世界を本気で変えにいく「Google Giving」

今回はGoogleのCSRサイトの紹介。

Google のグローバル インパクト アワードでは、人類が抱えるさまざまな難題をテクノロジーや革新性で解決しようとする組織を支援します。Google では、優れたアイデアを試すプロジェクトと不可能をものともしないすばらしいチームを抱え、機知に富み、起業家精神にあふれた組織をさがしています。そして、今回の第 1 回目のアワードでは、清潔な水の量を監視するセンサーや、野生生物の密猟を防止するための DNA バーコードなど、世界の難題に取り組む 7 つの組織に 2,300 万ドルを提供します。
(Webサイトより)

上記が、Google Givingのコンテンツの一つ、「グローバル インパクト アワード」の概要です。まずはその受賞団体の紹介を。

もはやGoogleにはCSRという言葉存在しないのかもしれません。それは、日本企業の多くが行う、“何かいいこと”への取組みとは一線を画すからです。あのシンプルなトップページ(いわゆる検索ページ)で紹介するくらい、力を入れています。

追記:2015年3月
GoogleのCSR・社会貢献は女性活躍支援!? 「 HappyBackToWork 」

アワード受賞者:世界の難題に取り組む7つの組織

charity:water
テクノロジーを活用して給水所を監視し、より多くの人に浄水を供給し、社会セクターの透明性を向上させます。

Consortium for the Barcode of Life
DNA バーコード テクノロジーを使って、絶滅の危機にある野生動物を識別し、密猟、違法な売買や国際取引を阻止します。

DonorsChoose.org
マイノリティーの生徒に高度な数学や科学の授業を提供できる優秀な先生に資金を提供します。

Equal Opportunity Schools
データを使ってマイノリティーの成績優良な生徒を特定し、その生徒を高度な科学、技術、工学、数学のコースに移します。

Geena Davis Institute on Gender in Media
音声と画像の認識テクノロジーを開発し、画面上での性的格差を調査し、世界中の子供向けメディアやエンターテイメントでバランスをとるよう働きかけます。

Give Directly
モバイル テクノロジーを利用すると、高額な仲介を経ずに、貧困層に直接送金して、各自の目的に役立てる支援ができるようになります。

World Wildlife Fund
新しいテクノロジーを使って密猟に阻止する取り組みを進め、ゾウ、サイ、トラなどの絶滅の危機にある野生動物を保護します。

今までなかった方法を、見つけ、実施し、結果を出していく。3年前までできなかったことも現代テクノロジーを用いれば、解決できる社会的課題もあるかもしれない。今回受賞した世界の7つの団体の動向に注目ですね。

GoogleのCSR

あと、Google Givingのサイトには、非営利組織向けのプログラムや、Googleの社員の取組みなども掲載してます。いわゆる、CSRコンテンツサイトとなっています。

いやー、知らない活動も結構してるんですね。もちろん、日本企業みたいにエコしてますとかは言ってないです。

環境活動は重要ですが、“らしさ”はないので、コンテンツとしては弱いですもんね。CSRコンテンツでアワードをする。

アワードがCSR活動の一環ってあまりないですよね。金額が大きいというのもありますが、なんか根本が違うと思うのです。

つまりね、「CSRでイノベーションを!」って人がいるけど、ソーシャルイノベーションは“自分たち”でする必要がないかも、と。

ソーシャルイノベーションを起こす可能性がある人たちに投資する。Googleが直接手を動かさなくても社会にイノベーションが起きれば、トータルで言えば、ソーシャルイノベーションは“起きた”と換算される。

ただの寄付じゃんというなかれ。申し訳ないが、大手NGOに寄付して活動費に使ってもらうとは違う。その類いの寄付ではイノベーションは起きにくいのだ。

そうでしょ。人件費に出資してもねぇ。プロジェクトに出資しても人件費に使われる部分もあるでしょう。でも、やっぱり違う。テクノロジーという本業の領域内だからというのもあるのかな。

とまぁ、そんなことを思ったのでありました。寄付も投資だからね。ちなみに、イノベーティブなプロジェクトを応援すること。これって、自社がイノベーティブですよってブランディングにもなると思うんだ。テクノロジー企業にとって、イノベーティブであることはめっちゃ重要じゃん。

CSRで支援してたけど、何かいいからって、将来M&Aしちゃったりして(笑)

まとめ

世界に存在する社会的課題。その解決は政治的なものも含めて簡単にはできません。だからこそ、イノベーティブなアイディアと実行力が必要。だからこそ、Googleの活動は価値があるのでは、と。今回のアワードをそう思いました。

Google JAPANは東日本大震災の被災地、東北エリアの復興情報のアーカイブにも積極的です。

未来へのキオク
震災遺構デジタルアーカイブプロジェクト

など。もはやCSRという言葉では括れない、被災地の情報をアーカイブするという活動。

今後、何年、何十年とそのデータは残り続けるでしょう。そして、日本や世界の東日本大震災の当時の情報にアクセスできるのです。東日本大震災からもうじき丸2年となります。僕の近い親戚も被災してます。人ごとではありません。

この大惨事は、忘れないようにしたい、という人は多いと思います。しかし、人間は“忘れる”生き物です。いつかその感情は、多くの人から忘れられます。

だからこそ、このGoogleの活動には意義があると考えてます。そして、Googleだからできること(他社はマネしにくい)でもある。「忘れない」ということを忘れない為にも、こういった活動は非常に有意義。社会と情報という価値共有を計るこれらのGoogleの活動。はやりの言葉で言えば、これこそ、CSVなのでしょうね。

あなたの会社はどんな、社会との価値共有を計ってますか?

[Google Giving]

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