ノマドと社畜とCSR
僕の中のテーマで、「CSRと従業員」というのがあります。
そして、出会うべくして出会ってしまった「ノマドと社畜」という本のメモをしておきます。
ちなみに、僕は現在フリーランスとして、ビジネスをさせていただいています。
仕事もプロジェクト単位なので、拠点(シェアオフィス)と自宅は東京都港区ですが、
原宿、新宿、渋谷などなど様々なクライアント先で業務をしてます。
学生とかサラリーマンとかの方に言われるわけですよ。
「自由に働けて羨ましいです!」って。
確かに自由を望んでこの“ノマドワーキング”スタイルとなってますが、
フリーランスは結果至上主義だし、
ミスったら基本仕事がなくなるというプレッシャーがあります。
申し訳ないけど、
スキルも実績(組織の実績じゃなくてね)もない人に羨まれても何とも言えません。
企業経営だって、フリーだってそんな簡単なもんじゃないっすよ。マジで。
さて、そんな僕の話しはさておき、ノマドの社畜の話しを。
社畜を飼っているというとブラック企業的な香りがしますが、
問題は企業ではなく、従業員にもあるという話しです…。
普段、CSR関連の本しか読まない人は、
こういう実践系ビジネス書も時々読むと、CSR活動のヒントが見えてくると思いますよん。
社畜から学ぶCSR
本書の内容は、日本企業の現状を的確に分析した超具体的サバイバルワーク論です。
起業を考えている人が読むジャンルの本ですが、
CSR担当者が読んでも非常に面白いと思います。
企業活動をするには従業員に動いてもらう必要があります。
そうなるともちろん、事務仕事も発生してきます。
多くの事務作業は少し勉強すれば誰でもできます。
少なくともそういう仕組みにはできます。
そうなってくると、従業員のスキルってどこで上げられるのでしょうか?
副業規定もあり、週末起業もさせないとなると、さらに酷いことになるでしょう。
例えば、「CSR 従業員」と検索して出てくる大企業のCSRコンテンツは、
“従業員の生き甲斐”をテーマにしていたりします。
生き甲斐とか、働きやすさとか大切ですが、
自社でしか通用しないスキルばかりではまさに“社畜”にまっしぐらです。
従業員全員が、キャリアアップしたくない、できるだけ仕事したくない、
という人たちなら、福利厚生を充実させれば納得感は出ると思いますが…。
そういった姿勢で企業価値って向上するんですかね?
本業とCSRを統合させるっていうけど、本業を行う従業員に関するCSRが無視されて、
本当に統合できるのでしょうか?
労働と自由
CSRには、ステークホルダーへの配慮という考え方もあります。
とくに従業員は一番身近なステークホルダーでもあり、
CSRの重要項目「人権」も従業員の労働と深く関わっています。
本書では、企業とノマドワーカーとの関わり方も書いてありますが、
従業員のノマドワーキングについて書いてあります。
“社畜”であるかどうかは別としても、
企業として従業員の働き方について再考する必要があると思ってます。
企業は従業員に媚を売る必要はないと思いますが、
従業員の教育やスキル向上にもっと関心を持つべきでしょう。
教育コストがかかるのがいやなら、副業規定を撤廃し、
従業員自らの学ぶ機会を作りましょうよ。
それが怖いなら、教育コストをかけて最強のチームを作りましょうよ。
「ノマドと社畜」論って結局、日本の場合はコミュニケーション不足から起こるのかもしれません。
まとめ
“ノマド”や“社畜”は、いまや流行語になりつつありますが、
それらの語が流行っている背景をもっと企業は理解すべきかもしれません。
ちなみに、社畜であることのメリットも本書で紹介されています。
日本のサラリーマンは楽でいいねぇ、って論調ですけど。
ノマドや社畜という語を通じて、CSR担当者が学ぶことはたくさんあると思います。
CSR担当者が社畜だった場合はどうすればいいのかだって?
んー、ブラックな御勤めご苦労様です。
この際、スーパー社畜を目指してみるのもいいかもしれませんね。
いや、ジョーダンですよ。はい。
参考記事
・人権CSRの論争?むしろ企業はブラックでもいいのかもという件
・逆CSRランキング?“ブラック企業”について再考できる厳選まとめ5選