エコブランディング

随分前に書籍自体は読んでいたのですが、改めて「エコブランディング」を読み直したので書評としてまとめます。

本書は、タイトルそのままで、「エコで企業ブランディング」をテーマに買いてあります。今となっては、概念自体は目新しいものではなくなっていますが、ちょうど3年前に書かれた本としては先進的だったのだと思います。

「エコブランディング」の類義語としては、「エコマーケティング」、「グリーンマーケティング」、「エコロジカルマーケティング」、「サスティナブルマーケティング」、というワードが挙げられます。

エコブランディング

本書では、3種類の読者を想定して書かれています。

1、エコには興味がないけど、金儲けには興味がある方
2、エコには興味はあるけど、金儲けには縁がない方
3、企業のCSR担当者
(冒頭ページより)

かなり実践的なエコブランドになるための方法論が書かれています。エコブランド経営の入門書的なポジションです。

いわゆるブランド論とは違い、信頼や、顧客を始めとするステークホルダーとの関わり方について、様々な視点から書かれています。

「お金持ちはなぜエコに走るのか」「エコマーケティングとは何か」「エコブランドとは何か」といったエコブランドの解説から、「事例研究」「現状分析」「ブランドの実践」といった、より実務的な話に進んでいきます。

エコブランディング

今っぽい言い方をすれば、CSV的な考え方を提示しています。

2010年なので、ポーター氏のCSV論はまだ世に広まっていなかった頃ですね。

マーケティング論についての話もありますが、入門書なので、ガチガチなCSR論調では書かれていません。事例も含めてさらっと読めると思います。

僕がこの本で学んだことは、残念ながら、内容そのものではなく、たった丸3年という月日で、CSRにまつわる世界の動きが随分変わったな、という時代の変化を感じたことでした。

時代は変わっていきます。大抵、ルールは時代に追いつくことはありません。時代の変化とともにCSR関連のルール作りも進み、CSRにおける概念・事例の発展があり、今に至ります。

CSRにおける世界は着実に変化しており、僕自身も最新情報や事例を含めもっとキャッチアップしないと、時代に置いていかれるなと、ひしひしと感じた書籍でした。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本書を丸パクリ(笑)して、CSR推進の企画書を作れば、かなり“それなり”のものになると思います。

後半では、ワークシートや穴埋めすれば、コンセプトが見えてくるような、ワークフレームを紹介していますし、「CSRの第一段階」の方には、実りのあるものになるでしょう!

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