社会貢献マーケティングのあり方

今回の書評は「第四の消費」(三浦展)です。

先日書いた書評「マーケター必見! 全世代で69%いる“社会貢献消費”を願う人々とは」でも書いたのですが、去年・今年と、社会貢献消費(エシカル消費)についての話題が盛り上がってきています。

実際、僕もある程度は実感していますが、社会貢献消費がここまでポピュラリティがあるものとは考えておりませんでした。

さすがマーケティングの専門家が書く本だけあって、時代ごとの消費に関する背景と文脈が見事です。俗に言う、共感マーケティングとか共創マーケティングのヒントもあると思います。

81年生まれの僕としては80年代の消費はほとんど記憶にありません。若い世代こそ、読むべき本かもしれません。

消費動向5つのポイント

1、個人志向から社会志向へ、利己主義から利他主義へ
2、私有志向からシェア志向へ
3、ブランド志向からシンプル・カジュアル志向へ
4、欧米志向から日本志向へ
5、モノからヒトへ

本書の中で筆者は消費社会の価値観の変化を5つのポイントにまとめています。

この書籍は、社会貢献万歳!みたいな人が書いたものではないので、精神論では書かれておらず、エビデンスもしっかりしていて、資料性が非常に高いです。

もちろん、消費行動に関する話ですので、社会貢献やCSRはこうあるべきだという話題は少ないです。だからこそ、社会貢献消費の本質が見えやすいというのもあるでしょうね。

興味深い。非常に興味深い本です。マーケティングに関わる人で読んでない人は、必ず読んだほうがいいと思いますよ。新しい消費スタイルを描いた名著「スペンドシフト」と合わせて読むと良いでしょう。

社会貢献消費に関する記事
社会のためになる消費を追求した書籍「環境会議2013秋号」
マーケター必見! 全世代で69%いる“社会貢献消費”を願う人々とは
・“意識高い系”な消費者が急増中! CSR活動をポジティブと感じる95%の消費者とは
・企業と消費者をぐっと近くへーー企業のCSR体験を求めた5つの良事例
社会貢献的消費動向を学べる本ーー希望をもたらす消費「スペンドシフト」

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この消費動向というのは意外にやっかいで、データとしては正しいとしても、実感できない人も多い部分がありますよね。

僕も来年出版する予定の書籍のテーマは「社会貢献消費」とか「社会貢献的ワークスタイル」といったものをメインにする予定です。

そんな時に、参考文献として必ず入れる(引用したりとか含めて)本の中の一冊になるだろうなって感じました。

企画書作成時の、消費動向とかマーケティング・データのエビデンスに良いかもしれませんね。