CSRとIRとPRの融合で実現するコーポレートコミュニケーションの未来

CSR統合報告書

CSRとIRとPRの融合

コーポレート・コミュニケーションとして、CSRとIRとPRの融合が始まっています。

最近、IR担当部署にCSR担当者がいる例が増えている気がします。特に統合報告書を作成する企業は、CSR担当ではなくIR・広報などの方がイニシアティブを取っているような。もちろん、企業によっては従来のCSR報告と同じくCSR部門が担当していることもあります。

本記事では事例とIRフレームワークを確認しながら、コーポレート・コミュニケーションとしてのCSR報告についてまとめます。

レポート事例

サイバーエージェント、「第36回2015日本BtoB広告賞」にて、 アニュアルレポート、CSRレポートの部「金賞」を受賞

僕はこの話題に、昨今の非常に大きな示唆があると思っています。レポート名称は「ビジネスレポート2014」です。

CSR的な内容としては、社会的な取組みとして女性活用の話が載っているだけです。特段変わった話はありません。しかし、アニュアルレポートとCSRレポートが同じカテゴリに入っているのは色々な意味で興味深いです。ちなみに、この部門は3社が受賞してました、サイバーエージェントの他に、クボタと堀場製作所が入賞しています。

で、サイバーエージェントの『CSRレポートの部「金賞」を受賞』のニュースリリースを出しているのがIRの部門なんです。IT系と呼ばれる企業はCSRが弱いということもあってか、CSR的なことも徐々にIR・広報あたりが動いている例です。

僕は、今後サイバーエージェントみたいな「IR重視のCSR報告」的な方向の企業が増えるんじゃないかと予想してます。ざっくりいえば、CSR報告書を出さずして統合報告を出す、みたいな会社。IR広報が主導のCSRというか。CSR報告書を作ってから統合報告書にチャレンジではなくて、です。

非製造業において、ESGでいう、E(環境)の部分のCSR施策は非常に難しいので、どうしてもS(社会)が強くなってしまう。社会貢献とか女性活用とかですね。まだまだモヤモヤしていますが、大きな流れが来ている気がしてなりません。

サイバーエージェント|CSR

国際統合報告(<IR>)フレームワーク

指導原則

1、戦略的焦点と将来志向
2、情報の結合性
3、ステークホルダーとの関係性
4、重要性
5、簡潔性
6、信頼性と完全性
7、首尾一貫性と比較可能性

内容要素

1、組織概要と外部環境
2、ガバナンス
3、ビジネスモデル
4、リスクと機会
5、戦略と資源配分
6、実績
7、見通し
8、作成と表示の基礎
9、一般報告ガイダンス

統合報告の考え方と目的

<IR>は、報告プロセスをよりまとまりのある、効率的なものとすることに焦点を当て、組織内部の縦割りを排するとともに、重複を解消するための「統合的思考」を採用することに焦点を当てた原則と概念を適用するものである。
統合報告は、財務資本の提供者が利用可能な情報の質を改善し、より効率的かつ生産的な資本配分を可能とする。
統合報告は、組織による長期にわたる価値創造、そしてその支えとなる「資本」群に焦点を当てることによって、財務的に安定的なグローバル経済に貢献し、また、持続可能な社会への推進力となる。
国際統合報告-フレームワーク-日本語訳

上記の項目を確認いただければわかりますが、いわゆる日本的な“社会貢献活動”に対することは、ほとんど規定されてないんですよね。深読みすると、社会貢献では企業価値向上ができない(価値創造プロセスが成立しない)とも見えます。

あと、指導原則をみると、CSRコミュニケーションの要点をよくまとめているとも捉えられます。CSR要素を追加したアニュアルレポートなどの書き方の参考にもなります。

まとめ

統合報告書の歴史は浅く(CSR報告書も浅いけど)、まだ何からどうやって取り組むのかというセオリーが社会に浸透しきっていないのが現状です。

サイバーエージェントの例のように、まずはガッチリな統合報告よりも、既存のIR広報の視点にCSR情報を加えるのが、取組みとしては良いのかもしれません。

制作会社も去年あたりから「私たちも統合報告書制作対応してます!」みたいに言い始めて、統合報告書発行企業が増えるのと同時に担当する制作会社も増えている印象があります。ある意味、統合報告書制作バブルみたいな。

統合報告制作会社のみなさん、今年は一気にライバルが増えると予想されますので、コンペを含めて、早めに動いたほうがいいみたいですよ。

今年はCSR報告書ではなく統合報告書にしたいとお考えの企業の皆様、まだまだ新しい取組みではあるので、制作会社の選定は慎重に。コンペをするなら選考時間に余裕をもった制作スケジュールにしたほうがよさそうです。

僕自身はアドバイザーとして制作プロジェクトに入ることはあっても、クリエイティブそのものはほとんどしていませんので、ご相談いただければ、ご要望を反映できそうな制作会社を紹介するくらいはさせていただきます。別に紹介マージンとかも取らないっす。

関連記事
絶対に読んでおきたい、日本の統合報告書15事例
統合報告書の意味を再考するための記事7選
統合報告書制作の、“統合思考の全体最適”という可能性を考える



■  運営勉強会のご案内 ■
・国内最大級のCSR実務担当者限定の勉強会/交流会「サステナビリティ・トレンド・ネットワーク」
・完全現場主義のCSR企業評価について学ぶ研究会「サステナビリティ評価研究会」

■ 積極募集中■
csr csr