
最新刊『サステナビリティ戦略の実装』
私、安藤光展の4年ぶり5冊目となる著書『サステナビリティ戦略の実装: 組織行動を促す社内浸透の設計学』(千倉書房、共著)が先週5日に発売されましたのでお知らせします。現在、大手書店とECサイトで販売しています。
■北田皓嗣,安藤光展『サステナビリティ戦略の実装:組織行動を促す社内浸透の設計学』
>千倉書房:書籍ページ
書籍概要
本書は、トヨタ、ソニー、丸井グループ、スターバックス コーヒー ジャパン、KDDI など50社以上へのインタビューと、200社超が参加する研究会での継続的な対話・調査をもとに、サステナビリティを「社内に浸透させ行動につなげる仕組み」を体系的に整理した実践書です。サステナビリティを「きれいな理念」で終わらせず、現場の判断と行動を変え、戦略として実装したいすべての実務家向けの書籍にしました。
本書のキーワードは、「考える力」「解像度」「移行プロセスのデザイン」です。サステナビリティを「誰かの仕事」から「組織の意思決定」へと変えていくために、理解・共感・行動を直線的に捉えない設計、KPIや制度を「やらされ仕事」にしないための視点、経営層・執行層・現場それぞれに異なる役割と関与のあり方を、具体的な企業事例とともに丁寧に描いています。
社内浸透の答えは見つかった
構想から丸3年。私としては、本当に色々あっての書籍で思い入れのあるものとなりました。
それこそ「サステナビリティにおける社内浸透」という課題は、すべての企業の課題と言ってもいいくらい“あるあるな課題”なわけですが、実はそこまで丁寧に研究されてきたテーマではありませんでした。サステナビリティ・コンサルタントは好き勝手に「これこそが社内浸透だ」といって、企画からコンテンツ作りまで行うわけですが、ほぼすべての企業で中長期の成果にはつながっていません。
私は現場で事業会社様を支援させていただく立場の人間ではありますが、恥ずかしながら「なぜわからないのかがわからない」という一番問題なカテゴリの一つがこの社内浸透でした。ですので、共同執筆者で共同研究者の法政大学・北田先生と、社内浸透に関する研究をして書籍をアウトプットにしよう、と食事をさせていただきながら話をした、あの時のワクワク感は今でも覚えています。2023年4月ころだったかと思います。
ただ、今回の調査で、日本企業の社内浸透の課題解決となるベースの考え方と実践方法を示せました。サステナビリティの社内浸透、というテーマは難しい話ではあるものの、答えの一つは我々で見つけ出しました。我々の研究成果がすべてとはいいませんが、正しいか正しくないかではなく、無駄な議論はやめて一旦我々の答えを参考にしていただきたいと思います。それでいうとサス担(事業会社のサステナビリティ推進担当者)よりもサステナビリティ・コンサルタントに読んで欲しいかもしれません。
現状、私は日本で「サステナビリティにおける社内浸透」というテーマで最も詳しい人間の一人であることは間違いないですが、当然すべての課題を解決できているわけではありませんので、ここから書籍のタイトルの通り「サステナビリティ戦略の実装」をするために、今後も研究活動を進め、その成果をコンサルティングという形で事業会社様に還元していきます。
社内浸透に課題を抱えている企業担当者の方には、どこぞのコンサルや研修会社(コンテンツ会社)に相談する前に、まずは本書を読んでいただきたいです。当然、当社もそうで、当社に数十万〜数百万円のコンサルティングのご相談をいただく前に、まずはこの数千円の本を読んでいただき“答え”の一つを理解してから動いていただきたいです。
というわけで何十年も言われて続けた社内浸透の議論は一旦ここで終わりです。実務家でも研究者でも、本書を踏み台にして早く次のステージに行っていただきたいと本気で思っています。私は、この3年間の研究活動を通じて、社内浸透とは「目的達成のために従業員を巻き込む組織変革プロセス」であり「戦略の実効性を高めるための情報伝達プロセス」であると気づきました。
サステナビリティの社内浸透を研究していたら「サステナビリティ戦略の実装」に突き当たり、そのまま本書のタイトルとしました。ぜひ手に取っていただき課題解決のヒントとしていただければ幸いです!
2026年度の研究会会員募集
ここからはお知らせです。書籍のベースとなっている研究会「サステナビリティにおける社内浸透研究会」では、第3期(2026年4月〜)の会員を募集しています。
以下の企業担当者や研究者の方を募集しておりますので、ご興味がある方はぜひ該当ページよりお申し込みください。会員は、上場企業を中心とした企業のサステナビリティ推進担当者のみで、230名以上参加しており、本テーマおよび類似テーマ含め国内最大規模の研究会となっています。「サステナビリティにおける社内浸透研究会」は、2024年より法政大学イノベーション・マネジメント研究センターにて立ち上げた、サステナビリティにおける社内浸透・行動変容・インターナルコミュニケーションなどをテーマにした、企業担当者参加型の研究会です。
◯参加対象者
・企業のサステナビリティ推進担当者(専任、兼任問わず)
・企業の社内浸透施策に関わる担当者(経営企画、広報、人事、総務など)
・サステナビリティ経営に関心がある研究者(大学教員、関連学会の学会員など)