SDGs

SDGs関連調査

SDGsの書籍を執筆するのに、今まで以上に情報収集していたら、かなりの民間調査を見つけたので、本記事でまとめてシェアします。

SDGsは、ビジネス文脈でいえば、ランキング、企業経営、経営戦略、取り組み(事例)あたりの情報がメインで、あらゆるビジネスジャンルのメディアが「SDGsとは何か」みたいなタイトルでSEOを記事を作った結果、検索能力が高い人じゃないと、SDGs関連の欲しい情報に辿り着けないというくらいは、情報が氾濫しております。

しかし、民間調査の調査としている私としては、流行に乗らずに、地道にエビデンスを積み上げては確認するという作業をしております。そんな中でもユニークな調査を紹介しますので、企画書や最新動向などを確認してみてください。

SDGs関連調査

Gracia

・約9割は「SDGsやサステナビリティへの意識がある」ことが「企業や商品に対するポジティブなイメージへ繋がる」と回答
・言葉を「知っている」層の約9割が取り組みに前向きなイメージを持つ一方、言葉を「知らない」層の約6割は言葉に触れる機会がない
ギフトEC「TANP」、会員向けにSDGs・サステナビリティに関する意識調査を実施

学情

・SDGsに取り組む企業に「好感が持てる」と回答した学生が、9割に迫る
・企業が取り組んでいると好感が持てるテーマは「ジェンダーの平等を実現しよう」が最多
半数超の学生が、普段の生活で「SDGs」を意識。「買いたい製品の金額が同じくらいなら、より環境に配慮した製品を選ぶ」の声/2024年卒対象アンケート

エン・ジャパン

・65%が「転職先を選ぶうえで企業のSDGsに対する姿勢や取り組みを重視する」と回答
・企業のSDGsに対する姿勢や取り組みを重視する理由、トップ3は「企業もSDGsへ取り組むべきだから」「はたらく環境へ影響がありそう」「企業の将来性を判断できる」
3,000人に聞く「SDGs」意識調査 ―『エン転職』『AMBI』『ミドルの転職』ユーザーアンケート―

NTTコム オンライン

・実際にSDGsを意識した消費の経験があるのは約3割
・SDGsを意識した消費における主な購入品目は「食料品」「日用品等」「衣料品」「電力」等が多い
『SDGs消費』に関する調査結果~SDGsを意識した消費経験は約3割、価格負担は3割増までが限度~

電通

・ SDGsを認知している人のなかで、実践意欲が高い層は36.9%。この層へ訴求するには、具体的な事実やSDGsとの関連を示す情報を提供し、理解・共感を獲得することが必要で、メディアでの話題性とともに第三者評価の重要性も明らかになった。
・生活者は、積極的にSDGsに取り組む企業に好印象を持つだけでなく、その企業が提供する商品やサービスへの利用意向も高まることが示唆された。
電通、第5回「SDGsに関する生活者調査」を実施

FUMIKODA

・「エシカルな行動」を実行している人はほぼ横ばい
・「エシカルな行動」の内容は、エコバッグ持参のほかは低迷
【エシカルファッション意識調査】SDGs、サスティナブルの認知度が高まるも、行動には結びつかず

アメリカン・エキスプレス

「持続可能な製品の購入を思いとどまらせるものは何ですか?」という問いに対しては、7か国すべてで「持続可能な製品は他製品よりも価格が高い」(61%)が1位となる中、米国、オーストラリア、インド、英国、メキシコ、カナダでは「持続可能な製品は簡単に手に入らない」(36%)が2位となったのに対し、日本では「持続可能な製品についての十分な情報が無い、知らないから」(29%)との回答が次いで多くなっており、日本人が行動を起こすには、まず自身で情報を得、知る、ということが重要であることがわかりました。
アメリカン・エキスプレス、アースデーに合わせSDGs消費に対する意識調査を世界7か国で実施

VISITS Technologies

総合ランキングトップはトヨタ自動車、2位はパナソニック、3位は凸版印刷が並びました。一般消費者向けサービス企業だけではなく、法人向け企業もランクインしていることから採用シーンを含め企業ブランディングとしてSDGsに注力しているイメージが浸透していることが伺えます。
「SDGs人気企業ランキング」Z世代の学生たちが選ぶ、これからの未来を担う企業ランキングを発表-サステナブルな社会の実現に向けて-

ソーシャルアクションカンパニー

「企業がSDGsの取り組みを行っていることを何で知ることが多いですか?(複数回答可)」と質問したところ、『テレビCM(59.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『ネットニュース(38.9%)』『企業サイト(20.5%)』と続きました。
【SDGsに関する調査】7割の方がSDGsに取り組む企業は好印象と回答!

アスマーク

【日本】SDGsの名称は広く認知されているが、具体的な行動には関心が低く、企業イメージ・購買行動への影響は小さい
日本・アメリカ・中国のSDGsに関する意識比較調査

ワークポート

SDGsの推進に力を入れている企業に転職したいか聞いたところ、「とても思う」が27.2%、「やや思う」が46.9%と、転職したい人が74.1%と、「あまり思わない」(17.2%)、「まったく思わない」(8.8%)を圧倒しました。
SDGsの認知度は77.5%に及ぶが 具体的な取り組みを実施する企業は29.4% 転職希望者にとってSDGs推進企業は好印象で74.1%が転職したいと回答

エヌエヌ生命保険

・取り組んでいる・取り組む予定の施策は「環境に関する施策」が最も多く 48.8%。取り組んで得られたメリットは「従業員のモチベーション向上」(41.0%)が最も多い
・中小企業が SDGs に関する施策に取り組んでいない理由は「何をしていいかわからないから」が約半数(46.7%)。次いで、「取り組むメリットがわからないから」(32.1%)
全国の中小企業におけるSDGsへの取り組みに関する調査

テテマーチ

・『SDGs』に対する関心度は年々上がり、ハッシュタグを使用した投稿の数は前年比約197%、生活者からのいいねやコメント、保存といったエンゲージメントの合計総数(生活者が投稿に対して関心を示した数)は、前年比約222%と2020年の2倍となりました。
・『サスティナブル』に関するハッシュタグは計11個あり、ハッシュタグを使用した投稿の数は3,000以上、生活者からのいいねやコメント、保存といったエンゲージメントの合計総数は8,000,000以上と非常に注目度が高いキーワードとなりました。これは前年比で、投稿件数は約167%、エンゲージメント総数は約238%です。
2021年企業のInstagram活用動向調査 『SDGs』『サスティナブル』関連の投稿が増加し、生活者も反応

Indeed Japan

・2021年注目キーワード1「SDGs」:この1年で「SDGs」を含む求人掲載数は4倍以上、検索数は2.5倍以上に
今年の求人・求職動向を有識者と検索データから紐解く 「今年のしごとキートレンド2021」をIndeed Japanが発表 選出された4ワードは『SDGs』『SaaS』『在宅勤務』『Web面接』

ソーシャルプロダクツ普及推進協会

ソーシャルプロダクツの購入経験者にその理由を質問したところ、「人や地球にやさしい取り組みに共感できるから」(47.8%)が最多で、「社会的課題の解決につながると思うから」(34.3%)が次点でした。さらに「取り組みが誠実に行われていると思うから」(23.5%)、「消費者としての責任だと思うから」(20.5%)が続くという結果になりました。
SDGsの浸透と共に、ソーシャルプロダクツが拡大  「生活者の社会的意識や行動を探るためのアンケート調査」の 結果を公開!

​CCCマーケティング

企業のSDGs活動への取組には、約7割が好感。一方、企業活動の見え難さもほぼ同数が感じている。しかし一方では、自身が購入する際の価格転換には消極的なことがわかります。
【社会や自然環境に関する調査】企業のSDGs活動は約7割が好印象、また同数が活動の見え難さを訴える

インテージ

認知は広がっているものの、生活者はSDGsを前向きに受けとめているのでしょうか。SDGsに対する気持ち・態度として共感するかどうかを聞いたところ、全体では「共感する」と「どちらとも言えない/分からない/関心がない」が拮抗していました。
SDGs認知率は8割、2年間で約3倍に

BIGLOBE

「世のため人のためになることをしたい」59.5%、「SDGsソーシャルグッドに取り組む企業に好感を持つ」55%、「SDGsに配慮した商品を買いたいと思う」53.7%と、5割超がSDGsを行動の基準にしたいと考えていることが明らかとなった。
「多様性は大切だと思う」 8割、「人と競争するのが苦手」7割BIGLOBEが「Z世代の意識調査」第1弾(価値観・行動編)を発表~「SDGsに配慮した商品を買いたいと思う」5割超~

IDEATECH

・就職先の選社軸、「SDGsに対する姿勢や取り組み」は24.5%
・「将来性のある企業だと判断できる」が45.5%、「コロナ禍で持続可能なビジネスモデルの必要性を実感したから」と「企業の社会的役割を重視したい」と「企業イメージが良く、親しみが持てる」が同率で44.8%という回答となりました。
【就活解禁間近!】23卒就活生の73.1%が「SDGs」について認知、「企業選びで重視」は22卒より7.2ポイントUP

日本女子大学

「企業選びの際に企業のSDGs活動を意識するか」については、65.3%の学生が企業のSDGs活動を意識すると回答。その理由は、「多様な価値観を認めていそう(46.4%)」「企業イメージが良い(33.5%)」「女性が働きやすそう(29.5%)」「企業の社会的役割を重視する(29.5%)」という声が上位にあがった。
日本女子大学、6割以上の学生が「企業のSDGs活動を意識する」と回答

まとめ

SDGsの認知度が2020年以降で上がってきてるのは統計を見ればわかるのですが、結局、それによって個人・企業がどれだけ行動を変えられたかというと、それほどでもないのかなと。

この10年くらいサステナブル消費(エシカル消費)の調査を追っているけど、SDGsだなんだといっても、もう行動する人は決まってきていて、数字がほとんど伸びてない様子。また、エシカル消費をする理由よりも、エシカル消費をしない理由が真な気もする。どの調査もトップは「既存商品より高い」ですね。私も価格で断念せざるをえない商品はめちゃくちゃ多い。

SDGsなどサステナビリティ推進が、特に若者や就活生への影響は大きそうなのはわかったのですが、界隈の方がいうほどは盛り上がっていないのでは、とも感じる調査でした。気になった調査があれば、リンク先の元レポートを確認してください。新しい視点が得られることを期待しています!

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