SDGs調査

SDGsの意識調査結果

2021年の流行語大賞にノミネートされた「SDGs」。結局、大賞にもトップ10にも入らなかったわけですが、2015年に発表されてから、6年で流行語に選出とはなかなか素晴らしいことだと思います。我々からすれば今更感はあるものの、たしかに2020〜2021年のメディアでのSDGsの取り上げられ方はすごかったので、そこは納得できます。

さて、そんな中で当ブログで定期開催中の、SDGs関連調査まとめを記事にしました。生活者のSDGs意識調査がメインですが、リクルーティングの話や、ほかの視点もあるので多くの方に参考になると思います。2021年現在のSDGsの動向を今一度確認しておきましょう!(なお調査自体の品質はピンキリとなっています)

SDGsの国内意識調査や関連レポート

イー・ラーニング研究所

・「子どもがSDGsを学ぶべきだと思いますか」という問では、9割以上が「はい」と回答し、子どもにSDGsについて積極的に学んでほしいと思っていることがわかりました。
・「どこで子どもにSDGsについて学んでほしいと思いますか」という問では、8割以上が「学校」と回答し、SDGsについて学校で学んでほしいと希望する声が多いことが明らかになりました。
子どもがいる親世代に聞いた「2021年 子どものSDGsに関する意識調査」9割以上が子どもにSDGsを学ばせることを希望!

アイ・エヌ・ジー

SDGsを知っている?
1位 なんとなく知っている 38.0%
2位 よく知ってる 30.0%
3位 聞いたことがある 18.0%
4位 知らない 14.0%
【高校生のSDGsに関する認知・行動調査2021を発表】

栄光

・保護者の多くがSDGsを「持続可能でより良い世界を目指す国際目標」であると認識
・保護者の8割以上がSDGsに「関心あり」 特に「気候変動」への関心が高い
・子どものSDGs認知度は8割超 きっかけは「学校の授業」や「ニュースを見た」
「SDGsに関心をもってほしい」保護者の95% 子どものSDGs認知度は8割以上、きっかけは「学校の授業」「ニュース」

Indeed Japan

・サステナビリティに関する仕事掲載数、「SDGs」は5年間で700倍以上の増加
・サステナビリティに関する仕事検索数、「サステナビリティ」「SDGs」が2019年から急増
Indeed Japan、サステナビリティに関する仕事調査を実施 直近5年間で「SDGs」を含む仕事掲載数は700倍以上に 「ダイバーシティ」は安定的な推移

DISCO

・SDGsを知ったきっかけは 、「学校の授業」が4割超で最多。「テレビ・新聞・雑誌等」、「就職活動・インターンシップ」が続く。
・就職活動中に企業のSDGsの取り組みに関して「よく見聞きした」という学生が3割強。「ある程度見聞きした」を合わせて8割強が見聞きしたと回答した(計 85.6%)。
4割強の就活生が「企業のSDGsへの取り組みが就職志望度に影響する」と回答

UZUZ

・第二新卒(在職者)の2人に1人がSDGsの内容をある程度(詳しく)理解している一方で、「転職活動での志望度に影響する」との回答は約3割
・既卒・第二新卒の6割以上が「就職活動において、企業のSDGsの取り組みは(あまり・全く)影響がない」と回答
・第二新卒・既卒が考える持続可能な働き方とは「ワークライフバランスを保ちながら主体的に業務に取り組み、状況に合わせて働き方を変えられる」働き方
UZUZ若者キャリアレポート<2021秋>既卒・第二新卒の6割以上は「企業のSDGsの取り組みは就活には影響しない」と回答

日本能率協会

・SDGsを「知っている」経営者が初めて9割を超える
・SDGsに取り組む目的:「企業の社会的責任を果たすこと」が約9割
・SDGs推進の課題:「具体的な目標・KPIの設定」「社員の認知度の向上」が同率第1位
『日本企業の経営課題2021』調査結果【第5弾】SDGsへの取組と課題

プルークス

・8割の企業がSDGs活動に対し、取り組みを行なっているが、その内の9割の企業担当者は「社内外に十分に発信できていない」と回答し、その理由として「十分なリソースとコストを割くことができない」と回答。
・7割の企業担当者が、SDGs活動を社内外に発信する際、動画活用へ意欲的であることがわかった。多くの企業が自社HP・YouTube・SNSなどでの発信を想定している。
・活動発信において、目標設定や効果測定方法に課題を持つ企業が多い。
【プルークス調査】:7割の企業担当者が「SDGs活動を社内外に十分に発信できていない」と回答

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション

・SDGsという言葉について認知している割合は7割を超えるが、「具体的な内容を知っている」のは、3割程度であった。
・SDGsの認知が進まない理由はどこにあるか尋ねたところ、44.6%が「”SDGs”というアルファベット4文字が分かりづらい」と回答した。また、「具体的に何をすればよいのか分からない」と回答している割合も、40.4%にのぼる。
「SDGs」に関する調査結果~「SDGs」の内容まで知る人は3割にとどまる~

ボストン コンサルティング グループ

・環境に配慮した商品の購入や環境保護のための寄付付き商品を購入したいと感じている人は7割近くいるが、実際に購入 していると回答した人は4割程度にとどまっている。
・環境価格プレミアムを受容すると回答した人は2~3割程度。受容層のうち、 +5%までが2~3割、+10%までが2~3割程 度。+40%以上払っても良いと回答した人が1割いる。環境負荷の低い商品を選びたいが、価格が高ければ普通の商品を 選ぶと回答している人が5割強いるため、価格の平準化、または価格プレミアムをブランディングの強化等環境要因以外の要 素も含めて納得感のあるものにすることで、環境負荷の低い商品を普及させていくことが肝要
「SDGs」「カーボンニュートラル・脱炭素社会」の認知率は2021年7月までの5ヵ月間で6割から8割へと上昇

企業広報戦略研究所

・生活者が企業に対して「積極的に取り組んでいる」と感じるESG24項目をランキングにして見ると、1位は「S:社会」の「消費者にとってわかりやすい表示・説明」(26.2%)でした。直接消費者へ向けられた誠実な姿勢・情報発信は認知されやすく、どの業界・企業においても必須の取り組みであると考えられます。
・「企業のESGに関する取り組みをどのようなところで見聞きしたか」を聴取しました。その結果、1位「テレビ番組」(16.9%)、2位「商品・サービスを購入して」(16.8%)、3位「ウェブメディア」(11.8%)、4位「テレビCM」(9.4%)、5位「新聞記事」(8.7%)となりました
生活者1万人を対象とした『2021年度 ESG/SDGsに関する意識調査』結果 「ESGレピュテーション」を最も獲得しているのは「飲料」業界

JTBコミュニケーションデザイン

・会社のSDGs達成への取り組みは、社員のモチベーションや就業継続意欲と関連。
・取引先の会社にもSDGs達成への取り組みが求められる
・社員が、会社のSDGs達成への取り組みを知るのは、「社長や経営層からのメッセージ」が最多。
<SDGsと社員のモチベーションに関する調査>会社のSDGs・サステナビリティへの取り組みは社員のモチベーションに関連

ライボ

・SDGsを知ったきっかけは「インターネット」と「職場」の回答が多数
・全体の半数を超える51.7%が企業のSDGsへの取り組みが企業選びに影響すると回答
Job総研による『2021年 SDGs実態調査』を実施 SDGsの認知度9割 半数以上が転職の企業選択に影響

日本経済新聞

日本経済新聞が10の注目キーワードを独自に選定。それに伝統的な部署名である「営業」「企画」を加えた12のキーワードについて調査した。約280万人が使うSansanの名刺アプリ「エイト」のユーザーが主な対象。1年間で1度でも対面の場で交換された名刺のうち、これら12のキーワードが部署名に含まれている名刺がどのくらいあるか枚数を集計し、2018年を1として20年の変化率を算出した。
国際社会が協働して地球規模で取り組む目標をまとめた「SDGs(持続可能な開発目標)」は4.8倍だった。実際には肩書や組織の名前が変わっても実務に大きな変化がないケースがある一方、名称はそのままでも仕事内容が大きく変わった会社も多いとみられる。いずれにせよ、名刺は時代に合わせて変革しようとする企業の姿勢の一端を映し出している。
「D2C」「DX」の肩書急増 名刺から見る新しい仕事

日本経済新聞社

「SDGsや社会的課題への取り組みを行う企業に対する印象」について、Z世代とY世代以上の回答を比較したものだ。回答を「好感が持てる」「積極的に製品・サービスを利用したいと思う」「その企業で働いてみたいと思う」の3つに分けている。その結果、Z世代は「好感が持てる」「製品・サービスを利用したいと思う」「働いてみたいと思う」のすべての項目で「とても当てはまる」がY世代以上よりも高かった。
Z世代サステナブル意識調査 Z世代の意識調査 SDGsに取り組む企業を高評価

SOCIALPORT

「SDGsに取り組んでいるホテルを優先的に選ぶ」と回答した人が24.3%、さらには最多である「取り組みの内容次第で決める」が49.5%と、今後SDGsを意識して滞在先を検討する旅行者が全体の約74%を占める結果となった。
SDGsな宿を選ぶ人74%!SOCIALPORTがホテル旅館のSDGsの取り組みに関する旅行者意識調査を実施

B Lab

SDGsに関する進展が宣言されているにもかかわらず、企業の行動と実績は2030年までに目標を達成するのに十分に戦略的でなく、あるいは大胆さに欠けている。
B Lab 報告書:SDGsの真の進展のために企業はより多くの行動が必要

関連資料

広報センターSDGsレポート2021
SDGsへの取り組みの評価が高い企業ランキング2021【全100位・完全版】

まとめ

本記事では18項目の調査やレポートを紹介させていただきました。みなさん、SDGsという視点でよくここまで多様な表現ができるなと思いますが(もはやそのSDGsって、単なるESGやサステナビリティの意味だよねと思うけど言わない)、企画書等で使えるエビデンスもあり、関係者の方には役に立つものかなと思います。

私もコンサルタントとして、上場企業のSDGs推進プロジェクトの支援チームに入ることもよくありますが、皆さんの関心の高まりを感じています。CSRでもサステナビリティでもダメだった一般認知もSDGsは一気に乗り越えましたよね。SDGsの開発は国連の過去最も大きな成果の一つ、という人もいるくらい、SDGsは流行りましたよね。

企業として2022年も積極的にSDGs対応を進め、企業価値向上へ結びつけていきましょう。

関連記事
今年は大激戦の結果に「第3回日経SDGs経営調査」(2021)
サステナビリティやSDGsの意識調査23選
サステナビリティの中期経営計画と長期目標の作り方