世界で最も倫理的な企業
先週、倫理的なビジネス慣行の基準の定義・促進に関する世界的イニシアティブのエシスフィア・インスティテュートが「世界で最も倫理的な企業」(World’s Most Ethical Companies 2015)を発表しました。21カ国132社がインデックスされたみたいです。
「世界で最も倫理的な企業」とは、世界100カ国以上を対象に、透明性、誠実さ、倫理、コンプライアンスに関する優れた成果を上げる企業を表彰する賞のことです。受賞企業はほとんどがアメリカ企業なんですけどね。
この「世界で最も倫理的な企業」を選出するスコアリング・ポイントは以下の5つです。
1、倫理とコンプライアンス・プログラム(倫理的、効果的な企業コンプライアンス実践活動)
2、企業市民活動(サステナビリティ、企業市民活動、社会的責任等に関する指標)
3、倫理浸透(倫理的行動や遵法へのコミットメントを向上させる企業文化の醸成)
4、コーポレートガバナンス(ガバナンスの実効性、リーダーシップ、技術革新)
5、評判(法令対応状況や倫理全般の記録状況、ステークホルダーからの倫理的評判)
またエシスフィアCEOのティモシー・アーブリック氏は、次のように述べています。
現代の企業は、世界中の複雑で矛盾することも多い一連の法律・規制への対応を迫られています。そして世界的な法規が存在しないにもかかわらず、事業を正しく行う方法に関する共通性は高まっています。以前にも増して、倫理的リーダーシップが業績から企業の誠実さ、透明性、労働者の行動までの成果を推進することについて、従業員や顧客から経営幹部や投資家までの利害関係者が理解するようになりました。私たちは、倫理的な企業を実現するさまざまな要素を理解するだけでなく、それを実現する環境の構築に注力するこれらの企業を表彰できてうれしく思います。
この発言はもちろん世界的な視点ですが、日本でも同様のことが言えますね。
参照
・World’s Most Ethical Companies – Honorees
・エシスフィア、2015年世界で最も倫理的な企業を発表
・エシカルな企業ランキング!? 「世界で最も倫理的な企業2014」
世界で最も倫理的な企業・日本企業
あなたが気になるのは今回インデックスされた日本企業だと思います。今年は3社。資生堂とリコーと花王です。企業側からもプレスリリースが出ております。
昨年は144社選出の中で、「Kao Corporation(花王)」、「Shiseido Company, Limited(資生堂)」、「Sompo Japan Insurance Inc.(損保ジャパン)」が選出されています。
リコーと資生堂はCSR界隈では非常に先進企業としての認知も高く、僕は納得の内容。この2社のCSR活動や、CSR情報開示は要チェックです。
ちなみにリコーは、CSRの総合力が問われる「東洋経済CSR企業ランキング2015」の総合で10位、花王は27位、資生堂は54位でした。資生堂の社会性は非常に高得点なのですが、財務領域でポイントを落とした結果の順位のようです。
ランキング・アワードが違えば評価方法も変わるのでブレがあるのはしょうがないと思います。東洋経済のCSRランキングは、トップ10以下の順位間のポイント差が小さいので各社ともランクアップ・ランクダウンが簡単に起きます。
ってか、リコーの安定感はハンパねぇな。2003年の「CSR元年」の頃からCSRにがっつり取り組んでいるし、東洋経済のランキングでいえば、2007年からトップ10付近にずっといますし、トップ・コミットメントもですが、“中の人”のリーダーシップとかがすごいのかな?一度取材してみたいっす。
まとめ
日本でも6月からのコーポレートガバナンス・コードもあるし、来年以降はESG/CSRの情報開示が進み、ランクイン企業が増えるのかもしれません。
ぜひ、以下のCSR系ランキング・CSR格付け(CSRインデックス)も合わせてご覧下さい。
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