未来を語るCSR的な本「新・資本主義宣言」

資本主義はその仕組みの中に資本主義がもたらす弊害を、
解消する仕組みを組み込んだものに進化しなければならない。

CSRは「社会からの要請に対応する」ことが重要なポイントですが、
まさに資本主義経済そのものも、世界からの要請に対応する必要があります。

本書「新・資本主義宣言」は、経済という大きな枠組みの中で、
新しい方向性を考察し解説する内容となっています。

CSRという企業単位のベクトルではなく、もう少しマクロな話ですが、
CSRにも活かせる考え方がたくさんありました。

ちょっとした読書メモですが、ご参考までにどうぞ。

社会貢献という幸福論

詳しくは以下の記事を参考にしてみて下さい。
幸福とCSRは相関する?心理の本質を捉える「幸福の戦略」
“幸福感”を感じよう!ライフスタイルにも活かせる、幸せを呼ぶCSRマーケティング良記事まとめ

本書のなかでも、経済的な側面から、人々の幸福とは何かを考察しています。

そもそも、幸せとは絶対的なものであるべきで、相対的なものではないと僕は思ってます。

例えば「承認」や「評価」など、他人にされることが幸福につながる、と本書にあります。
入りたいと思っていたコミュニティに参加(承認)できればうれしくなるし、
仕事の実績を上司に認められれば(評価)、やはりうれしくなり、幸福感を味わえますよね。

様々な幸福論の側面から経済的な動きを考察しており、
非常に興味深く読ませていただきました。

コラム

本書には、本章の他に、
著者と社会学者の古市憲寿氏をゲストとした討論を掲載しています。

これがなかなか面白いやりとりでした。

「社会の成熟について(価値観の変化)」
「貨幣システムについて(ボランタリー経済と時間軸の感覚)」など、
それぞれ著者のオピニオンではなく、思考を俯瞰した討論があり、
ここが一番心の中で「なるほどぉ」を言った場面だったりします(笑)

もちろん、コラムを含めて全体的なテーマの、
「新しい資本主義とは何か」を問う内容にはなっています。

欲を言えば、オピニオンだけではなく、事例も踏まえた、
「実際に何をしたらよいのか?」という質問の答えになるようなものの提示もあると、
よりビジネスパーソンとして活かせる知識になったかもしれません。

それはコンセプトが違うと思うので、なくてもいいのですが、
偉い先生たちのオピニオンだけではなかなか現実味がないというのも本音です。

で、僕みたいな、良くも悪くも知識欲の塊みたいな人には、
かなり興味深く読める本だったと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

実務レベルでCSRとは何かを学ぶことはできませんが、
経済全体の流れを知り、企業のあり方を学ぶには良い本でした。
やたら難しい概念は出てこないので、読みやすかったです。

そして、前述した書籍「SHIFT」内容とかなり重なっており、
もっと早くこの本に出会えてたら、丸パクリしたのにと感じました(もちろん冗談です)。

価値観が大きく変化している現代社会だからこそ、
そのシフトを知り、幸福な人生、幸福な企業経営を目指したいなぁ、
と思った今日この頃でございます。