世界No.1エシカル

先日、世界でもっともエシカルな企業番付を発表している、エシスフィア・ワールド・モースト・エシカルカンパニー(WME)2012が発表されたので紹介と感想を。

36業種から145社選ばれており、ほとんどがアメリカの企業ではありますが、日本勢では、リコー・花王・資生堂・損保ジャパン・東京海上保険・日本郵船の7社が選出されてました。

このアワードでは、倫理に関する発言と行動が一致していることが評価のポイントとなるそうです。「発言と行動」の両方を見るというのはとても大切ですね。

例えば、CSRレポートはすばらしいのに、トップの不祥事(不祥事というか犯罪に近いものもありますけど)で一気にブランドが失墜というニュースも記憶に新しい所。

発言だけで実際の行動を伴わないのは、よろしくないです。CSRコミュニケーションも「発言」の部分が注目されがちですが、実は行動もとても重要。

コミュニケーションの主体となるCSRや活動そのものの価値がなければなりません。

元も子もない言い方だと、この手のランキングは世界中で増えておりまして、別の似たようなランキングでは登場しない企業などもあり、結局切り口次第でどうにでもなるんだよぁと思いつつ…。といっても話しが進まないので、次の話題へ。

参考:2013年はどうなる?上場企業のCSRコンテンツ設置率55%は高いか低いか

エシカルとCSR

エシカルとCSRのつながりを少し考えてみましょう。

エシカルとCSRは世間的には同義語として使われることも多いようです。僕はどちらにも共通点はありますが、そこまで同義語だとは考えていません。

例えば、消費材などを扱うものがエシカルと呼ばれ、BtoBビジネスやインフラ系の多くには、エシカルとは言わないことが多い。

その場合は、CSRとの表現が多い気もします。何か言葉遊びのようですが、倫理的な行動は企業活動・消費活動の前提であるべき。

そもそも倫理的ではない企業活動は許されるわけありません。このあたりの意味範疇の境界線はまだまだ議論の余地があると思います。

そもそもCSRもエシカルも「ビジネス」において当然行われるべきこと。それを、わざわざ「CSR」「エシカル」と言わなければならない、そこから後付けに言葉が使われるという事例も多数あります。

ですので記号の一人歩きと言いますか、「これって、何かエコだよね」のようなイメージだけが先行してしまうのかもしれません。

参考:かわいいCSRとコーズマーケティング!LUSHのエシカルプロジェクト「HAPPY SHARE PROGRAM」

エシカルな企業のCSR

さて、話しを本題に戻します。

実は、ここ数年、僕の中で疑問があるのです。

「エシカルな企業とは、“エシカル”という単語をよく使い、CSRな企業とは、“CSR”という単語をよく使っているのではないか」という疑問です。

言葉が認識を生み、認識が行動を生む。良くも悪くも、ブランドに感情を左右されているだけじゃないのか?と。

このあたりは、CSRコミュニケーションといいますか、ソーシャル・コミュニケーションにおいてとても重要なポイントであります。

そんな疑問を持ちつつ、受賞企業のコーポレートサイトを拝見させていただきましたが、エシカルという単語はほとんど出てきませんでした。

CSRという単語はかなり多くありました。うーん、なるほど。そうきましたか。ますます深みにはまっていきそうです。

僕の実感としましては、エコ・ロハス・オーガニックのようにマーケティング用語としての活用はエシカル。企業活動そのものについてはCSRという単語を使うイメージです。このあたりは今後とも深堀していきます。

まとめ

さて、今回も記事主張が曖昧ではありますが、結論としましては、「言葉に惑わされるな」ということです。

世界の何とかランキングに入ろうが、メディアで活動が取り上げられようが、地道に自分たちの信じた道を進むべきです。この記事をお読みの皆様には、“自分なりの定義”を持つことをお勧めします。

世界でもっとも倫理的(エシカル)な会社とは

※CSRジャーナル
より、修正・加筆をし掲載。