進活動の裏にある、女性人材の本音とは

CSR女性

CSR・ダイバーシティ推進活動

2020年までに指導的地位の女性割合を30%に。

このブログをお読みのあなたは、このフレーズを一度は聞いたことがあるでしょう。

で、この数字って実は平成17年12月に「男女共同参画基本計画(第2次)」の閣議決定で提示されているんですよね。10年くらい放置して、今更、皆さん困っているわけ。少子化が1980年代にはわかっていたのに、今まで放置していたようなものなのでしょうか。

ま、この情報も知らない人が多いと思いますが、毎年6月23日から29日までの1週間は「男女共同参画週間」です。今、まっただ中です。今年のキャッチフレーズは「地域力 × 女性力 = 無限大の未来」だそうです。……ノーコメント。

政府が女性活躍推進をしているのは、ビジネスパーソンの多くが知っていると思いますが、現場的なアイディアや行動計画などがほとんどなく、すでに2020年に向けて言い訳を考えている企業担当者も多いことでしょう。(苦笑)

というわけで今回は、「本音」をテーマに、色んな女性活躍推進(女性活用)のデータをまとめてみました。

CSRと女性活用

企業の女性活用度調査(2015)

1、資生堂
2、セブン&アイ・ホールディングス
3、ANA
4、JTB
5、第一生命保険
6、日本アイ・ビー・エム
7、高島屋
8、リクルートホールディングス
9、パソナグループ
10、住友生命保険
2015年「女性が活躍する会社BEST100」

上記は、女性が活躍する会社・総合ランキングのトップ10企業です。企業における女性社員活用の実態を「管理職登用度」、「ワークライフバランス度」、「女性活用度」、「男女均等度」という指標で測定し採点。それらを合計して算出した総合得点を偏差値化し、総合ランキングを作成したそうです。

詳しくは引用記事をご覧いただきたいのですが、各部門のトップランク企業は具体的な目標を定め、仕組み(教育含む)を作っているようです。「政府が30%を目標にしたから従うぞ!」ではなく、「私たちは〇〇%を目指します」と、まずは自社の取組みとして最適化した目標を作る、と。

つまり、トップが重要性を理解し、全社的な取組み(経営戦略)として活動をしていると言えるでしょう。CSRも女性活用も、トップの考え方次第という点は同じかもしれません。

事例:資生堂

店頭の現場ではひずみが生じた。
時短勤務を選択した美容部員の多くは朝出勤し、夕方5時に帰る早番のシフトに入る。結果、昼頃から閉店まで働く遅番は否応なく独身の美容部員などに偏りがちに。徐々に不満の声が漏れてくるようになった。
「時短勤務の人たちが早番に入る分、土日や遅番のシフトが回ってきて負担が大きい」
「子育て中の人ばかり優遇されるのは不公平。もっと平等にしてほしい」
資生堂が挑む“本音”の女性活用

資生堂では、女性の働き方を巡り、現場では様々な課題や軋轢・摩擦があったそうです。そりゃそうだ。誰かを優遇すれば、誰かは不満を持ちます。すべての人の個人的な事情にそった人事制度なんて作れません。

ただ、資生堂では根回しなども含めて、様々な対応をし、会社として本気でこの仕組みを推進ました。

「当時は夢のようだと思っていたもの(制度)が、月日がたつにつれて『取るのが当たり前』になり、感謝がなくなる。甘えが出てきたり、権利だけを主張してしまったり。取らせる側も理解が不足していたり。双方に摩擦が出てくるのは、すごく残念なことだと思います」

上記のように、自分の権利を従業員全員がしてしまったら、組織としてなりたちません。だからこそ、厳しくする部分は厳正に対処し、優遇する部分はきちんと優遇する。この本気度は、さすが資生堂という所でしょう。

「女性部長が多い会社」ランキング

1、富士通
2、NEC
3、日本電信電話
4、東芝
5、日立製作所
6、千葉銀行
7、ファイザー
8、三菱UFJファイナンシャル・グループ
9、三井住友ファイナンシャルグループ
10、日産自動車
最新!「女性部長が多い会社」ランキング

東洋経済の「女性部長が多い会社ランキング」(2015)のトップ10です。企業規模もあるので一概には言えませんが、上記の資生堂は「部長比率増加ランキング」で4位となっています。

あと、この解説・紹介記事では、そうはいっても、調査対象企業の半分以上は「女性部長数ゼロ」だったといいます。この女性活用やダイバーシティ推進の話は、国内有力企業のごく一部だけで話題になっているだけともとれます。これが、現状なんでしょうね。

Women Willプロジェクト

未来の働き方PLAYBOOK

Googleが進める「Women Willプロジェクト」でのノウハウや情報まとめたコンテンツとなっています。

具体的な実施フローの解説から、豊富な事例紹介、レポートデータのまとめなどなど、非常に有益な情報が満載です。しかも、インフォグラフィックを使い、非常に見やすい!さすが、われらがGoogleさん。

個人的には「明日からできる10のアイディア」とか、超実践的でいいと思います。女性活用って、会社の根本を変えてしまうくらい巨大なエネルギーと時間が必要だと思われていますが、こういった「今日からできること」をしながら、社内のカルチャーを少しずつ変えることが大切なのかもしれません。

PDFでダウンロードできるので、興味がある方はぜひご覧ください。

関連記事

女性活躍推進企業のインデックス、東証・経産省「なでしこ銘柄」(2015)
女性活用は企業業績と連動するCSRの取組みか–データ9事例から浮かぶ事実
GoogleのCSR・社会貢献は女性活躍支援!? 「 HappyBackToWork 」
ダイバーシティ経営と女性活躍推進(女性活用)の調査データ9選
結局、女性活用(女性活躍推進)ってCSRなんですか?

まとめ

今回色々データを集めていたら、僕にとって新しい情報がどんどん出てくるので、まとめるのに一苦労でした。

あと、当たり前のことですが、ビジネスって「会議室ではなく現場で起きている」んですよね。高い目標を決めるのはいいですけど、全業種で一律対応は非常に難しいかと思います。「2020-30」の目標はいいとして、現実的な2020年の目標をどこに置くべきか。これは社内できちんと話合う必要があります。

ちなみに、女性が特に少ない業界では、女性従業員全員合わせても30%いない(全員管理職にしても間に合わない)会社もあります。今から新卒採用しても5年で指導的立場は難しいことも多い(特に製造業・大手)ので、どう考えても間に合っていない企業は、女性の転職者をかき集めて……。

最後にもう一度だけ例のフレーズを。「ビジネスは会議室ではなく現場で起きているんだ!」ということで、明日、朝イチで女性活用についての会議をしましょう(笑)


執筆者安藤光展/CSRコンサルタント
1981年長野県生まれ。CSR/SDGs経営の専門家。著書は『創発型責任経営-新しいつながりの経営モデル』(日本経済新聞出版社、共著)ほか多数。日本最大級のCSR担当者コミュニティ「サスネット」主宰。

戦略的なCSR情報開示をお求めなら、私にご相談ください。


CSR/サステナビリティ情報開示を専門分野とし、経営戦略まで踏み込んだコンサル型の開示支援を行なっています。成果にこだわる情報開示をお望みの方、良いCSR報告書・CSRウェブサイトの制作会社がいないとお困りの方は、是非ご相談ください。

安藤光展のプロフィール
CSR情報開示の「第三者評価プログラム」

CSR/サステナビリティに関する勉強会・研究会を主催しています。これからCSR推進活動をする初級担当者、他社担当者と情報交換したい方、組織のCSR評価を一段階上げたい方、などにおすすめです。

日本最大級のCSR担当者コミュニティ「サスネット」
企業評価および情報開示を学ぶ会員制勉強会「サステナビリティ評価研究会」