CSR・社会貢献領域の世論・意識調査4選

今回は、社会貢献領域の世論・意識調査を4つご紹介します。1つずつ紹介と解説をしようと思ったのですが、面倒でやめました。ごめんちゃい。

東日本大震災以降、「社会貢献に興味を示す人が増えています!」っていうソーシャルセクターの人いるけど、じゃあ、震災ボランティアが2011年より増えるどこかかなり減っているんだけど、この減少はどういう論理なの?みたいな意地悪な質問をしたくなります。社会貢献ビジネスなんてそんな簡単なものではないでしょ、と。

しかし、これはCSR担当者にも言える事で、エビデンスのない“思い込み”的な発言、ロジカルではないCSR活動なんてモノを平気でするのです。日々変化する社会の中で、今日と同じ明日が来ることはありません。

ある人の正義は、別のある人の正義であるとは限りません。この手の調査は母数が少ないのでなんとも言えませんが、参考にはなるのでチェックして、現在地をしっかり把握しましょう。

CSR担当者だけではなく、NPO関係者の人も必見です。

世論・意識調査4選

ソーシャルビジネス・コミュニティビジネスに関するアンケート

社会的問題に関心がある人の割合をみると、「社会的排除に関する問題」については、「とても関心がある」「多少関心がある」と回答した人の割合は合計で61.9%、「地域社会に関する問題」は同64.6%、「地球環境に関する問題」は同67.4%、「開発途上国支援に関する問題」は同50.0%となっている。
「ソーシャルビジネス・コミュニティビジネスに関するアンケート」の結果について(PDF)

日本政策金融公庫総合研究所のレポート。かなりのボリュームです。要チェックです。やっぱり環境問題が一番人気ですか。日本人には馴染みやすいジャンルではありますからね。

他の質問では「SB・CBのどちらか一方でも知っている人の割合は27.3%」というのもありました、一般的な知名度はやはり低いですね、SBはソーシャルビジネス、CBはコミュニティビジネスの略です。その事例としての認知度トップはグラミン銀行。
さすがユヌス先生、ノーベル平和賞受賞者なだけあります。

NPOソーシャルビジネス就業意識調査

「町内会・お祭り・ゴミ拾い等の地域活動経験」は全体で見ても高く、“働きたくない層”においても約2割が経験しています。特筆すべきは、 “働きたい”層“で、「学校の授業や研究でNPO・ソーシャルビジネスや社会問題を取り扱った」が約2割にのぼっている点です。
学校やテレビで社会問題を取り扱うことが、NPOの担い手増加につながる?続・NPOソーシャルビジネス就業意識調査

ETICの記事。ETICはこの調査の他にも色々レポートをまとめているので、NPO系の方は特にチェックしてみて下さい。

で、上記の話ですが、ここ4・5年のインターネットやソーシャルメディアの普及により、ソーシャルセクターのメディアリーチ力が上がったのあり、メディアで情報にふれて興味を持った人も一定数いるとのこと。

いわゆる社会起業家みたいに、強烈な原体験があって起業したり、NPOに就職したりというよりは、入り口はカジュアルな感じになっているんでしょうね。

僕としては、関連領域でもあるCSRが専門ですが、ウェブや書籍の情報発信がそれなりの影響力があるので、継続して「CSRとは何か」、「社会貢献とは何か」みたいな所のソーシャル布教活動をしていこうと、改めて思いました。

開かれた大学づくりに関する調査

学生の地域貢献活動を行っている大学は75.9%にのぼり、活動テーマは、「地域産業活性化」「教育支援(学校)」「健康・福祉」の割合が高いことが明らかになった。地域社会に対する大学の貢献の取組み状況は、「公開講座を実施すること」95.9%、「教員を外部での講座講師や助言者、各種委員として派遣すること」89.2%、「社会人入学者を受け入れること」84.0%、「学生の地域貢献活動を推進すること」78.0%と、7割以上の大学で実施している。
76%の大学が学生の地域貢献活動を実施、国立で高い傾向

文部科学省の「開かれた大学づくりに関する調査」のレポートの話です。

大学は地域貢献すべき。地元から進学する人も多いだろうし、全国の受験生にPRするより、確実にエンゲージメントがとれるような気がします。また、社会を変えるにはインフラか教育を変えるしかない、と言われる通り、学校教育としてソーシャルマインドの育成を通じ、学生の社会貢献意識の向上などに努めていただきたいものです。

大学で学んだことの多くは、社会人になって役に立たない(?)ので、マインドセットくらいは大学に貢献してもらいという気持ちはあります。

環境問題に関する世論調査

■自然に対する関心度
自然についてどの程度関心があるか聞いたところ,「関心がある」とする者の割合が89.1%(「非常に関心がある」21.9%+「ある程度関心がある」67.2%),「関心がない」とする者の割合が10.5%(「あまり関心がない」9.4%+「まったく関心がない」1.1%)となっている。

■生物多様性の言葉の認識度
 「生物多様性」の言葉の意味を知っているか聞いたところ,「言葉の意味を知っている」と答えた者の割合が16.7%,「意味は知らないが,言葉は聞いたことがある」と答えた者の割合が29.7%,「聞いたこともない」と答えた者の割合が52.4%となっている。
環境問題に関する世論調査

内閣府のレポートです。前述のレポートのように、環境分野はやるかどうかは別として、皆様意識は高いようですね。89%って、ほぼ全員じゃん。

あと、生物多様性はCSRでも出てくるのですが、ここに特化した企業は少ないくらいなので、まぁ、認知度はこんなものなのでしょうね。浸透度が低いということは、ここに特化した活動は、ステークホルダーの理解を得にくいという側面もあるのかも。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

予想通りの展開といえば、予想通りだったです。企業のCSR担当としては、これらの数字をうまく使って、「社会が求めているんです!」みたいなに上司
を説得する提案書作成をする感じになりますかね。

以下、他の調査・統計のまとめ記事もありますので、こちらもご参考までにどうぞ。

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