CSR活動の戦略

先日、「ヤフーが目指すは、社会貢献2.0」という、
Yahoo!社のCSR事例の記事を読んで思ったことがあるので、まとめ。

ちなみに、コンプライアンス・ガバナンスの領域は差別化ではなく、
ルールをいかに忠実に守るかなどがポイントなるので、ここでは触れません。

CSR活動の戦略立案における、
インパクトとオリジナリティの差を考えるポイントを3つにまとめましたので、
ご紹介いたします。

CSR活動のインパクトとオリジナリティ

1、オリジナリティの裏返し

オリジナリティ。つまり、“自社だけ”やっているコト。

「横並びのCSR活動はやめましょう!」ということは良く見聞きします。
でも、これって本質的に良いことなのでしょうか?

350万社ある企業群の中で差別化戦略を含め、
同業他社と違うことをするというのは、至極当然であります。

しかしながら、インパクト、社会への影響力・実績を考えると、
一社で行うCSR活動より、複数社で一緒に取り組むCSR活動のほうがインパクトはでかい。

よくあるパターンが、業界団体の行う社会性の高い活動に加わる、
NPOが行うキャンペーンに賛同する、社会性の高いイベントに出展する、などなど。

上記の例でいえば、オリジナリティが高いCSR活動とは言えません。
しかし、インパクトは複数社がまとまる分大きくなります。

さてさて、企業ははたしてどのようなCSR戦略をとるべきなのか…。
ちなみに、Yahoo!では、「マネされる仕組み」を作る、
つまり、インパクトを重視した戦略を取っているようです。

でも単体のプロジェクトでは、オリジナリティを追求した、
「ヤフーだからこそ、を続ける」ともしています。

参照:東日本大震災 復興支援 – 震災復興への貢献|Yahoo!JAPAN

2、CSR活動のフォーカス・ポイント

CSR活動で、フォーカスすべき点は、オリジナリティなのかインパクトなのか。

情熱溢れる、起業家であれば、「両方」と考えると思います。
実際両方の条件を満たすことも可能だとは思います。

これはCSR活動のKPI(重要指標)をどこに置くかで決まります。
このポイントは、CSRコンサルティングでとても重要な指標となります。

CSR関係者・担当者の方が悩んでおられるのは、
効果測定方法だったりするのですが、
SROIの評価方法を参考にするのが一つのポイントです。

ただ、しっかり効果測定をするとなると、
第三者機関を使う必要があり、費用も結構するので、
すぐにはできないという声もチラホラお聞きする所であります。

参照:ここテストにでますよ!SROI(社会的投資収益率)を理解するための3つのポイント

3、ブランド

やはり皆さん、活動の継続性については苦労なさっているようです。利益が減ると真っ先に予算が減らされるとか、社会貢献活動とブランド価値の関係性について一生懸命説明しなければいけない、といった話をよく聞きます。
(ヤフーが目指すは「社会貢献2.0」より)

僕もこれは良く聞きますね。
しかしながら、企業活動において、赤字部門は常に見直されるのは当然であり、
CSR活動も何かしらの結果につなげる努力は常に必要だと思います。

CSRブランディングの話しは以下の参照記事を読んでもらうとして、
CSRがいかにブランド価値にプラスになるか、考え、実行する必要があります。

そうなると、
インパクトにフォーカスしたほうが、ブランドの必然性も高まるとか、
オリジナリティにフォーカスし、対外的なアピールの強化を計るとか、
双方にあるメリット・デメリットも加味して戦略を立てることとなります。

参照:オピニオンを総まとめ!CSRブランディングを学ぶ事例・記事10選

まとめ

いかがでしたでしょうか。

結局言いたいことは、マーケティングに偏りすぎたCSR戦略は、
インパクトを阻害する可能性があるということです。

僕がファウンダーとして関わる企業では、小規模事業者なので、
まずは、オリジナリティの追求から始めています。

しかし、これがまた、予算も時間もなく、
お恥ずかしながら、歩みは亀のごとくでございます。
CSR活動の現場にはキレイごとなどない場合も多いのですよね…。

とまぁ、色々な事例はありますが、
「で、俺らはどうしたらいいのよ?」という企業の方には、
アドバイス・コンサルティングをさせていただくこととなります。

まずは、自分で振り返ってみて、自社のベクトルを確認してみて下さい。
CSR活動の、Aは「インパクト重視」、Bは「オリジナリティ重視」などなど。

世界の矛盾をどれだけ解決できるか。
それはあなたの動き次第といったところです。