東洋経済CSR企業ランキング

CSR企業ランキング2023

本日2月13日発売となった雑誌『週刊東洋経済 2023年2/18号』で、東洋経済新報社の最新版CSR企業ランキングが発表されたので共有します。

「CSR企業ランキング」とは、東洋経済新報社が2007年から行っている、1,600社以上の「CSR企業調査」のデータを元に財務・非財務の両面を評価した、国内最大規模のCSR/ESG/SDGs/サステナビリティ総合評価企業ランキングです。

この東洋経済の調査データはいくつかのESG評価機関/データプロバイダ等でも活用されているようです。もちろん、私もこれらのデータを元に色々と企業研究をしています。最近では関連書籍が多くの大学に置かれていることも増えているようで、学生の企業分析などでも活用されているみたいですね。

雑誌では詳しいランキングが載ってますので詳細を確認したい方はそちらでどうぞ。

追記:2023年8月17日
東洋経済ウェブサイトで公開されました
>>信頼される「CSR企業ランキング」トップ500社

CSR企業ランキング2023・トップ30

1.富士フイルムHD(前回順位:5位)
2.日本電信電話(1)
3.中外製薬(6)
4.NTTドコモ(2)
5.積水ハウス(12)
6.三井物産(4)
7.花王(10)
8.KDDI(3)
9.NTTデータ(62)
10.JT(7)
11.キヤノン(39)
12.デンソー(19)
13.ダイキン工業(14)
14.NEC(15)
15.大和ハウス工業(26)
16.コマツ(18)
17.村田製作所(23)
18.セイコーエプソン(32)
19.NTT東日本(13)
20.サントリーHD(8)
21.クボタ(25)
22.東レ(16)
23.セブン&アイHD(11)
23.富士通(23)
25.旭化成(20)
26.伊藤忠商事(22)
27.信越科学工業(29)
28.アサヒグループHD(28)
29.東京エレクトロン(38)
30.アイシン(17)

掲載誌


週刊東洋経済 2023年2/18号

■目次
【第2特集】信頼される会社CSR企業ランキング2023年版

■総合ランキング300
■部門別上位企業
 人材活用/環境/企業統治+社会性/CSR合計/財務
■金融機関 上位30社
■総合ポイント上昇率 上位7社
■未上場企業 上位10社

ESG推進の流れは変わっていないが…
負担増が続く環境取り組み

参考:CSR企業ランキング2022・トップ30

1. 日本電信電話(前回順位:2位)
2. NTTドコモ(6)
3. KDDI(1)
4. 三井物産(64)
5. 富士フイルムHD(3)
6. 中外製薬(25)
7. JT(4)
8. サントリーHD(7)
9. トヨタ自動車(9)
10. 花王(5)
11. セブン&アイHD(12)
12. 積水ハウス(20)
13. NTT東日本(ー)
14. ダイキン工業(15)
15. NEC(27)
16. 東レ(14)
17. アイシン(16)
18. コマツ(12)
19. デンソー(23)
20. 旭化成(17)
21. 第一三共(23)
22. 伊藤忠商事(37)
23. 富士通(32)
23. 村田製作所(40)
25. クボタ(17)
26. 大和ハウス工業(8)
27. 東芝(36)
28. アサヒグループHD(33)
29. オムロン(19)
29. 信越化学工業(34)

参考:過去CSR企業ランキング詳細

東洋経済CSR企業ランキング2022
東洋経済CSR企業ランキング2021
東洋経済CSR企業ランキング2020
東洋経済CSR企業ランキング2019
東洋経済CSR企業ランキング2018
東洋経済CSR企業ランキング2017
東洋経済CSR企業ランキング2016
東洋経済CSR企業ランキング2015
東洋経済CSR企業ランキング2014
東洋経済CSR企業ランキング2013
東洋経済CSR企業ランキング2012
東洋経済CSR企業ランキング2011
※「東洋経済オンライン」の該当ページに飛びます※

所感

今年の1位は富士フイルムHDでした。2位は日本電信電話、3位は中外製薬。トップ30では、31位以下からのランクインは、NTTデータ(昨年62位)、キヤノン(昨年39位)、セイコーエプソン(昨年32位)、東京エレクトロン(昨年38位)、でした。今年も大きな変化はなく、30位台の中でランクが変動した形でした。NTTデータは昨年62位からのランクアップでトップ10入り。強豪ひしめく上位の中でこれだけランクアップするのは珍しいですね。素晴らしいことだと思います。

昨年100位未満の企業で、今年100位以内にランクアップした企業は「11社」でした。ちなみに100位未満の企業はランクインしてもほとんどが80〜90位台であり、上位企業の壁の厚さを感じます。今年もなかなかの難易度ですね。大幅なランクアップしたトップ100企業は「NTTデータ(62位→9位)」「日本郵政(118位→38位)」「AGC(131位→72位)」「日本ガイシ(120位→84位)」「大塚HD(127位→93位)」「中部電力(135位→95位)」あたりです。逆に大幅にランクダウンした企業もいくつかあります。なぜこんな落ち方をしたのか気になるレベルの有名企業もありました。

東洋経済の調査は、評価の半分が財務面なので、財務面が弱い企業はどんなにESGスコアが高くても上位にはいけません。そのため中小上場企業が上位にいくのはほぼ不可能なのですが、毎年4月ごろに発売されている、東洋経済新報社「CSR企業白書」ではESGのみに特化したランキングもあるので、こちらでは中小企業でも上位にランクインしている企業もあります。ESG側面だけのランキングを見たい方は、こちらの書籍をチェックするとよいでしょう。

2023年4月より、サステナビリティ情報の一部開示義務化が始まり、より多くの企業がESG情報開示の見直しを始めます。この動向をきっかけとして、本調査の回答社数も増えるだろうし、少なくとも経営陣には認知されるようになるでしょう。調査回答にはリソースが必要であり、すべてのESG調査への対応はできませんが、調査票形式のESG評価である程度の評価を得るには、取捨選択して重点的に対応する調査を決める必要があります。これはとても重要なことなので、まだ社内で議論が進んでいないところは早急にしましょう。

まとめ

東洋経済CSR企業ランキングは、日経SDGs経営格付(日経SDGs経営調査)と合わせて、規模としては国内ESG評価の2トップとなっています。完全にグローバルに向いている企業担当者でも、そこまで意識していないといいながら必ず回答しているし、研究機関(大学の先生)や投資家・評価機関の一部はここのデータを使っているそうなので、回答できるのであればしたほうがいいかなとは思います。

一番の使い方は「トレンドの把握」ですね。東洋経済も日経も、サステナビリティ・トレンドを意識して、毎年新しい項目を追加しています。ですので、これらの新規回答項目をみてトレンドを学ぶという方法です。私も毎年、色々分析して学びを得ています。ちなみに東洋経済新報社では、他にも「ESGランキング」「SDGsランキング」などのサステナビリティ関連ランキングおよび格付けもやっています。ご興味がある方はCSR企業白書を参考にしてみてください。

こういう評価数字が開示されているランキングは見ているだけでも楽しいので、実際の回答を含めて時間をかけて分析をしていきたいと思います!

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