WFPエッセイコンテスト

あなたは日々、誰を想い、ごはんを食べていますか?

先日、WFPエッセイコンテスト2012の優秀作品が発表されたので共有します。

WFPエッセイコンテスト2012とは、
「食べる大切さ」について考えることを目的とした、
社会貢献キャンペーン。
1応募で、協賛企業から30円の寄付がされるそうです。

ハンカチを用意して以下の作品をご覧下さい。

最優秀作品

まずは、エッセイコンテストの最優秀作品を読んで下さい。

こころの日

息子は来年から幼稚園に通う。その幼稚園には「こころの日」というのがある。世界にいる、満足に食べられない人を思い、お昼はおにぎり一つだけを食べ、その日の給食費を寄付に回すというものだ。まだ3歳の息子はその話を聞くと、不思議そうに尋ねた。

「なんでせかいのひと、たべられないの?」
「世界の人全部じゃないよ。なーくんよりももっと好きなものをお腹いっぱい食べられる人もいれば、おにぎり一つも食べられない子もいる」
「なんで?」
「そういう場所に住んでる人もいるんだよ」
「なんで?」
「なーくんがママの所に来てくれたように、その子もそのママを選んで来たんだよ」

何で?何で?な時期の息子に、つたない言葉で何度も何度も繰り返した。伝わるだろうか?私だって最初は園の方針に首を傾げた事もあった。育ち盛りの子に食べさせないなんて、そんな日が月に一度もあるなんてどうなのかと親としてモヤモヤしたのは嘘じゃない。この子は不妊治療を乗り越えてようやく授かった子。余計に辛い思いをさせたくないというのもあった。けれど……。まだ園に入る前の息子が私に言う。

「じゃあぼく、おにぎりなくてもいい」
「え?」
「ぜんぶあげたらもっとお腹いっぱいになれるでしょ」
「でも、なーくんがお腹空いちゃうよ」
「だいじょうぶ。ほかのごはんをのこさずたべるから!」

好き嫌いが多かった息子がこの日からなんでも食べるようになった。そして幼稚園に入園し、おにぎりだけの日はがっかりするかと思っていたら得意な顔で帰ってくる。

「せかいのひと、おにぎりたべられたかな?」
「きっとなーくんのおにぎり食べてくれたよ」
「ママは?」
「ちゃんとおにぎり一つ食べました」
「こころの日」

一緒におにぎりだけのお昼を準備していた私の空っぽのお皿を見て、息子が太陽みたいな笑顔で笑った。

(最優秀作品|エッセイコンテストWebサイトより)

食育におけるCSR/SR

もちろん、親が子どもに食や農の大切さを伝えることは重要です。
でも子どもを預かる、学校・施設などのコミュニティにもその役割があると思うのです。

そもそも食育とはなんでしょうか?
あなたが考え、実践する食育とは何でしょうか?

食習慣を改善すること、食の大切さを伝えるだけでは、
僕は不十分だと考えています。

農家と消費者がつながることで、社会的役割は果たせるのか?CSRと農業で気付いたこと3つ

先日、上記の記事を書きましたが、
そこで提示した「食の4次機能」の4つ目を伝えることが必要だと思うのです。

食の社会性。食を自分に向いたベクトルのみで語るには限界がある。
外にベクトルを向けた、その社会性にも注目すべきだと。

コミュニティが、食育において、その役割を果たす。
それが、その企業・団体のCSR/SRなんじゃないでしょうか?

参照:食育白書|内閣府
参照:あなたは飲食店に何を望む?飲食店の切り札的CSR活動とは

まとめ

いかがでしたでしょうか。

このコンテストは優秀な作品が多いです。
他にも胸に突き刺さるような命題を取り上げたものもありました。
ぜひ以下の参照リンクから詳細をご覧下さい。

僕自身は、涙なくしては読めませんでした。

たった1分で読めるこのエッセイが伝えてくる、
風景、想い、感情、問題意識、やさしさ、そして愛情。

あなたは日々、誰を想い、ごはんを食べていますか?
可能な範囲でいいので、あなたの「こころの日」を作ってみてはいかがでしょうか。

企業・団体で取り組めるようになれば、更に素晴らしいですよね。

参照:WFPエッセイコンテスト2012