社会貢献意識調査から何が見える?
社会貢献意識調査から何が見えるのか。今回は2つの社会貢献意識調査についてシェアします。
ソーシャルセクターにいると、社会貢献が“当たり前”になってしまい、多くの“普通の人の当たり前”がわからなくなってきてしまいます。それはしょうがないっす。慣れって怖いもんです。
というわけで、こうやって、各社が出してくれる普通の人の社会貢献調査調査で、一度考えをフラットにしましょう。
社会貢献意識調査
女性・シニア層の消費を取り込む鍵は、社会性!?
■女性にとっては「社会性のあるものを買う」=「素敵なお買いもの」
■商品の「安さ」より、「社会性」を評価する50・60代は7割超
女性・シニア層の消費を取り込む鍵は、社会性!?
ヤラカス舘SoooooS.カンパニーの調査だそうです。
5割前後の女性が、「社会性のあるものを買う」=「素敵なお買いもの」と認識
30代を除く各年代の女性では、5割前後が、「自分だけでなはなく、他の誰かや環境のためにもなるものを買う」ことを「素敵なお買いもの」と回答。この値は、平均が26.0%の男性とは大きな差があり、社会性のある商品は女性のほうがより評価しやすいことが明らかとなりました。積極的な情報発信で社会性のある商品のマーケットはさらに拡大
「現在は社会性のある商品の購入をしていないが将来的に買いたい」と思っている人の43.0%が「どれが社会性のある商品なのか分からない」ことを現在買っていない理由に挙げており、全回答者の66.4%が「企業による社会的取り組みは企業自らが積極的に情報発信してほしい」と回答していることと合わせて、企業自らがそうした情報を積極的に発信していくことが、同マーケットの拡大には重要であることが分かりました。
女性・シニア層の消費を取り込む鍵は、社会性!?
ふむふむ。これらの傾向は興味深いですね。男性より女性のほうが社会貢献全般に関する意識が高いというのは、色々な調査で出ていますね。
コーズマーケティングは一応まで有効ということでしょう。ただし、こういったデータを信じすぎて、やったけど効果がなかった効果がなかった!みたいな商品・サービスも多数あるので、現場でのマーケティング理論としては参考までに、ということなのでしょうか。
ボランティア活動に参加したことがありますか?
・4割以上が「ボランティア経験がある」と回答-「震災を通じて目覚めた」など
・半数以上が「経験なし」-「時間」「金銭」など自分の生活に手一杯
・参加のきっかけは「町内会」「ボランティア団体」など、団体・組織への所属から
・人気のボランティアは「環境美化」「自然保護」-身近な話題とし気負いなく参加
・大雪に見舞われた今冬は「雪かきボランティア」を体験した人も
・「除雪」「被災地支援」「動物保護」など、自然災害・命に関わるサポートに高い関心
・「百聞は一見にしかず」、ボランティアから「新しい経験」「視野の広がり」を得る
・ボランティアの最高の副産物は「人との出会い」-年齢・キャリアの異なる新しい交流
ボランティア活動に参加したことがありますか?
アサヒグループホールディングスの調査。
「身近な話題とし気負いなく参加」できる、これはかなり本質的な部分かと思います。僕は、社会貢献は非日常ではなく、日常に組み込むべきだと提唱しています。
「参加しやすい社会貢献活動ではないと、参加しにくい」。当たり前がどんなに難しいかはこの5年くらいで身にしみております。社会的な意義を損なわず、参加のハードルをどれだけ下げられるか。
社会貢献を日常化することの意義を改めて実感しました。
他の社会貢献意識調査については以下の記事も参考にどうぞ。
▶NPOと市民の実態とは? 民間非営利団体と市民社会貢献についてのレポート2選
▶CSR・社会貢献活動における、意識と行動の差はなぜ生まれるのか
▶CSR・社会貢献関連の意識・動向調査まとめ19選[2013年版]
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ソーシャルセクターの方からみれば、比較的順当な調査結果だったのではないでしょうか。
CSVだとか、本業でCSRとか、意識高い系な方が多いこの業界ですが、本当に今回の調査のような「当たり前」を日常的に社内・社外問わず実践できているのでしょうか?
新年度になったばっかりだし、色々とCSR活動について再考してもよいかもしれませんね。